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ダイイングメッセージは『81』
九々森桜花
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『そうですか。ボクだって殺人事件に関わりがなければ、個人情報の暴露なんてしませんよ』
「関係ないわよ。殺人事件なんか!」
キララはリモート画面のナポレオンに向かって怒鳴った。
「おいおい、何だよ。やっぱ整形でもしてんのか。キララ?」
横からカズヤが茶化した。
「うッるさいな。なにを言いたいのよ。このガキが!」
キララはナポレオンを睨んだ。
『他人の黒歴史をほじくり返すのは、マナーに反するのですが、このままでは、どうにも埒が明かないでしょう』
ナポレオンも仕方なく画像を用意した。
「ううゥ……」
キララはうめき声を上げながらナポレオンを睨んだ。
『こちらが九々森桜花さんの半グレ集団に加入していた当時の顔です』
ナポレオンは画像を公開した。
それは半グレ集団『ヘルズドラゴン』に加入している際の九々森桜花の姿だ。
目も小さく鼻も低い。
とても売れっ子キャバ嬢だったとは思えない顔だ。
今とはまったく比べ物にならない。
「やめてェ!」
キララが顔をおおって叫んだ。
「へえェ、随分とさっぱりした顔だなァ」
またカズヤが茶化した。
「フフゥン」
離婚調停中のマリアも苦笑した。
「こんなの私じゃないわァ!」
キララは開き直った。
『いえ、どんなに金をかけて鼻を高くし目をぱっちりさせても、一つだけ整形では変えられない箇所があるんですよ』
「な、なによ。変えられない箇所ってェ?」
『目と目の間隔です。頭蓋骨は決まってますから、輪郭を変えても目と目の間隔だけは変えようがないんですよ』
「ぬウゥ」
「ケッケケ、いやァ九々森桜花のままでも可愛いぜ。今の派手なキララよりもなァ」
カズヤはあざ笑った。
「ッるせェ、笑うなァ!」
『あなたは何者かに脅されて、金倉金造氏の愛人になったんですね』
「何者か?」ハジメが聞き返した。
いったい誰なんだろう。
「ふぅん、知らないわ」
かなりキララは動揺しているみたいだ。
「やっぱりキララ。あんたがあの人を殺したのか!」
離婚調停中のマリアが問いただした。
「何、言ってるのよ。私はパパを殺してなんかいないわ。私はただ…」
「ただなによ?」
マリアも追求した。
『あなたの元へ何者からか、九十九さんとの写真も送られてきたんですね』
「ううゥ……、違うわよ。あの写真は」
愛人のキララも懸命に言い訳を考えていた。
「関係ないわよ。殺人事件なんか!」
キララはリモート画面のナポレオンに向かって怒鳴った。
「おいおい、何だよ。やっぱ整形でもしてんのか。キララ?」
横からカズヤが茶化した。
「うッるさいな。なにを言いたいのよ。このガキが!」
キララはナポレオンを睨んだ。
『他人の黒歴史をほじくり返すのは、マナーに反するのですが、このままでは、どうにも埒が明かないでしょう』
ナポレオンも仕方なく画像を用意した。
「ううゥ……」
キララはうめき声を上げながらナポレオンを睨んだ。
『こちらが九々森桜花さんの半グレ集団に加入していた当時の顔です』
ナポレオンは画像を公開した。
それは半グレ集団『ヘルズドラゴン』に加入している際の九々森桜花の姿だ。
目も小さく鼻も低い。
とても売れっ子キャバ嬢だったとは思えない顔だ。
今とはまったく比べ物にならない。
「やめてェ!」
キララが顔をおおって叫んだ。
「へえェ、随分とさっぱりした顔だなァ」
またカズヤが茶化した。
「フフゥン」
離婚調停中のマリアも苦笑した。
「こんなの私じゃないわァ!」
キララは開き直った。
『いえ、どんなに金をかけて鼻を高くし目をぱっちりさせても、一つだけ整形では変えられない箇所があるんですよ』
「な、なによ。変えられない箇所ってェ?」
『目と目の間隔です。頭蓋骨は決まってますから、輪郭を変えても目と目の間隔だけは変えようがないんですよ』
「ぬウゥ」
「ケッケケ、いやァ九々森桜花のままでも可愛いぜ。今の派手なキララよりもなァ」
カズヤはあざ笑った。
「ッるせェ、笑うなァ!」
『あなたは何者かに脅されて、金倉金造氏の愛人になったんですね』
「何者か?」ハジメが聞き返した。
いったい誰なんだろう。
「ふぅん、知らないわ」
かなりキララは動揺しているみたいだ。
「やっぱりキララ。あんたがあの人を殺したのか!」
離婚調停中のマリアが問いただした。
「何、言ってるのよ。私はパパを殺してなんかいないわ。私はただ…」
「ただなによ?」
マリアも追求した。
『あなたの元へ何者からか、九十九さんとの写真も送られてきたんですね』
「ううゥ……、違うわよ。あの写真は」
愛人のキララも懸命に言い訳を考えていた。
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