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カラクリ屋敷✨✨✨

捜索✨✨✨✨

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 いったいこの屋敷でなにが起こっているんだ。

 清貴の部屋の中を覗いて驚いた。
「ううゥ……、お蝶ォ!」
 
 無惨にも彼女は半裸にされ、血まみれで磔《はりつけ》にされていた。床に伏せていた清貴も姿を消していた。

「ううゥ……、お蝶ーー!!」
 すぐさま駆け寄ろうとするが、信乃介が制した。
「待てえェ……」
「えェ……?」どうして。

「見ろ。幾つも仕掛けがしてある」
 信乃介は慎重に足元を刀剣で示した。

「ううゥ……」
 確かに透明の天蚕糸が幾重にも張り巡らされている。

「おいおい、まさか、お蝶さんも殺されたのか」
 ヒデも部屋を覗き込んで嘆いた。
 血まみれではりつけにされたお蝶を見れば殺されていると思っても仕方ない。

「ぐウッ」
 なんて事だ。俺は天を仰いだ。
 まさかお蝶が殺されるなんて。
 こんな事態になろうとは。最悪の結末だ。
 

「いや、この血は別人のだろう。まだお蝶は息がある」
 信乃介の云う通りだ。かすかに豊かな胸が呼吸をする度に動いているみたいだ。

「えェ……、本当ですか……」良かった。お蝶は生きているのか。

 信乃介が用心深く部屋へ侵入し、お蝶の元へ辿り着いた。
 なんとか救い出すとお蝶も目を覚ました。
「ううゥ、ここは……」
「清貴様の部屋だ。清貴様とお蘭は?」

「わかりません。土蜘蛛衆の一団が……。おそらくあの腕前は、邪鬼でしょう」

「チィッ、土蜘蛛衆……?  邪鬼のヤツ、清貴様とお蘭を拉致して連れ去ったのか」
 信乃介も吐き捨てるように舌打ちをした。
「お蝶は……?  どこかに怪我はないか」
 もちろん清貴やお蘭も心配だが、お蝶の容態がもっとも気になる。

「私はなんとも……、それよりも清貴様を」
「わかった。拐われた人をみんな救いだそう」
 ようやく敵も姿を現したようだ。
 黒幕は邪鬼なのだろうか。
 








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