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✨逆襲✨
第77話 過去✨
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ついに三度目の直接対決だ。
「お待たせしました。なんでしょうか」
ゆっくりとエリカがオレの前に腰を下ろした。
ひとりで姿を現した。
さっきの明日香姫乃とは違ってエレガントな香りだ。
「ええッと……、ムトベさんですね」
タブレットの資料を見た。
「ハイ……」
「ムトベエリカさんは、小中学校時代イジメに遭い不登校になって、ほとんど学校へも行かなかったらしいですね」
「そうねェ……、自伝でも書いて下さるの」
「いえ、一方、沢向エリカさんも悲惨な過去があった。
幼い時に、暴力を振るう父親がお母さんを殺害し懲役十二年……
その間、沢向エリカさんは養護施設【ソレイユ】で暮らしました」
「そうなんですか。その沢向さんと言う方を存じ上げません」
「なるほどね。まだこちらは証拠が不十分なので追求は難しいですが……。
否定なさるのですね」
「何を言ってるんですか……」
「四年前…… 雨の歩道橋からひとりの美少女が転落して亡くなりました。その転落死した美少女が、ムトベエリカさんではないかと……」
「な、私が……、どうして?!」
「もちろん沢向エリカさんが、ムトベエリカさんと入れ替わるためですよ」
「入れ替わる……」
「そうです。沢向エリカさんは、とても頭の良い子だった…… ところが父親が母親を殺害した事がバレれば、どんな大学へ進学しても一流商社へ入社出来ても関係ない。
白馬の王子様と結婚したとしてもシンデレラにはなれない!!」
「……」ムトベエリカは、視線を逸らせた。
「そんな彼女に千載一遇のチャンスが巡ってきた。
それが雨の歩道橋でのムトベエリカさんの転落死だ」
「フフ……、何を言ってるんですか。
ミステリーでもお書きになれば……
ま、ストーリーが破綻しているので、あまり面白くはありませんが」
「フフゥン……、そうですか」
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「お待たせしました。なんでしょうか」
ゆっくりとエリカがオレの前に腰を下ろした。
ひとりで姿を現した。
さっきの明日香姫乃とは違ってエレガントな香りだ。
「ええッと……、ムトベさんですね」
タブレットの資料を見た。
「ハイ……」
「ムトベエリカさんは、小中学校時代イジメに遭い不登校になって、ほとんど学校へも行かなかったらしいですね」
「そうねェ……、自伝でも書いて下さるの」
「いえ、一方、沢向エリカさんも悲惨な過去があった。
幼い時に、暴力を振るう父親がお母さんを殺害し懲役十二年……
その間、沢向エリカさんは養護施設【ソレイユ】で暮らしました」
「そうなんですか。その沢向さんと言う方を存じ上げません」
「なるほどね。まだこちらは証拠が不十分なので追求は難しいですが……。
否定なさるのですね」
「何を言ってるんですか……」
「四年前…… 雨の歩道橋からひとりの美少女が転落して亡くなりました。その転落死した美少女が、ムトベエリカさんではないかと……」
「な、私が……、どうして?!」
「もちろん沢向エリカさんが、ムトベエリカさんと入れ替わるためですよ」
「入れ替わる……」
「そうです。沢向エリカさんは、とても頭の良い子だった…… ところが父親が母親を殺害した事がバレれば、どんな大学へ進学しても一流商社へ入社出来ても関係ない。
白馬の王子様と結婚したとしてもシンデレラにはなれない!!」
「……」ムトベエリカは、視線を逸らせた。
「そんな彼女に千載一遇のチャンスが巡ってきた。
それが雨の歩道橋でのムトベエリカさんの転落死だ」
「フフ……、何を言ってるんですか。
ミステリーでもお書きになれば……
ま、ストーリーが破綻しているので、あまり面白くはありませんが」
「フフゥン……、そうですか」
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