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アナザー横須賀ストーリー✨🎸✨✨✨💕
横須賀ストーリー✨✨✨
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「ついじゃねえェよ。私のファーストキスだったんだから! 責任取りなさいよ」
「ううゥン……。まァねえェ」
一瞬、ショーリは青空を見上げて考えている。
大きく深呼吸をしてシリアスな顔になった。
「オレが漫画家で食えるようになったら……。
結婚を前提に付き合ってください」
真剣な眼差しで私へ右手を差し出した。
「な、なによ。いきなり……」
「別に、これでもずっと考えていたんだぜ」
「あのねえェ……。これで何回目なの。私にプロポーズするのは」
「さァねえェ……。三度目かな。オレはあの時からずっとイチゴにメロメロだったからねェ……」
「あの時って?」
「フフゥン、ハッチをイジメたって飛び蹴り喰らって、馬乗りになってボコボコに殴られそうになった時からだよ」
「ええェ……、あんな昔っから」
「ああァ、まァオレはハッチをイジメでなかったけど。殴られそうになって、『ああァこの子は真っ直ぐな子なんだなァ』ッて、それに」
「それに何よ。悪かったわ。暴力的で、勘違いして飛び蹴りなんかしちゃって」
「いやいや、オレはあの時、イチゴにノックアウトされたんだよ」
「ええェ……」
私は恥ずかしくなって、彼の告白を聞きながら遥か遠くに浮かぶ豪華客船を見つめていた。
ショーリはすぐ隣りにきて訊いた。
「どう? 三度目のプロポーズの返事は」
「そうねえェ……」東京湾を見つめたまま少し考えていた。
「フフゥン、またダメか」
「良いわよ」
「え、マジで」
「ええェ……、ただし私がアラサーになって、ひとりも彼氏が居なかったら、考えて上げるわ」
「ええェ……、おいおい、アラサーッてあと何年だよ」
指折り数えていた。
「知らないわよ。それよりもショーリ。食べていけるの。漫画家で」
「あ、そうだな。じゃァ、イチゴが結婚相手を見つけない方が良いのかァ!」
「なによ。それ。愛する彼女の不幸を願うなんて、そんな愛じゃないわ」
「いやいや、イチゴには是非とも幸せになってほしいよ。ただし彼氏が出来なきゃねえェ……」
「まァ、当分は忙しくなるし彼氏どころじゃないわ」
「ヒューイイね。やっぱネイビーパーカを本格的に売り出す気かよ」
「そうねえェ……」私は立ち上がって駆け出した。
「横須賀の女子高生を舐めるなよ!!」
ウインクをして、一気に公園の遊具へ駆け昇った。
「おおォ! 出たねェ……。久々に」
ショーリは私のあとを追いかけてきた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「ううゥン……。まァねえェ」
一瞬、ショーリは青空を見上げて考えている。
大きく深呼吸をしてシリアスな顔になった。
「オレが漫画家で食えるようになったら……。
結婚を前提に付き合ってください」
真剣な眼差しで私へ右手を差し出した。
「な、なによ。いきなり……」
「別に、これでもずっと考えていたんだぜ」
「あのねえェ……。これで何回目なの。私にプロポーズするのは」
「さァねえェ……。三度目かな。オレはあの時からずっとイチゴにメロメロだったからねェ……」
「あの時って?」
「フフゥン、ハッチをイジメたって飛び蹴り喰らって、馬乗りになってボコボコに殴られそうになった時からだよ」
「ええェ……、あんな昔っから」
「ああァ、まァオレはハッチをイジメでなかったけど。殴られそうになって、『ああァこの子は真っ直ぐな子なんだなァ』ッて、それに」
「それに何よ。悪かったわ。暴力的で、勘違いして飛び蹴りなんかしちゃって」
「いやいや、オレはあの時、イチゴにノックアウトされたんだよ」
「ええェ……」
私は恥ずかしくなって、彼の告白を聞きながら遥か遠くに浮かぶ豪華客船を見つめていた。
ショーリはすぐ隣りにきて訊いた。
「どう? 三度目のプロポーズの返事は」
「そうねえェ……」東京湾を見つめたまま少し考えていた。
「フフゥン、またダメか」
「良いわよ」
「え、マジで」
「ええェ……、ただし私がアラサーになって、ひとりも彼氏が居なかったら、考えて上げるわ」
「ええェ……、おいおい、アラサーッてあと何年だよ」
指折り数えていた。
「知らないわよ。それよりもショーリ。食べていけるの。漫画家で」
「あ、そうだな。じゃァ、イチゴが結婚相手を見つけない方が良いのかァ!」
「なによ。それ。愛する彼女の不幸を願うなんて、そんな愛じゃないわ」
「いやいや、イチゴには是非とも幸せになってほしいよ。ただし彼氏が出来なきゃねえェ……」
「まァ、当分は忙しくなるし彼氏どころじゃないわ」
「ヒューイイね。やっぱネイビーパーカを本格的に売り出す気かよ」
「そうねえェ……」私は立ち上がって駆け出した。
「横須賀の女子高生を舐めるなよ!!」
ウインクをして、一気に公園の遊具へ駆け昇った。
「おおォ! 出たねェ……。久々に」
ショーリは私のあとを追いかけてきた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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