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114話 迷宮探索(2)

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「入ってみるしかないだろう。みんな気をつけて」

 私が扉を開けると中にはヒュドラがいた。

「ふ~ん、ヒュドラね。どうする?」

「剣だけで倒せるさ」

 私とヴィンセントはヒュドラに向かって行き、その8つある首を1つずつ刈って行った。

 数分後、首のなくなったヒュドラは地面に倒れた。

「ちょっとあんた達強すぎるんじゃない?」

「一応剣聖だからな」

 私はそう答えた。

 私はふとアメリアの方を見ると、アメリアはかなりふてくされていた。

「迷宮に入ってから私の出番、全然ないんですけど!」

「アメリア、これから迷宮も厳しくなる。きっとアメリアの力が必要になるよ」

「こんなことなら王都で店番してたらよかった」

「まあまあ、アメリアには何度も助けられたしな。トマスもそう思うだろ」

「ああ、俺も自分の空気感を嘆いている所だった。こんなに空気になったのは冒険者になって初めてだ」

 どうやらいらないことを言ってしまったようだ。

 私はエマに目で助けを求める。

 エマは私の視線をそっと逸らした。

 私はダリルを小突いて合図した。するとダリルはアメリアを連れて少し離れた場所へ連れて行った。うまくなだめてくれればいいが……

「まあ、俺のことは気にしないでくれ。俺は荷物持ちという自分のビジネスをするだけだ」

「そ、そうか……」

 まあ、とりあえず探索を続ける事にした。

 地下5階は大きな部屋がいくつもあり、それぞれに強敵が待ち構えていた。グリフォン、サイクロプス、ガーゴイル、ケルベロス。

 私達はそれらの敵をエクスプロードの魔術で、あるいは剣技で倒して行った。

「かなり厳しい階ね。以前の私達だったらとっくに地上に戻ってるわね」

「だが、勝てない敵ではないな」

「というか楽勝ね」

「まあ、実際そうだな」

 そして地下6階への階段を見つけることができた。

 私達は階段を降りていく。

「いよいよ地下6階ね」

「そろそろ歯応えのある敵が出てくればいいが」

 そして地下6階にたどり着いた。

 エマが連絡すると、シズ達は私達の帰りを待たずに地下3階に挑戦するようだった。まあ、シズ達も豪華メンバーだから大丈夫だろう。

 地下6階は今までとは違った。敵が魔族になった。しかし、かつて戦った魔族とは違い、剣で斬ることができた。

 しかし、魔族は剣に長け、魔法も扱うため、それなりに厄介ではあった。

 そして地下7階への階段を見つけることができた。

 私達は地下7階へ降りるとそこには小さな部屋があった。

 私はその部屋の扉を開けた。

「■■■■」

 部屋の中に入ると、聞き取れない言葉が聞こえた。

 部屋には机がありこちらむきに座った魔族がいた。今までの魔族とは種類が違うようだ。

「■■■■■■■■」

「■■■■■■■■■■■■」

 何を行っているのか分からない。しかし、敵意があるようにも見えない。

「■■■■■、オマエタチハニンゲンカ?」

「そうだ」

「ナルホド、ココマデたどり着いたということか。勇敢なことだな」

 魔族はだんだんと流暢な言葉になって行った。そして魔族は後ろの壁にある扉へと入っていった。

 私達も後を追う。

 そこは広い部屋だった。

 魔族は剣を持って私達に立ちはだかっていた。

「さあ、勇者よ。どれほどの腕か見せてくれ」

 私がオリハルコンソードを抜いて前に立った。

「いくぞ」

 私は神速を超える神速の突きで魔族に向かって行った。

 魔族は防ぐことができず、私に斬られたが、体が硬く、少し傷を負っただけであった。

 そのまま私は連撃を繰り返した。

 魔族は斬られ続けたが、あまり傷を追うことはなかった。

 私がさらに斬ろうとした時、魔族は手のひらをこちらに差し出した。

「わかった。君の強さはよくわかったよ。どうだろう、少し話をしないか?」
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