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那奈……✨✨✨
那奈……✨✨✨
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「ッで、なによ。シーちゃんに内緒って事はユズ君とその武藤那奈って子が……、そうなっちゃったッて事でしょ?」
男子のショーリのいる前では直接的な表現は差し控えた。
「まァ、夏休みは、いろいろと危険がいっぱいだからねえェ……」
勝利が冗談交じりにつぶやいた。
「うるさいな。面白半分に茶化すんなら出ていけよ」
こっちはシリアスなんだから。
「ゴメンゴメン……。ちゃんと聞きますよ」
すかさず畏まって襟を正した。しかし笑顔は欠かさない。
「ううゥン……」
それにしてもどうしたモノだろうか。
何しろシーちゃんの彼氏の本城譲は、県立Y高校でもトップクラスの超エリートだ。
その上、イケメンなので前々からシーちゃん以外の彼女にも手を出していると言う噂は耳にしたことがある。
「ッで、那奈ッて子がサンタに相談したッてことは……、まさか」
私も笑っていられない。かなりシリアスモードだ。
「だから、ヤバいんだッて」
サンタも沈痛な面持ちでうなだれた。
「フフゥン、ぶっちゃけ出来ちゃったのかァ……」
ショーリは肩をすくめて苦笑した。
「おいおい、何いきなりぶっちゃけてンだよ!
もう少しオブラートに包めよ。露骨過ぎだッて」
「だって、そう言うことなんだろォ。その那奈ちゃんが、昔の親友に相談するッてことは」
「そりゃァ……、そうなんけど」
私だってわかってるよ。でも言い方が問題だろう。
「ンうゥ……、あとは本人から直接訊いてよ」
サンタはアゴで私に指示をした。
「ええェ……、本人からッて」
どうする気なんだよ。
「今から呼ぶからさ……」
「呼ぶッて、なによ。その武藤ナナッて子がウチに来るの」
マジか。
「そッ」
サンタはニコッと笑うとスマホを出して連絡をした。
あ然とする私を他所にサンタはスマホを耳に当てた。呼出音が鳴っているようだ。
「あ、もしもし……、私だけど今彼女のトコだから」
「……」随分と手回しが良いようだ。
「じゃァ、待ってるから」
勝手にサンタはアポを取り付けた。
通話を切るとサンタはショーリに向かって話しを切り出した。
「あの……、川崎君だっけ?」
「うン、ショーリで良いよ。川崎ショーリねえェ」
「じゃァ、ショーリ君。今から那奈が来るんだけど……。ここでの話しは絶対にシークレットだから」
シーッと唇の前に人差し指を立てた。
「わかってるよ。他言無用だろう」
笑顔で何度も頷いた。
「フフゥン、マジでわかってるの」
なんだか心配になってくる。
「ねえェ……、焼きソバ食べない?」
今度はサンタに勧めた。
「あの……、聞いてますか。私の話しを」
「もちろん聞いてるよ。だけど腹減るとイラつくじゃん」
「はァ、あのねェ……。ここにショーリがいるからイラついてるんだよ」
「またまたァ……」まったく反省の色がない。
ニコニコしてキッチンへ向かった。
「はァ……、なにが、またまただよ」
頭が痛くなってきそうだ。
すぐにトントントンと小気味良いキャベツの千切りをする音が耳に届いた。
「なに? 彼氏ッて専属のコックさん」
サンタがアゴでキッチンの方を差した。
「フフ、まさか……」
今日はなんて日なの。13日の金曜日じゃないはずよね。
あとからあとから問題が勃発して。
朝見た星占いでは、それほど悪くはなかったのに。
またジュージューッとフライパンで炒める音も聞こえてきた。どうあっても焼きソバを振る舞うつもりなのか。
そうこう考えているうちに来客を報せるインターフォンを鳴った。
ああァ……。また悩みの種が増えるのか。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
男子のショーリのいる前では直接的な表現は差し控えた。
「まァ、夏休みは、いろいろと危険がいっぱいだからねえェ……」
勝利が冗談交じりにつぶやいた。
「うるさいな。面白半分に茶化すんなら出ていけよ」
こっちはシリアスなんだから。
「ゴメンゴメン……。ちゃんと聞きますよ」
すかさず畏まって襟を正した。しかし笑顔は欠かさない。
「ううゥン……」
それにしてもどうしたモノだろうか。
何しろシーちゃんの彼氏の本城譲は、県立Y高校でもトップクラスの超エリートだ。
その上、イケメンなので前々からシーちゃん以外の彼女にも手を出していると言う噂は耳にしたことがある。
「ッで、那奈ッて子がサンタに相談したッてことは……、まさか」
私も笑っていられない。かなりシリアスモードだ。
「だから、ヤバいんだッて」
サンタも沈痛な面持ちでうなだれた。
「フフゥン、ぶっちゃけ出来ちゃったのかァ……」
ショーリは肩をすくめて苦笑した。
「おいおい、何いきなりぶっちゃけてンだよ!
もう少しオブラートに包めよ。露骨過ぎだッて」
「だって、そう言うことなんだろォ。その那奈ちゃんが、昔の親友に相談するッてことは」
「そりゃァ……、そうなんけど」
私だってわかってるよ。でも言い方が問題だろう。
「ンうゥ……、あとは本人から直接訊いてよ」
サンタはアゴで私に指示をした。
「ええェ……、本人からッて」
どうする気なんだよ。
「今から呼ぶからさ……」
「呼ぶッて、なによ。その武藤ナナッて子がウチに来るの」
マジか。
「そッ」
サンタはニコッと笑うとスマホを出して連絡をした。
あ然とする私を他所にサンタはスマホを耳に当てた。呼出音が鳴っているようだ。
「あ、もしもし……、私だけど今彼女のトコだから」
「……」随分と手回しが良いようだ。
「じゃァ、待ってるから」
勝手にサンタはアポを取り付けた。
通話を切るとサンタはショーリに向かって話しを切り出した。
「あの……、川崎君だっけ?」
「うン、ショーリで良いよ。川崎ショーリねえェ」
「じゃァ、ショーリ君。今から那奈が来るんだけど……。ここでの話しは絶対にシークレットだから」
シーッと唇の前に人差し指を立てた。
「わかってるよ。他言無用だろう」
笑顔で何度も頷いた。
「フフゥン、マジでわかってるの」
なんだか心配になってくる。
「ねえェ……、焼きソバ食べない?」
今度はサンタに勧めた。
「あの……、聞いてますか。私の話しを」
「もちろん聞いてるよ。だけど腹減るとイラつくじゃん」
「はァ、あのねェ……。ここにショーリがいるからイラついてるんだよ」
「またまたァ……」まったく反省の色がない。
ニコニコしてキッチンへ向かった。
「はァ……、なにが、またまただよ」
頭が痛くなってきそうだ。
すぐにトントントンと小気味良いキャベツの千切りをする音が耳に届いた。
「なに? 彼氏ッて専属のコックさん」
サンタがアゴでキッチンの方を差した。
「フフ、まさか……」
今日はなんて日なの。13日の金曜日じゃないはずよね。
あとからあとから問題が勃発して。
朝見た星占いでは、それほど悪くはなかったのに。
またジュージューッとフライパンで炒める音も聞こえてきた。どうあっても焼きソバを振る舞うつもりなのか。
そうこう考えているうちに来客を報せるインターフォンを鳴った。
ああァ……。また悩みの種が増えるのか。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
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