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本家大邸宅✨✨✨

✨✨✨

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 おもむろにお蝶が羽子板を差し出した。

「ぬうぅッ、それは……?」
 一斉にお律と清斎が前のめりに覗き込んで尋ねた。

「うむ、これか。これは、おマサが江戸へ行く際にワシが持たせたモノだ。
 ほら、見てみろ。この平家の家紋……。揚羽蝶の刻まれた羽子板だ!」
 当主、清国が一同にみせた。

「うむ」源内もニヤリと微笑んだ。
「へえェ……、やっぱ平家の家紋だったんだ。あの揚羽蝶は!」
 ヒデも笑みを浮かべて納得したようだ。

「しかし……、お言葉ながらこの男が羽子板を持っていたからと云ってお舘様から手渡されたモノとは限りますまい」
 清斎《キヨとき》はまだ納得出来ないようだ。不満げに羽子板を見つめた。

「そうですわ。羽子板はどこぞのヤカラに奪わせたモノかもしれません……」
 もちろんお律も認めるつもりはないのだろう。
「ほォ……、なんだ。お律。これでもまだ信用できんと申すのか」
 当主、清国は睨んだ。

「そう云うワケではございませんが」
 さすがに彼女も分はわきまえているようだ。
 
「よかろう。では清雅!  胸に刻まれた例の陽炎彫カゲロウぼりを見せろ」
「ええェ……、胸の」

「さよう、ワシが直々に、お主の幼き頃、特別に彫り師に頼んだシロモノだ。お蝶!  お前が確認したのだな」

「ハイ、しかと確認致しました。胸に揚げ羽蝶の刻印がありました」

「フフゥン、このお蝶のが何のあかしになりましょう」
 だがいっこうにお律は譲らない。
「ふぅむ、ではこの場でを見せろ!」
 当主、清国は側妻そばめのお松を抱き寄せ、上から目線で命じた。
 ゆっくりと手がお松の豊かな胸元へ伸びていく。

「ええェ……?  この場でを」
 どうしろと云うのだろう。









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