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ダイイングメッセージは『81』

八神ハジメ

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「どうした。こんなトコに集まって」
 イケメンホストの九十九つくも流星が訊いてきた。

 彼も認知されていないが愛人との子供らしい。



「ふぅん、パパ、どうかしたの?」
 現在、父親の愛人のキララがあざとい表情でたずねてきた。


 キララは元売れっ子キャバ嬢だ。まだ二十歳そこそこだろう。
 金倉金造とは親子以上に年の差があった。



「さァな。心臓発作で死んでくれるとみんな万々歳だろうけどなァ」
 ヤンキーのカズヤの毒舌が止まらない。



「おいおい、あの人に聞こえたらヤバいぞ」
 ハジメが小声で注意した。


 確かにみんな内心では、金倉金造に死んでほしいと思っているかもしれない。



 それほど金倉金造はヒドい男だ。


「ねえェ、何よ。騒々しいわね。あの人がどうかしたの?」
 もうひとり、現在離婚調停中の第四夫人のマリアがカギを持ってきた。


「わかりません。約束の時間なので書斎にいるはずですが」
 ハジメが応えた。


「ああァら、ハジメ君じゃない。お母さんは元気かしら?」


「いえ、あまり……」
 この場では、臓器移植しないと助からないとは言えない。



「ハイ、勝手に開けなさい」
 マリアはハジメにスペアキーを放った。


「どうも……」
 ハジメはカギを受け取り、さっそく書斎のカギを開けた。



「お父さん、入りますよ」
 再度、ノックをしハジメはドアを開け中へ入った。

 その時、また閃光が走り落雷が響いた。

「うううゥ……!」
 
 
 そこは目をそむけるような有り様だった。

 血まみれの中、屋敷の当主、金倉金造が倒れていた。

「キャーッ!」
 また女性たちの悲鳴がこだました。



 倒れているのは金倉金造だ。
 どうやら刺されたみたいだ。

 カーペットが血まみれだ。


 そのカーペットの金倉金造の手元には、血文字でダイイングメッセージが残されていた。



 何を表現あらわしているのか、わからないが『81』と記されてあった。


 外は相変わらず、叩きつけるような豪雨が降り注いでいた。











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