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カラクリ屋敷✨✨✨

清斎✨✨✨

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 書斎は血だらけだ。しかも壁には血文字で『おごる平家はひさしからず』と書かれている。

 首を斬られた遺体こそないが、本陣で暗殺された闇御前の一件と同様だ。

「なるほど……」俺も納得した。
 お律の云う事も尤もだ。
 これだけ書斎が血まみれなのだ。

 愛息子の清斎の身が心配で血眼ちまなこになっているのもわからなくはない。
 だが俺は清斎の失踪に何も関わっていないのだ。
 言いがかりも甚だしい。

「加助、コヤツだ。コヤツが清斎を拉致し、何処かへ監禁しておるのだ!!  すぐに引っ捕えて拷問にかけておしまい!」
 お律は俺を指差し加助に命じた。
「なッ!!」いくら愛息子が拐われたとしても、なんて無茶な事を云い出すんだ。

「そッ、それは無理です。清雅様は次期当主……、お世継ぎであります。たとえお律様のご命令でもお舘様に逆らう事は致しかねます」
 加助もかぶりを振り、承服しかねた。

「ふざけるな。こんな馬の骨。どうせお舘様の落としだねと云うのも出鱈目なんだろう。
 とっとと私の清斎を返せえェ!」
 お律は燃えるような眼差しで俺を睨みつけた。
 ついには、短刀を取り出し俺に斬り掛かってきた。

「お、おやめください」俺は必死に刃を避ける一方だ。なんとか身を翻して避けて廊下まで逃げた。
「ゴメン」
 見かねた信乃介が傍らから手刀でお律の腕を叩いた。

「ウッぐうゥッ!!」手にしていた短刀が廊下に落ちた。
 その時、清姫とヒデが駆けてきた。
「おッ、お母様。いったいなにごとなんですか!」

「清姫!  あの子を見なかったか。清斎を!」
「清斎……?  いえ見ませんが、キャァ、これは何なのですか」
 清姫が書斎を覗くと悲鳴を上げた。書斎は血まみれなのだから無理もない事だ。

「ぬうぅ、こりゃァ酷いなァ」
 ヒデも書斎を見た瞬間、顔を顰めて目を背けた。

「とにかくここで、口論していてもらちが明かない。手分けして清斎様を捜そう」
 信乃介の言葉に従い、俺たちも清斎を捜索するため屋敷内を探すことになった。








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