新十秒探偵『ナポレオン＆トモロー』 ナポレオンの辞書に不可能と解けない謎はない！

解決編 #2

ナポレオン

『ええェ、わかってますよ。では他にダイイングメッセージの『８１』に心当たりのある方は？』
　ナポレオンは再びみんなにたずねた。


「だから八神ハジメか。家政婦の八田一子。それと、お前だよ！」
　ヤンキーのカズヤは九十九《つくも》流星を指差した。


「え、オレ？」


「ああァとぼけるなよ。九九の答えは『８１』だ。そしてお前の苗字は九十九と書いて『つくも』だろう」


「そんなのは、こじつけだ。だったらお前だって『一八』と書いて『カズヤ』だろう」
　すぐに九十九も激しく言い返した。

「だからオレは『一八』だ。『八一』じゃないって！」
　カズヤは盛んに逆だと主張した。


『なるほどアナグラムですか』


「え、アナグラムって？」
　ハジメが聞き返した。


『８と１を逆にしたパターンだよ。ドラキュラ伯爵が『アルカード』と偽名を使ったようにね。アルファベットを入れ替える事ですよ』

　
「なるほどねえェ。ドラキュラを入れ替えてアルカードかァ」
　ハジメも知らなかったみたいだ。
　

『フフゥン、ですがもうひとつ大事な事を忘れていませんか』


「大事な事？」


『そうですよ。このリビングにもこんなにたくさんヒントがあるのに』
　ナポレオンは大きなジェスチャーをしてアピールした。


「ヒント？」