43 / 108
――ダンジョンへ行こう――
『ミユク』というアイテム
しおりを挟む
「おーい、そろそろ休憩しようぜ。お昼ご飯だ」
「はーいの!」
石の上に座って肉弁当を広げる。
「んー絶品! 元気が出るお肉なの」
「だなぁ。ん、なんだこれ?」
俺のインベントリに『ミユク』というアイテムが20本近く入っていた。瓶に入った白い液体だ。
説明は『飲んでカルシウムいっぱい! 飲みすぎるとお腹が痛くなることも』
試しに取り出してみる。
「まっちろいお水なのね」
「これ、牛乳に似てるんだけど……」
匂いを嗅いでもやっぱり牛乳だ。
「ユーチャ飲んでみたいの!」
ユーチャが早速興味津々だが、
「待って、毒見をするから」
一口飲んでみるとやっぱりミルクだ。
「牛乳で間違いないみたいだな。毒もないみたいだし、はい、飲んでいいぞ」
「はいの。 ……んきゅ、美味しい! これユーチャ大好きなの!」
「ほんとにおいち! ミユク大好きになっちゃったの」
「おいちおいち」
「……いし」
「ルビー、ミユクは街でも売ってるか?」
「売ってない…ふつうドロップ品……味も人に好まれない……。手に入っても大抵の冒険者が捨てていく……」
「え、そうなの? もったいない。チビ達は美味そうに飲んでるけどなぁ。お願いすれば売ってくれるかな?」
18本残ってるけど、チビ達が喜んでいるから多少高値でも買い取りたいんだけどな。
「あ、インベントリが全部塞がってる……。しまったな、アイテム消失しちゃったかも」
「大丈夫なの。ユーチャのに入ってるのよ」
ユーチャが自分のウィンドウを開く。確かに薬草やカラのポーションがそちらにストックされていた。
「へーなるほどなぁ。俺のがいっぱいになったらユーチャのところに行くのか」「マーチャにもケンチャにもキーチャにも入ってるの」
俺がいっぱいになったら三人に公平に分配されていくんだな。ん? お金は俺のにしか入ってない。お金は俺が管理しろということか。
「ロボンタ美味しいな」「おいちいの!」
確かに鼻血がでそうなぐらい力が湧いてくる。ドーピング剤でも飲んだみたいだ。飲んだことないけど。
「まだ暖かい……出来立てみたい……」
「だな。インベントリの中に入れたら時間が止まるのかもしれないな」
お弁当は暖かく、水は冷たいままだ。なんともありがたい。
「おごちそーさまでしたーの!」
「はい。皆残さず食べたな。お利口さん。一休みしたら下の階に降りるか」
つい習慣で頭を撫でてしまう。ルビーまで。
「わたしは……子供ではない……」
「俺から見たら子供ですよ。そういえばスライムの欠片って何だろ?」
1つ取り出して指先で回す。少し粘着質で、ふにふにとしてる。
「紙を壁にくっつけるノリの代わりになる…」
「他は?」
「それだけ」
「えええ、千個ぐらいあるのにそんだけ!?」
ちょっと待てよ、これ……。
「はーいの!」
石の上に座って肉弁当を広げる。
「んー絶品! 元気が出るお肉なの」
「だなぁ。ん、なんだこれ?」
俺のインベントリに『ミユク』というアイテムが20本近く入っていた。瓶に入った白い液体だ。
説明は『飲んでカルシウムいっぱい! 飲みすぎるとお腹が痛くなることも』
試しに取り出してみる。
「まっちろいお水なのね」
「これ、牛乳に似てるんだけど……」
匂いを嗅いでもやっぱり牛乳だ。
「ユーチャ飲んでみたいの!」
ユーチャが早速興味津々だが、
「待って、毒見をするから」
一口飲んでみるとやっぱりミルクだ。
「牛乳で間違いないみたいだな。毒もないみたいだし、はい、飲んでいいぞ」
「はいの。 ……んきゅ、美味しい! これユーチャ大好きなの!」
「ほんとにおいち! ミユク大好きになっちゃったの」
「おいちおいち」
「……いし」
「ルビー、ミユクは街でも売ってるか?」
「売ってない…ふつうドロップ品……味も人に好まれない……。手に入っても大抵の冒険者が捨てていく……」
「え、そうなの? もったいない。チビ達は美味そうに飲んでるけどなぁ。お願いすれば売ってくれるかな?」
18本残ってるけど、チビ達が喜んでいるから多少高値でも買い取りたいんだけどな。
「あ、インベントリが全部塞がってる……。しまったな、アイテム消失しちゃったかも」
「大丈夫なの。ユーチャのに入ってるのよ」
ユーチャが自分のウィンドウを開く。確かに薬草やカラのポーションがそちらにストックされていた。
「へーなるほどなぁ。俺のがいっぱいになったらユーチャのところに行くのか」「マーチャにもケンチャにもキーチャにも入ってるの」
俺がいっぱいになったら三人に公平に分配されていくんだな。ん? お金は俺のにしか入ってない。お金は俺が管理しろということか。
「ロボンタ美味しいな」「おいちいの!」
確かに鼻血がでそうなぐらい力が湧いてくる。ドーピング剤でも飲んだみたいだ。飲んだことないけど。
「まだ暖かい……出来立てみたい……」
「だな。インベントリの中に入れたら時間が止まるのかもしれないな」
お弁当は暖かく、水は冷たいままだ。なんともありがたい。
「おごちそーさまでしたーの!」
「はい。皆残さず食べたな。お利口さん。一休みしたら下の階に降りるか」
つい習慣で頭を撫でてしまう。ルビーまで。
「わたしは……子供ではない……」
「俺から見たら子供ですよ。そういえばスライムの欠片って何だろ?」
1つ取り出して指先で回す。少し粘着質で、ふにふにとしてる。
「紙を壁にくっつけるノリの代わりになる…」
「他は?」
「それだけ」
「えええ、千個ぐらいあるのにそんだけ!?」
ちょっと待てよ、これ……。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる