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走水海岸へ✨✨💕
走水海岸✨✨💕
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ペットボトルを自転車の前カゴに乗せ帰宅の途についた。
一気に夜の闇が横須賀の街を包み込んでいく。
まだ近くの山では、ひぐらしが鳴いている。
国道は煌々とLEDライトに照らされていたが、周りには民家もなくかなり暗い感じだ。
「ふぅ……、さァてイチゴ。マジに帰りますか」
「うん、そうね」
「ゆっくりで良いからね。具合が悪くなったら早めに言って。イチゴは我慢強いから。
いいんだよ。もっとオレを頼っても……」
ショーリは懸命に励まして横で私をサポートしてくれた。
「うん、ありがとう。そんなに、心配しなくても大丈夫だから」
笑顔で応えたものの足元は心許ない。
やはり溺れた事が堪えているようだ。
倦怠感からなのか、サドルを漕ぐ脚に思ったほど力が入らない。
ゆっくり自転車を漕ぐしかない。
仕方ないが、行きよりも遥かにペースは遅い。
「♪これっきり♪ これっきり♪ これっきり……」
不意にショーリが鼻歌を歌い始めた。
「はァ、なにそれェ……」
「知らないの。昭和の大ヒット曲『横須賀ストーリー』を」
「もちろん知ってるけど……、なんで今?」
「ほらァ、さっきのコンパの企画だよ」
「ンうゥン……、コンペでしょ。何度も間違うなよ」
「だからさァ、そのコンペでイチゴたちが『横須賀ストーリー』を歌ってダンスで盛り上げるッて言うのは、どうかな?」
「いやいやァ、ウチらはダンシングユニットじゃねえェしィ……」
「フフゥン、黄色いTシャツに胸に『I love 横須賀』のロゴつけて、『横須賀ストーリー』のダンスを踊るんだよ。武道館で」
ドンドン、企画の意図から外れていく。
「あのねェ……、どこのチャリティ番組だよ」
「最終的には、横須賀ネイビーパーカを着たイチゴたちが紅白でダンシング『横須賀ストーリー』を披露するのさ」
「バカなのかよ……。アイドルユニットじゃないんだから。なにが紅白をゴールにしてんだよ」
「まァまァ、夢は大きくだよ。AKBだって、劇場での旗揚げ公演は、たったの七人しか観客が来なかったンだから。それが日本一のアイドルになってドーム公演もするくらいだし」
「だから、アイドルユニットじゃないッて言ってんだろう」
しかし『横須賀ストーリー』をダンスで盛り上げると言う企画は、それほど悪くはない気がしてきた。
知らぬ間に辺りは暗くなり自転車のライトだけが頼りだ。
時おり、重低音のラップ音楽を響かせ猛スピードで車が追い抜いていった。
☆゚.*・☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
一気に夜の闇が横須賀の街を包み込んでいく。
まだ近くの山では、ひぐらしが鳴いている。
国道は煌々とLEDライトに照らされていたが、周りには民家もなくかなり暗い感じだ。
「ふぅ……、さァてイチゴ。マジに帰りますか」
「うん、そうね」
「ゆっくりで良いからね。具合が悪くなったら早めに言って。イチゴは我慢強いから。
いいんだよ。もっとオレを頼っても……」
ショーリは懸命に励まして横で私をサポートしてくれた。
「うん、ありがとう。そんなに、心配しなくても大丈夫だから」
笑顔で応えたものの足元は心許ない。
やはり溺れた事が堪えているようだ。
倦怠感からなのか、サドルを漕ぐ脚に思ったほど力が入らない。
ゆっくり自転車を漕ぐしかない。
仕方ないが、行きよりも遥かにペースは遅い。
「♪これっきり♪ これっきり♪ これっきり……」
不意にショーリが鼻歌を歌い始めた。
「はァ、なにそれェ……」
「知らないの。昭和の大ヒット曲『横須賀ストーリー』を」
「もちろん知ってるけど……、なんで今?」
「ほらァ、さっきのコンパの企画だよ」
「ンうゥン……、コンペでしょ。何度も間違うなよ」
「だからさァ、そのコンペでイチゴたちが『横須賀ストーリー』を歌ってダンスで盛り上げるッて言うのは、どうかな?」
「いやいやァ、ウチらはダンシングユニットじゃねえェしィ……」
「フフゥン、黄色いTシャツに胸に『I love 横須賀』のロゴつけて、『横須賀ストーリー』のダンスを踊るんだよ。武道館で」
ドンドン、企画の意図から外れていく。
「あのねェ……、どこのチャリティ番組だよ」
「最終的には、横須賀ネイビーパーカを着たイチゴたちが紅白でダンシング『横須賀ストーリー』を披露するのさ」
「バカなのかよ……。アイドルユニットじゃないんだから。なにが紅白をゴールにしてんだよ」
「まァまァ、夢は大きくだよ。AKBだって、劇場での旗揚げ公演は、たったの七人しか観客が来なかったンだから。それが日本一のアイドルになってドーム公演もするくらいだし」
「だから、アイドルユニットじゃないッて言ってんだろう」
しかし『横須賀ストーリー』をダンスで盛り上げると言う企画は、それほど悪くはない気がしてきた。
知らぬ間に辺りは暗くなり自転車のライトだけが頼りだ。
時おり、重低音のラップ音楽を響かせ猛スピードで車が追い抜いていった。
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