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解決編 #2
解決
しおりを挟む『ほずみ』!
画面には『ほずみ』と記されてあった。
「おおォッ!」
一斉に全員の視線が長男の金倉ほずみに集まった。
「ぬウゥ」
長男のほずみは苦虫をかみ潰したような顔だ。
「おいおい、じゃァ兄貴がオヤジを殺したのか?」
次男のカズヤが指を差した。
「ウゥッウソだァ。こんなのはウソだァーーー」
長男のほずみは首を横に振って否定した。
『いいえ、金倉金造氏の遺したダイイングメッセージは『ほずみ』。あなたの事だったんですよ』
ナポレオンも長男の金倉ほずみを指差した。
「ふ、ふざけるな。九々森だって。カズヤだって。九十九だって八神一だって、八田一子だってみんな『81』の可能性はあるだろう」
ほずみは、大声でわめき散らした。
『ええェ、ですがあなたはご自分の名前の由来をわかってないんですよ』
「由来?」
『そうです。キャビネットをご覧なさい。ここに飾られたフォトフレームには誕生日の家族写真ばかりでしょう』
「ああァ」長男のほずみもうなずいた。
「ケッケケ、毎年毎年、よくこれだけ撮ったもんだぜ」
またカズヤが茶化した。
「……」離婚調停中のマリアも無言で誕生日の記念写真を見つめていた。
『8月1日はお父さんの金倉金造氏にとって一年で一番大事な日だったんですよ』
「ううゥ……」
『その一番大事な8月1日。古来より稲穂を積む日、つまり『ほずみ』と呼ばれていたんです!』
「ううゥ……」
『その一番大事な記念日の名前をつけたあなたは、こともあろうにギャンブルの借金を返済するためお父さんの金倉金造氏の口座から預金を流用していたんです』
「それは」
『今夜、そのことを咎められ、遺言書を書き直して、遺産相続からほずみさんを除外すると言われたんですねェ。そして凶行に及んだ!』
「ううゥ……」
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