62 / 119
カラクリ屋敷✨✨✨
✨✨✨
しおりを挟む
俺たちも客間へ通された。
「おい、信乃介。ちょっと」源内が手招きをした。
「ハァ、なんですか。先生」
源内は信乃介に何かを耳打ちしていた。
「ケッケケ、どうした。キヨ。そんなに暗い顔をするなよ。ああァ、羨ましいぜ。あんなべっぴんさんの側妻なんてよォ」
相変わらずヒデは馴れ馴れしく接してくる。
俺の太ももに手を差し伸べてきた。
「よせよ……。それよりもお蝶。ひとつ頼みがあるんだ」
「なんでしょうか。清雅様?」
「ちょっと兄の清貴様にお目通りできるかどうか。訊いてくれないか?」
「ええェ……、お兄様の清貴様にですか」
少し戸惑った様子だ。
「ああァ、俺の双子の兄なんだろう。ちゃんと会って話しをしたいんだ」
「ハイ、そうですね」
「ねえェ……、清貴様ッて、清雅様に似てるんでしょ?」
お蘭が尋ねた。
「ハイ……、そうですね。病魔に蝕まれる前は瓜二つでした。では窺って参ります」
お蝶は部屋を後にした。
「ケッケケ、じゃァ、俺もちょっくら……」
「もぉ、勝手に何処へ行く気よ。ヒデさん」
お蘭が訊いた。
「ケッケケ、厠だよ。行くか。連れション?」
「行くワケないでしょ。乙女なのよ」
お蘭はプイッと横を向いた。
「ケッケケ……」
愉しそうに出ていった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・
「おい、信乃介。ちょっと」源内が手招きをした。
「ハァ、なんですか。先生」
源内は信乃介に何かを耳打ちしていた。
「ケッケケ、どうした。キヨ。そんなに暗い顔をするなよ。ああァ、羨ましいぜ。あんなべっぴんさんの側妻なんてよォ」
相変わらずヒデは馴れ馴れしく接してくる。
俺の太ももに手を差し伸べてきた。
「よせよ……。それよりもお蝶。ひとつ頼みがあるんだ」
「なんでしょうか。清雅様?」
「ちょっと兄の清貴様にお目通りできるかどうか。訊いてくれないか?」
「ええェ……、お兄様の清貴様にですか」
少し戸惑った様子だ。
「ああァ、俺の双子の兄なんだろう。ちゃんと会って話しをしたいんだ」
「ハイ、そうですね」
「ねえェ……、清貴様ッて、清雅様に似てるんでしょ?」
お蘭が尋ねた。
「ハイ……、そうですね。病魔に蝕まれる前は瓜二つでした。では窺って参ります」
お蝶は部屋を後にした。
「ケッケケ、じゃァ、俺もちょっくら……」
「もぉ、勝手に何処へ行く気よ。ヒデさん」
お蘭が訊いた。
「ケッケケ、厠だよ。行くか。連れション?」
「行くワケないでしょ。乙女なのよ」
お蘭はプイッと横を向いた。
「ケッケケ……」
愉しそうに出ていった。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
おぼろ月
春想亭 桜木春緒
歴史・時代
「いずれ誰かに、身体をそうされるなら、初めては、貴方が良い。…教えて。男の人のすることを」貧しい武家に生まれた月子は、志を持って働く父と、病の母と弟妹の暮らしのために、身体を売る決意をした。
日照雨の主人公 逸の姉 月子の物語。
(ムーンライトノベルズ投稿版 https://novel18.syosetu.com/n3625s/)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる