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平家伝説財宝殺人事件✨✨
平家伝説財宝殺人事件❗
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☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
何度となく見た夢だ。
いつも俺は追いかけられている。
追っ手は黒装束に身を包んだ土蜘蛛衆だ。
いくら逃げても追いかけてくる。
薄暗い地下の洞窟だ。
駆け足の音が反響する。追っ手はすぐ近くだ。
『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!!』悪意が飛礫のように俺たちを追い立てていく。
『ヴォォンヴォン』獰猛な犬たちが吠えている。まるで地獄の底から唸り声を上げているようだ。
細い橋のようになった小路を急いで渡っていった。両端は千尋の谷みたいに切り立っている。
まさに断崖絶壁だ。
少しでも足を滑らせれば奈落の底へ落ちていきそうだ。
まるで現実の世界のような危機感に足をすくませた。一歩足を踏み出すたびに足元が崩れていく。
黒装束の土蜘蛛衆が俺たちの行く手を阻もうとしていた。
しかし美女のお蝶が剣を交え闘っていた。
『キィーン! キィン』
派手に剣が交差するたびに火花が散っていく。
『キヨマサ様、早く向こうへ。渡りきって下さい』
お蝶は身を犠牲にして俺に先を急がせた。
だが急いで渡りきった所で行き止まりだ。
目の前には切り立った絶壁が聳えたっていた。
『くっそォ……。万事休す! ここまで来て行き止まりか』
悔しいがここまでだ。
いつもここで夢は途切れていた。
だが今日はいつもとは違って続きがある。
俺は壁に寄りかかった。
お蝶も防戦一方だ。多勢に無勢、やはり俺たちには勝ち目がないのか。
『いよいよ絶体絶命か……』
俺は壁に手を置いた。
『ンうゥ……!!』
その刹那、よく見ると壁に蝶のような刻印が刻まれている。
『ううゥ……』俺はその刻印に導かれるように手を乗せた。
その瞬間、『ドックン』と心臓が高鳴った。
『うッううゥ……、ここだ!』
何かが俺の中で蠢いている。
身体じゅうが火のように熱く燃えたぎってきた。
全身から纏闘気のような妖気が漂い、俺の胸に刻まれた揚げ羽蝶の刻印が光り輝いた。
『うッおおおおおおォォォォォォーーーー』
俺は咽喉が裂けるほど絶叫した。
洞窟内にゴッゴゴゴォォォッという轟音が響き地鳴りが起こった。
瞬間、一同は手を止めて事態を注視した。
敵味方、すべての視線が俺に注がれた。
また全身が蒼白く纏闘気で光っている。
『うッ動くぞォォォォ』脳の中で具象化していく。
目の前の壁に裂け目が入り、徐々に左右へ動きはじめた。
『ウォォォーー……』
背後で土蜘蛛衆らも歓声にも似た声を上げた。
壁の間から光がスゥーッと伸び、一条の光の線が洞窟を照らした。
地震が起き聳えたった絶壁が徐々に左右へ動き出した。
『おおォォォーー、あの絶壁が開くのか』
土蜘蛛衆も闘うのを止め、事の成り行きを見守っている。
『やったァ……! ついに俺は見つけたんだ。隠し財宝を!!』
人が通り抜けられるほど壁が動き、俺は中を覗き込んだ。
『ううゥ……、これが探し求めていた財宝か』
目の前が光りで満たされ視界は眩しいほど真っ白だ。
その反射で俺自身の身体も光っているようだ。
光りの中へ飲み込まれていった。
『これこそが『平家一族の隠し財宝』なのかァァァァ』
俺は歓喜の雄叫びを上げた。
その瞬間、俺は夢から醒めた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
何度となく見た夢だ。
いつも俺は追いかけられている。
追っ手は黒装束に身を包んだ土蜘蛛衆だ。
いくら逃げても追いかけてくる。
薄暗い地下の洞窟だ。
駆け足の音が反響する。追っ手はすぐ近くだ。
『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!!』悪意が飛礫のように俺たちを追い立てていく。
『ヴォォンヴォン』獰猛な犬たちが吠えている。まるで地獄の底から唸り声を上げているようだ。
細い橋のようになった小路を急いで渡っていった。両端は千尋の谷みたいに切り立っている。
まさに断崖絶壁だ。
少しでも足を滑らせれば奈落の底へ落ちていきそうだ。
まるで現実の世界のような危機感に足をすくませた。一歩足を踏み出すたびに足元が崩れていく。
黒装束の土蜘蛛衆が俺たちの行く手を阻もうとしていた。
しかし美女のお蝶が剣を交え闘っていた。
『キィーン! キィン』
派手に剣が交差するたびに火花が散っていく。
『キヨマサ様、早く向こうへ。渡りきって下さい』
お蝶は身を犠牲にして俺に先を急がせた。
だが急いで渡りきった所で行き止まりだ。
目の前には切り立った絶壁が聳えたっていた。
『くっそォ……。万事休す! ここまで来て行き止まりか』
悔しいがここまでだ。
いつもここで夢は途切れていた。
だが今日はいつもとは違って続きがある。
俺は壁に寄りかかった。
お蝶も防戦一方だ。多勢に無勢、やはり俺たちには勝ち目がないのか。
『いよいよ絶体絶命か……』
俺は壁に手を置いた。
『ンうゥ……!!』
その刹那、よく見ると壁に蝶のような刻印が刻まれている。
『ううゥ……』俺はその刻印に導かれるように手を乗せた。
その瞬間、『ドックン』と心臓が高鳴った。
『うッううゥ……、ここだ!』
何かが俺の中で蠢いている。
身体じゅうが火のように熱く燃えたぎってきた。
全身から纏闘気のような妖気が漂い、俺の胸に刻まれた揚げ羽蝶の刻印が光り輝いた。
『うッおおおおおおォォォォォォーーーー』
俺は咽喉が裂けるほど絶叫した。
洞窟内にゴッゴゴゴォォォッという轟音が響き地鳴りが起こった。
瞬間、一同は手を止めて事態を注視した。
敵味方、すべての視線が俺に注がれた。
また全身が蒼白く纏闘気で光っている。
『うッ動くぞォォォォ』脳の中で具象化していく。
目の前の壁に裂け目が入り、徐々に左右へ動きはじめた。
『ウォォォーー……』
背後で土蜘蛛衆らも歓声にも似た声を上げた。
壁の間から光がスゥーッと伸び、一条の光の線が洞窟を照らした。
地震が起き聳えたった絶壁が徐々に左右へ動き出した。
『おおォォォーー、あの絶壁が開くのか』
土蜘蛛衆も闘うのを止め、事の成り行きを見守っている。
『やったァ……! ついに俺は見つけたんだ。隠し財宝を!!』
人が通り抜けられるほど壁が動き、俺は中を覗き込んだ。
『ううゥ……、これが探し求めていた財宝か』
目の前が光りで満たされ視界は眩しいほど真っ白だ。
その反射で俺自身の身体も光っているようだ。
光りの中へ飲み込まれていった。
『これこそが『平家一族の隠し財宝』なのかァァァァ』
俺は歓喜の雄叫びを上げた。
その瞬間、俺は夢から醒めた。
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