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ダイイングメッセージは『81』

ナポレオン

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『ボクが出てきてすぐさま真犯人を捕まえても面白くないので、少しだけ暇つぶしをさせてください』
 子供とは思えない気配りだ。



「おいおい、オレたちにガキの暇つぶしの相手をしろって言うのか?」
 ヤンキーのカズヤは皮肉を言った。



『ダイイングメッセージの『81』を見た時、みなさんは誰を思い浮かべましたか?』


「何だよ。そりゃァ、決まってんだろう。家政婦の八田一子と八神ハジメだよ」
 カズヤはムッとして家政婦とハジメを指差した。


「う、私は違います。旦那様とは関係ありません」
 家政婦の八田一子は両手を振って否定した。


「ケッケケェ、そうかなァ」
 だがヤンキーのカズヤは茶化すように笑ってみせた。含みのある笑い方だ。


「どういうことですか?」
 ハジメは意味深な発言のカズヤに訊いた。



『フフゥン、八田一子さんは金倉金造氏の隠し子だったんですよ!』
 その答えをナポレオンが続けた。


「なにィ?」ほずみやマリアらは驚きの声を上げた。
 
「フフゥン」
 カズヤだけは苦笑いを浮かべていた。


『そうですよね。一子さん?』

「ううゥ……」


『あなたのお母さん八田みどりさんは三十年ほど前、こちらで住み込みの家政婦をしていた』


「マジかよ」長男のほずみもあ然とした。


「つまり、この家政婦にも相続権があるって言うの?」
 離婚調停中のマリアも面白くない様子だ。


「……」家政婦は黙ってうつむいたままだ。











 







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