ＪＫ版ダンシング【横須賀ストーリー】✨💕✨👩‍❤️‍💋‍👨✨💕過疎化の進む地元横須賀をダンスで復興へ✨💕

ＪＫ版『横須賀ストーリー』✨🎸✨💕

ＪＫ版『横須賀ストーリー』✨🎸✨💕

　２０１５年十二月某日。




　地域活性化団体､『横須賀学生政策コンペ』のプレゼンが行われた。




　コワーキングスペース『ヨコスカテラス』が私たちのステージだ。

　

　私たちメンバー六人は壇上のパネルの前に立った。
　まだ上着を羽織っている状態だ。

　一同､揃って丁寧にお辞儀をした。
　


『さァ､勝負よ』
　しっかりと自分自身に言い聞かせた。
　　


　私たちは､お互いアイコンタクトを送り微笑んだ。
　ここまでくれば迷うことはない。



「せぇーの！」
　掛け声とともに､一斉に全員が上着を脱いだ。


「やァァァァーーーー」


　みんな揃いの『横須賀ネイビーパーカ』に身を包みセットアップしていた。
　カラーは各人違う。六色だ。




「おおォォォォーーー……！」
　瞬間、会場から低い歓声が漏れた。


　正義の味方をイメージした登場だ。


　バックではパーカのフードをかぶり五人がポーズを取っている。

　


『落ち着けェ……。イチゴ』
　メンバーがバックから励ましてくれた。



　まずは元気よく挨拶だ。
「神奈川県立Ｙ高校三年の野原イチゴです」
　

　私はセンターマイクに向かい声高らかに宣言した。



「ここへ来るまで……、さまざまな葛藤がありました。私自身､『ヨコスカネイビーパーカー』には今でも反対です。ただのオヤジギャグから始まった企画でした」



『おいおい、ここでダメ出しィ……』
　背後でメンバーの三田有紀が顔をしかめ呟つぶやいた。




「過疎化､日本一の横須賀の現役女子高生が､本気で何が出来るのか。悩みました。
　親父ギャグから始まったこの『横須賀ネイビーパーカ』を着て､横須賀復興のためダンスで紅白を目指します」　
　勝利ショーリの助言に従い緊張したがメモを見ず､審査員にアピールした。
　メモを読んでいては熱が伝わらない。





　ゆっくり振り返ると､みんなが笑顔で応えてくれた。





　ようやく私たちの第一歩だ。




「私たち女子高生の力では､何ひとつ変わらないかもしれません。でも『ピンチをチャンスに！』
　動き出そう。日本が動かないなら､私たちが。
　女子高生が動けば､何かが変わる。
　まずは横須賀から……。そして日本じゅうへムーブメントを！」
　審査員たちへ私らなりの熱い思いを伝えた。




「ご覧下さい。『横須賀ネイビーパーカ』をまとって､これが私たち二十一世紀のＪＫ版、ダンシング『横須賀ストーリー』です」
　右手を高く掲げ、『パチン』と指を鳴らした。



　サックスのイントロから始まり山口百恵の歌声が会場に響いた。


『こ○っきり♪  こ○っきり♪  もうこれっきりですかァァ♪  こ○っきり♪  これっきり♪  もうこれっきりですかァ……』
　スピーカーから昭和の歌姫､山口百恵の最大のヒットナンバー『横須賀ストーリー』が流れてきた。






　軽快なロックナンバーに合わせて､私たちはダンスを舞った。



　しっかりと審査員らに背中のロゴマーク『横須賀ネイビーパーカー』をアピールして。







　
　これが､二十一世紀のＪＫ版､ダンシング【横須賀ストーリー】だ。


　






　



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