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平家伝説財宝殺人事件✨✨
キヨマサ✨平家の末裔✨✨
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深川清住町(現・東京都江東区清澄)にある居酒屋『お藤』。
そこに知り合いの平賀源内が馴染みにしていた。
平賀源内は現在の香川県、高松藩の中心地から離れた志度《しど》と呼ばれる港町で生まれた。親は下級武士だったそうだ。
二十四歳の時に運命が変わることになった。高松藩から長崎へ遊学することとなり、そこで大いに見聞を広めることになった。
宝暦六年、二十八歳の頃に江戸へ到着し画期的な閃きを発揮し、物産展を催し江戸の人々の注目を浴びた。
また『土用の丑の日に鰻を食べると元気になる』と言うキャッチコピーを考えたのも源内である。それまで夏に鰻を食べる習慣はなかったとされている。
安永三年、源内が四十六歳の時、盟友、杉田玄白の刊行した『解体新書』に参加したとされている。
なお、安永八年十一月に門人、九五郎を殺め翌十二月に獄中死したと記されていた。
その死を看取ったのが盟友の杉田玄白であり、その後、墓へ埋葬されたのだが後日、墓を暴いたところ遺体はなかったとされている。
実は源内は亡くなっていなくて、杉田玄白が手助けし、田沼意次の所領・遠江へ逃亡したと言う説もあった。
また亡くなった五十一歳まで独身だったことから同性愛者だったと言う噂も残っている。
俺はその曰くつきの平賀源内に相談を持ちかけた。
「あん、なんだ。キヨ。折り入ってワシに話しがあるそうだが……」
昼間から酒を酌み交わしていた。
最近は酒くらいしか愉しみはない。
「ハイ、実は……、こんな話しをしても信じてもらえないでしょうけど」
俺は幼少の頃から何度も見ている夢の話しをした。
おっ母ぁからは、決して人様に聞かせてはならないと固く禁じられていた。
そのおっ母ぁも亡くなってからすでに三年の月日が流れていた。
「ほォ、じゃァ、幼い頃からその同じ夢に魘されるのか」
源内は酒を飲みながら聞き返した。
「ええェ……、そうなんですよ。それがいつも決まってどっかの洞窟の中を土蜘蛛衆ッて言う忍者に追いかけ回されるんです」
「ほほォ、そりゃァ、面白いな。今度の浄瑠璃に使えるかもしれねぇな」
源内は嬉《たの》しそうに微笑んだ。
平賀源内は物産展を開催したことやエレキテルを発明したことで名を馳せた。
『土用の丑の日に鰻を食べて元気になろう』と言った今で言うコピーライターと言った顔も持つが、浄瑠璃作家としても有名だ。
「なんでェ、なんでェ……、源内先生よォ。良いねえェ、金儲けか」
山師のヒデが首を突っ込んできた。
名ばかりの山師で、胡散臭く金の話には鼻が効いた。愛嬌のあるサル面だ。
しかし年齢不詳で素性も良くわからない。
「もォ、ヒデさんには関係ないわよ」
お蘭が唇を尖らせた。
彼女は源内が養女のように可愛がっている美少女だ。彫りが深く西洋人形のように可愛らしい子だ。
いつの間にか、周りには源内、俺、そしてヒデとお蘭が酒を酌み交わしていた。
もちろんお蘭は酒など飲んではいないが、源内らの酌をしていた。
「まァまァ、そう言わず、キヨ。どうせ暇なんだ。オイラにも話しを聞かせてくれよ」
馴れなれしくヒデは肩を組んできた。
「ぬうぅ、わかったから離れろよ」
だいぶ出来上がっているようだ。
「ケッケケ、キヨが由緒正しいどこぞの落とし胤だって、噂は聞いてるぜ」
旧知の仲のように親しげに話しかける。
まだ知り合ってそれほどでもないのに図々しい男だ。
「フフゥン、どこで聞いたのよ。いい加減なヤツねえェ……」
お蘭がヒデを横目で睨んだ。
話しの最中、編笠をかぶった男たちが店へ入ってきた。
目つきが悪く見るからに怪しげな男たちだ。
「酒を四本もらおう……」
ひとりが女将に頼んだ。編笠を取ると精悍な顔立ちをしている。凛々しい色男だ。
「ハイ……」女将も会釈し用意した。
どうにも俺には編笠をかぶった謎の男たちが気になって仕方がない。
編笠の男たちは酒を酌み交わしながら、俺や源内たちの話しに耳を傾けている。
はじめは源内も眉唾ものだとタカをくくっていたが、隠し財宝の件を話すと、かなり乗り気になってきた。
「ははァン、ッで、その夢から醒めたッてわけか。面白いじゃねえェか……」
源内も気に入ったみたいだ。
なにしろ改革、改革で娯楽はご法度だ。
派手な事は出来ない。
浮世絵や浄瑠璃も大人しいモノばかりで、源内等も辟易していた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
そこに知り合いの平賀源内が馴染みにしていた。
平賀源内は現在の香川県、高松藩の中心地から離れた志度《しど》と呼ばれる港町で生まれた。親は下級武士だったそうだ。
二十四歳の時に運命が変わることになった。高松藩から長崎へ遊学することとなり、そこで大いに見聞を広めることになった。
宝暦六年、二十八歳の頃に江戸へ到着し画期的な閃きを発揮し、物産展を催し江戸の人々の注目を浴びた。
また『土用の丑の日に鰻を食べると元気になる』と言うキャッチコピーを考えたのも源内である。それまで夏に鰻を食べる習慣はなかったとされている。
安永三年、源内が四十六歳の時、盟友、杉田玄白の刊行した『解体新書』に参加したとされている。
なお、安永八年十一月に門人、九五郎を殺め翌十二月に獄中死したと記されていた。
その死を看取ったのが盟友の杉田玄白であり、その後、墓へ埋葬されたのだが後日、墓を暴いたところ遺体はなかったとされている。
実は源内は亡くなっていなくて、杉田玄白が手助けし、田沼意次の所領・遠江へ逃亡したと言う説もあった。
また亡くなった五十一歳まで独身だったことから同性愛者だったと言う噂も残っている。
俺はその曰くつきの平賀源内に相談を持ちかけた。
「あん、なんだ。キヨ。折り入ってワシに話しがあるそうだが……」
昼間から酒を酌み交わしていた。
最近は酒くらいしか愉しみはない。
「ハイ、実は……、こんな話しをしても信じてもらえないでしょうけど」
俺は幼少の頃から何度も見ている夢の話しをした。
おっ母ぁからは、決して人様に聞かせてはならないと固く禁じられていた。
そのおっ母ぁも亡くなってからすでに三年の月日が流れていた。
「ほォ、じゃァ、幼い頃からその同じ夢に魘されるのか」
源内は酒を飲みながら聞き返した。
「ええェ……、そうなんですよ。それがいつも決まってどっかの洞窟の中を土蜘蛛衆ッて言う忍者に追いかけ回されるんです」
「ほほォ、そりゃァ、面白いな。今度の浄瑠璃に使えるかもしれねぇな」
源内は嬉《たの》しそうに微笑んだ。
平賀源内は物産展を開催したことやエレキテルを発明したことで名を馳せた。
『土用の丑の日に鰻を食べて元気になろう』と言った今で言うコピーライターと言った顔も持つが、浄瑠璃作家としても有名だ。
「なんでェ、なんでェ……、源内先生よォ。良いねえェ、金儲けか」
山師のヒデが首を突っ込んできた。
名ばかりの山師で、胡散臭く金の話には鼻が効いた。愛嬌のあるサル面だ。
しかし年齢不詳で素性も良くわからない。
「もォ、ヒデさんには関係ないわよ」
お蘭が唇を尖らせた。
彼女は源内が養女のように可愛がっている美少女だ。彫りが深く西洋人形のように可愛らしい子だ。
いつの間にか、周りには源内、俺、そしてヒデとお蘭が酒を酌み交わしていた。
もちろんお蘭は酒など飲んではいないが、源内らの酌をしていた。
「まァまァ、そう言わず、キヨ。どうせ暇なんだ。オイラにも話しを聞かせてくれよ」
馴れなれしくヒデは肩を組んできた。
「ぬうぅ、わかったから離れろよ」
だいぶ出来上がっているようだ。
「ケッケケ、キヨが由緒正しいどこぞの落とし胤だって、噂は聞いてるぜ」
旧知の仲のように親しげに話しかける。
まだ知り合ってそれほどでもないのに図々しい男だ。
「フフゥン、どこで聞いたのよ。いい加減なヤツねえェ……」
お蘭がヒデを横目で睨んだ。
話しの最中、編笠をかぶった男たちが店へ入ってきた。
目つきが悪く見るからに怪しげな男たちだ。
「酒を四本もらおう……」
ひとりが女将に頼んだ。編笠を取ると精悍な顔立ちをしている。凛々しい色男だ。
「ハイ……」女将も会釈し用意した。
どうにも俺には編笠をかぶった謎の男たちが気になって仕方がない。
編笠の男たちは酒を酌み交わしながら、俺や源内たちの話しに耳を傾けている。
はじめは源内も眉唾ものだとタカをくくっていたが、隠し財宝の件を話すと、かなり乗り気になってきた。
「ははァン、ッで、その夢から醒めたッてわけか。面白いじゃねえェか……」
源内も気に入ったみたいだ。
なにしろ改革、改革で娯楽はご法度だ。
派手な事は出来ない。
浮世絵や浄瑠璃も大人しいモノばかりで、源内等も辟易していた。
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