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容疑者ジョー
容疑者ジョー
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「お前らは老人から強奪しても構わないと思ってるんだろう!」
「そんなワケねえェ。オレはあいつらとは違う。特に、総長たちとは違うんだ!」
『総長って言うのは阿久堂だな!』
ナポレオンが聞き返した。
「ああァ、阿久堂は上級国民のジュニアだからな。オレオレ詐欺や拉致監禁なんてやっても、すべて手下のせいにして。トカゲのシッポ切りで切り抜けて来たんだ」
『ふぅん、なるほどねえェ』
ナポレオンは意味深に微笑んだ。
「おい、そういえばおぼっちゃま探偵さんよ。さっきの決定的な証拠って言うのはなんだ?」
鰐口警部補は気になったのか、たずねた。
『フフゥン、良いでしょう。こっちも切り札を出さないとね』
「ぬウゥ切り札?」
『凶器に使われたコンクリート片ですよ』
「コンクリート片がどうかしたのか」
『すでに鑑識の答えは出てるはずだ。指紋は検出されたんですか?』
「え、指紋!」
『そうですよ。もしジョーが真犯人だとすれば、指紋はどうしたんですか。まさかこの暑い中、手袋をしておばあさんを追いかけていたワケじゃないでしょ!』
「ぬウゥ、それは指紋は検出されなかったが」
鰐口警部補も答え辛そうだ。
『でしょうね。つまり資産家のおばあさんを見てとっさにバッグを奪おうとしたと言うのは、おかしいでしょ!』
「さァな。じゃァ計画的だったんだろう」
あっさり鰐口警部補は前言撤回だ。
『そりゃァ無茶な計画だなァ。白昼堂々と路地でバッグを強奪しようなんて。防犯カメラもあるんだ。リスクが高すぎるだろう』
「知るか。指紋は拭き取ったか、どうかしたんだろう」
『フフゥン、すべての謎はこのナポレオンに解かれたがっているのさァ』
またナポレオンはポーズを決めた。
「ぬウゥ……」鰐口警部補はうめき声を上げた。
そしてこのあと、ナポレオンは前代未聞の方法で事件を解決に導いた。
『カァラスなぜ鳴くの♪カラスの勝手でしょ♪』
「そんなワケねえェ。オレはあいつらとは違う。特に、総長たちとは違うんだ!」
『総長って言うのは阿久堂だな!』
ナポレオンが聞き返した。
「ああァ、阿久堂は上級国民のジュニアだからな。オレオレ詐欺や拉致監禁なんてやっても、すべて手下のせいにして。トカゲのシッポ切りで切り抜けて来たんだ」
『ふぅん、なるほどねえェ』
ナポレオンは意味深に微笑んだ。
「おい、そういえばおぼっちゃま探偵さんよ。さっきの決定的な証拠って言うのはなんだ?」
鰐口警部補は気になったのか、たずねた。
『フフゥン、良いでしょう。こっちも切り札を出さないとね』
「ぬウゥ切り札?」
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「え、指紋!」
『そうですよ。もしジョーが真犯人だとすれば、指紋はどうしたんですか。まさかこの暑い中、手袋をしておばあさんを追いかけていたワケじゃないでしょ!』
「ぬウゥ、それは指紋は検出されなかったが」
鰐口警部補も答え辛そうだ。
『でしょうね。つまり資産家のおばあさんを見てとっさにバッグを奪おうとしたと言うのは、おかしいでしょ!』
「さァな。じゃァ計画的だったんだろう」
あっさり鰐口警部補は前言撤回だ。
『そりゃァ無茶な計画だなァ。白昼堂々と路地でバッグを強奪しようなんて。防犯カメラもあるんだ。リスクが高すぎるだろう』
「知るか。指紋は拭き取ったか、どうかしたんだろう」
『フフゥン、すべての謎はこのナポレオンに解かれたがっているのさァ』
またナポレオンはポーズを決めた。
「ぬウゥ……」鰐口警部補はうめき声を上げた。
そしてこのあと、ナポレオンは前代未聞の方法で事件を解決に導いた。
『カァラスなぜ鳴くの♪カラスの勝手でしょ♪』
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