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那奈……✨✨✨
那奈……✨✨✨
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「お互い受験を控えているから会わなくなったんだ……」
「うン……」
そのまま会わなければ、アクシデントもなかっただろうけど。
「それで今年の夏休みに入って彼から久しぶりに連絡があって……、また夜中にデートしたの。
でもその夜は彼の両親が旅行で三日くらい居ないって言うから……、彼の部屋へ出掛けて行ったの。
彼は部屋に入るとすぐに……」
言葉を詰まらせた。
「ええェ……」
「ふぅン、ッで、ぶっちゃけ二人は関係したってワケか」
ショーリはボソッと身も蓋もないコトを言った。
「くうゥ……、あのなァ」私は頭を抱えた。
「ぶっちゃけ過ぎだろう。さっきもだけど少しは女子の気持ちも考えろよ。何、そのデリカシーのカケラもないセリフはァ!」
「だッて、ぶっちゃけ、そーなんじゃん。そうじゃなかったら、ここで深刻な顔して相談なんかしねえェし」
「ううゥ……」また那奈は顔を伏せて小さく呻いた。
「なんだよ。ッで、その本城ッてヤツ。避妊もしねええェでヤッちゃたのかよ……」
ショーリはテレビの画面を見ながら毒づいた。
「う……ッ!」一瞬、那奈の顔が強張った。
「ショーリ! お前なぁー、ふざけるなよ」
私もカッとしてショーリを殴りつけたくなった。拳を握りしめて睨んだ。
ショーリも殺気を感じたのだろう。私から距離を取った。
「ええェ……、何度もお願いしたんだけど」
那奈は小さく頷いた。小刻みに身体が震えているようだ。
「ッたく、どんなにエリートで頭が良くって、現役でT大学へ合格したトコで相手の彼女を思いやる事もできなきゃ意味がねえェんだよ……」
またショーリは吐き捨てるように毒づいた。
「ちょっとショーリ! そんなことはわかっているわよ」
ショーリの言う通りだ。
「エッチをしたあと、ダメージが大きいのは彼女の方なんだから……」
私も無性に腹が立ってきた。今までは本城譲のことを尊敬していたが、今回の件で彼の良いイメージは崩壊だ。
それからサンタが変わって説明を加えた。
「ッで、夏休みの途中からユズ君と連絡が取れなくなったらしいんだ」
「……」武藤那奈は瞼を閉じた。
「チィッ」ショーリはテレビの方を向いて舌打ちをした。
「着信拒否かァ……」
ショーリはテレビを見つめたまま訊いた。
「ええェ……、それであれが遅れてるから心配になって有紀に」
那奈は消え入りそうな声でつぶやいた。
「そう、私に連絡してきたンだよ」
サンタが応えた。
「ンうゥ……」思わず私も目を瞑り大きく息をついた。
「……」
また重苦しい沈黙がリビングを支配していく。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「うン……」
そのまま会わなければ、アクシデントもなかっただろうけど。
「それで今年の夏休みに入って彼から久しぶりに連絡があって……、また夜中にデートしたの。
でもその夜は彼の両親が旅行で三日くらい居ないって言うから……、彼の部屋へ出掛けて行ったの。
彼は部屋に入るとすぐに……」
言葉を詰まらせた。
「ええェ……」
「ふぅン、ッで、ぶっちゃけ二人は関係したってワケか」
ショーリはボソッと身も蓋もないコトを言った。
「くうゥ……、あのなァ」私は頭を抱えた。
「ぶっちゃけ過ぎだろう。さっきもだけど少しは女子の気持ちも考えろよ。何、そのデリカシーのカケラもないセリフはァ!」
「だッて、ぶっちゃけ、そーなんじゃん。そうじゃなかったら、ここで深刻な顔して相談なんかしねえェし」
「ううゥ……」また那奈は顔を伏せて小さく呻いた。
「なんだよ。ッで、その本城ッてヤツ。避妊もしねええェでヤッちゃたのかよ……」
ショーリはテレビの画面を見ながら毒づいた。
「う……ッ!」一瞬、那奈の顔が強張った。
「ショーリ! お前なぁー、ふざけるなよ」
私もカッとしてショーリを殴りつけたくなった。拳を握りしめて睨んだ。
ショーリも殺気を感じたのだろう。私から距離を取った。
「ええェ……、何度もお願いしたんだけど」
那奈は小さく頷いた。小刻みに身体が震えているようだ。
「ッたく、どんなにエリートで頭が良くって、現役でT大学へ合格したトコで相手の彼女を思いやる事もできなきゃ意味がねえェんだよ……」
またショーリは吐き捨てるように毒づいた。
「ちょっとショーリ! そんなことはわかっているわよ」
ショーリの言う通りだ。
「エッチをしたあと、ダメージが大きいのは彼女の方なんだから……」
私も無性に腹が立ってきた。今までは本城譲のことを尊敬していたが、今回の件で彼の良いイメージは崩壊だ。
それからサンタが変わって説明を加えた。
「ッで、夏休みの途中からユズ君と連絡が取れなくなったらしいんだ」
「……」武藤那奈は瞼を閉じた。
「チィッ」ショーリはテレビの方を向いて舌打ちをした。
「着信拒否かァ……」
ショーリはテレビを見つめたまま訊いた。
「ええェ……、それであれが遅れてるから心配になって有紀に」
那奈は消え入りそうな声でつぶやいた。
「そう、私に連絡してきたンだよ」
サンタが応えた。
「ンうゥ……」思わず私も目を瞑り大きく息をついた。
「……」
また重苦しい沈黙がリビングを支配していく。
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