13 / 14
東洲斎写楽
写楽
しおりを挟む
そうかもしれない。
実際、美人画では歌麿に分があるだろうが浮世絵師としては北斎こそ日本一だろう。
それは間違いない。
蔦重は、当代随一の北斎を擁して、謎の浮世絵師、東洲斎写楽を仕立て上げた。
出来も最高だ。
背景をキラ摺りし、インパクトも絶大だ。
大首絵、二十八枚を大々的に売り出した。
これで売れないはずはない。
しかし江戸の町民には殊の外、不評だった。
結局、十ヶ月間で百四十点もの作品を世に送り出したものの反響はない。
なぜか写楽の浮世絵が売れることはなかった。
だが蔦重は、いつの日にか必ず写楽のブームが訪れると考えていただろう。
だからこそ正体を伏せたまま亡くなったのだ。
浮世絵類項では写楽の正体は阿波の須賀藩のお抱え能役者、斎藤十郎兵衛とされているが、定かではない。
いずれ写楽がブームなれば写楽の正体を突き止めようとするに違いない。
そうすれば、間違いなく版元の蔦屋重三郎の事も調べなくてはならない。
北斎や歌麿ら浮世絵師の名前は後世まで残るだろう。
だが、どんなに有名な版元でもいずれ時が経てば忘れ去られる。
けれども東洲斎写楽を謎の浮世絵師のまま口を閉ざせば、写楽を調べる際、必ず蔦重のことにも触れることになるだろう。
実際、美人画では歌麿に分があるだろうが浮世絵師としては北斎こそ日本一だろう。
それは間違いない。
蔦重は、当代随一の北斎を擁して、謎の浮世絵師、東洲斎写楽を仕立て上げた。
出来も最高だ。
背景をキラ摺りし、インパクトも絶大だ。
大首絵、二十八枚を大々的に売り出した。
これで売れないはずはない。
しかし江戸の町民には殊の外、不評だった。
結局、十ヶ月間で百四十点もの作品を世に送り出したものの反響はない。
なぜか写楽の浮世絵が売れることはなかった。
だが蔦重は、いつの日にか必ず写楽のブームが訪れると考えていただろう。
だからこそ正体を伏せたまま亡くなったのだ。
浮世絵類項では写楽の正体は阿波の須賀藩のお抱え能役者、斎藤十郎兵衛とされているが、定かではない。
いずれ写楽がブームなれば写楽の正体を突き止めようとするに違いない。
そうすれば、間違いなく版元の蔦屋重三郎の事も調べなくてはならない。
北斎や歌麿ら浮世絵師の名前は後世まで残るだろう。
だが、どんなに有名な版元でもいずれ時が経てば忘れ去られる。
けれども東洲斎写楽を謎の浮世絵師のまま口を閉ざせば、写楽を調べる際、必ず蔦重のことにも触れることになるだろう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ネコ耳探偵 未亜&犬のおまわりさん 真犯人はあなたに決定ニャン!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
児童書・童話
彼は犬野正直と言う名前の通り真面目で正直なだけが取り柄の犬のおまわりさんだった。猫耳を付けた自称名探偵の未亜に巻き込まれ、今日も探偵ごっこを始めた。そこへ資産家の金有太蔵がペットのラッキーを探してくれと交番へやって来た。未亜と犬のおまわりさんは、ラッキーを探して資産家の金有邸の近所を探していた。犬のおまわりさんは、屋敷へ入っていく犬のラッキーを見かけ入り込むと金有太蔵が鈍器で殴られ意識不明で倒れていた。しかもダイイングメッセージなのか『もも』と言うメッセージを残していた。第一発見者として容疑をかけられた犬のおまわりさんは探偵未亜と捜査を始めた。果たしてダイイングメッセージの『もも』とは誰のことを指しているのか。容疑者は妻の桃井レイカ、パパ活愛人のもも、そして菱沼カイト、百田ユウマらだ。ネコ耳探偵未亜は、怖モテ警部補の鰐口警部補と共に事件解決へみちびいた。
忌子
関谷俊博
絵本
お水をください…いい子にしますから、わがまま言いませんから、どうかお水をください…ごめんなさい…そうです…ぼくは嫌な子です…あの、哀れっぽい目つきって何ですか…ごめんなさい…ちゃんとなおしますから、ぶたないでください…ぶたないでください…あ、それタバコですね…どうするんですか…あ、あ、あ、ゆるしてください…ゆるしてください…
ひみつを食べる子ども・チャック
山口かずなり
児童書・童話
チャックくんは、ひみつが だいすきな ぽっちゃりとした子ども
きょうも おとなたちのひみつを りようして やりたいほうだい
だけど、ちょうしにのってると
おとなに こらしめられるかも…
さぁ チャックくんの運命は いかに!
ー
(不幸でしあわせな子どもたちシリーズでは、他の子どもたちのストーリーが楽しめます。 短編集なので気軽にお読みください)
下記は物語を読み終わってから、お読みください。
↓
彼のラストは、読者さまの読み方次第で変化します。
あなたの読んだチャックは、しあわせでしたか?
それとも不幸?
本当のあなたに会えるかもしれませんね。
湖の民
影燈
児童書・童話
沼無国(ぬまぬこ)の統治下にある、儺楼湖(なろこ)の里。
そこに暮らす令は寺子屋に通う12歳の男の子。
優しい先生や友だちに囲まれ、楽しい日々を送っていた。
だがそんなある日。
里に、伝染病が発生、里は封鎖されてしまい、母も病にかかってしまう。
母を助けるため、幻の薬草を探しにいく令だったが――
おねしょゆうれい
ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。
※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
⭐︎登録お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐︎登録して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
ホスト科のお世話係になりました
西羽咲 花月
児童書・童話
中2の愛美は突如先生からお世話係を任命される
金魚かな? それともうさぎ?
だけど連れてこられた先にいたのは4人の男子生徒たちだった……!?
ホスト科のお世話係になりました!
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる