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――勇者パーティーの帰還――――

あんな魔法初めて見た……すごい……!

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「ただいまーのー!」
「タマちゃんをつれてきまちたのー!」
「ふかふかでお日様の匂いがしますの!」
「パタパタ飛ぶの……」

 オンボロギルドのドアを全開にしてゾロゾロ中へ入っていく。

「あら、おかえりなさい。予想よりずっと早かったわね。少なくとも一週間はかかると予想していたのに」
「ケンチャの移動魔法のおかげで移動時間がありませんからね」

「その可愛らしいネコスライムちゃんが『百獣の王』様かしら?」
「は、、初めてお目にかかります、わたし、キリと申します! ぅぉ目にかかれて教悦至極でございますれば」
 猫耳のキリさんがタマに向かって思いっきり頭を下げた。

『ああ、そうだ』
 俺の肩に乗ったタマが光る。「ちょっと待ってください!!」俺が止めるのは間に合わず。

 タマは元の大きさへと戻り、ドグオオオオンと轟音を立てて二階建てだったギルドを半壊――いいや、三分の二壊させたのだった……。
 
「チビ達、ルビー、怪我は!? カレンさん、キリさん!」
「し、死ぬかと思いましたですよ……」
「あらあら、どうしましょう」
「びっくりした……」
 猫耳のキリさん、カレンさん、ルビーが瓦礫の中から立ち上がる。俺たちは全員光のドームで守られていた。咄嗟にキーチャが防御陣を敷いてくれたのだ。

「タマちゃん、ここでおっきくなっちゃ駄目なのー」
「メッなの」

『すまない……自分の体の幅と高さを忘れていた』
 タマが申し訳なさそうに首を垂れる。
 忘れないで! 千年も一人でいりゃ忘れるかもしれないけどさ!!

「す、すいません、何と言っていいか、その、すいません」

 思わずカレンさん達に何度も頭を下げてしまった。
「うわーモンスターがでたあああ!」
「モンスターだ逃げろー!!」

 オンボロギルドとは言うが、立地はこの街の一番の広場という最高の立地にある。広間には露店が立ち並び大勢の人が行きかっているのだ。

 そんな中で突然現れた巨獣に街のそこここから悲鳴が上がる。

「他に被害が出なかっただけでもましか……。タマ、ネコスライムに戻ってくれ……」

『承知した』

「困ったわねえ、これじゃ営業ができないわ……」
「ケンチャ、お前の知識でどうにかできないか?」
「んーと、やってみまつの。道具復活呪文『リザルト・リザイル』」

 ケンチャの手の先に前に見たものより複雑な魔法陣が現れた。
 砕かれ天井まで破壊された家が、自分の意志で正しい位置に戻ろうとし始める。
 そして、数分もかからず、元のオンボロギルドに戻っていた。

「おーさすがケンチャ! 凄い子だ」
「えへへーの」
「あ、またケンチャばっかり撫でてるの!ユーチャもユーチャも!」
「はいはい」

「すげえええ! さすが勇者さまだ! あのでかいモンスターをネコスライムに変えちまっただけじゃなく、建物まで元に戻せるとは!」
「あんな魔法初めて見た……すごい……!」
「ユイ様がいらっしゃる限り、この街は安泰だ……!!」

 え!?
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