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嵐の中の惨劇✨✨✨

嵐の中で……

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 こうして見ると、圧倒的な美女だ。
 しかも妖艶で蠱惑的だ。
 見る者全ての男心を鷲掴みにしていくようだ。
 知らぬ間に鼻息が荒くなってしまう。

「ゴックン」誰かが音を立てて生唾を飲み込んだ。
 まさに固唾を飲んで見つめている感じだ。
 無理もない。歌麿の浮世絵よりも生々しく芸術的なのだ。

 もちろんお蘭も美少女だが、お蝶の匂いたつような色香に俺たちは目を奪われた。
 花で例えれば、まだツボミのお蘭とは違って今が満開の見頃だろう。

 男らの注目の中、湯浴みをし俺の前へ歩み寄り苦笑いを浮かべた。
「清雅様……、恥ずかしいので、そんなに凝視しないでください」
 ゆっくり足を上げ入浴していく。

「あ、ああァ……、ゴメン」慌てて、俺も視線を逸らした。
 知らぬ間に、彼女の官能的な肢体に魅入られていたようだ。

「もう、信さんもヨダレ垂らして」
 横では、お蘭が嫉妬したように眉をひそめ信乃介の脇腹へ肘鉄を入れた。

「うッぐうゥ……、別にヨダレなんか」
 信乃介は、少し呻きながら誤魔化そうと手ぬぐいで口元を拭いた。

「フフ、温ッたかいですね。清雅様」
 お蝶は肌が触れ合うほど近くへ浸かってきた。
 こんなに近くに女人の柔らかな身体を感じた事は初めてだ。
「ええェ、そ……、そうですね」
 頬が引きつり上手く笑えない。
 豊満で柔らかな胸の膨らみが俺の二の腕へ押しつけられた。一気に、全身が熱く火照ってくるようだ。
 身体じゅうが燃えるように熱くなった。
 敏感に股間も反応してしまう。

「ケッケケェ……、お蝶さんと旅が出来て嬉しいぜ。ムサ苦しい野郎と鼻を垂らした小娘だけじゃ、味気なくてイケねェよォ」
 山師のヒデが馴れ馴れしく笑顔で寄ってきた。
 視線は、お蝶のたわわに実った胸元へ注がれたままだ。

「はぁ……、何よ。鼻を垂らした小娘ッて誰のことなのォ!!」
 ムッとして、お蘭がヒデを睨んだ。

「ケッケケ、別に、お蘭のことじゃねえェよ」
 ようやくみんな温かい湯に浸かりくつろいできたみたいだ。
 外は荒れ狂ったような雷雨だ。

 大地を切り裂くみたいな雷鳴が轟いていく。
 嵐の中、俺たちはこの旅籠に閉じ込められることになった。










☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。

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