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98話 各国の強豪
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翌日、私は騎士団本部へと向かった。
私はヴィンセントと剣の稽古をしながら話をしていた。
「それで4騎士と戦うことになるのか?」
「ああ、それは避けられないらしい」
「4騎士か、私も戦ってみたいものだな」
「ヴィンセントならそう言うと思ったよ」
「とはいえ4騎士の実力が不明だな。噂では4騎士は歴代の剣聖に匹敵する実力を持つと言う」
「その程度なら問題ないさ。俺は2代剣聖レオン・デイマーをもはや超えている」
「私も初代剣聖レイチェル・ミッドガルは超えているつもりだ。もっとも前回はレオンに破れたがな」
「もう、あの技を破る算段はついたんだろ」
「いや、まだだ、そう簡単ではない」
私とヴィンセントは木刀を撃ち合った。
「しかし、必ず破ってみせる」
ヴィンセントはひときわ強く私に打ち込んできた。
私とヴィンセントが稽古を終えて一休みしているとノエルとジンがやって来た。
「おう、レオンにヴィンセント。朝から熱心だな」
「ジンか、神速の突きはどうだ?」
「まだまだ、実戦で使うにはちょっとな。でもいい感じだ」
「そんな事より、レオン、ミーアと婚約したんだって?」
と、ノエルが言った。
「実はそうなんだ。ウェブスターさんにも報告しないとな」
「父さんは辺境伯領にいるからなあ。ちょっと遠いね」
「そうなんだよな。とりあえず手紙で報告するよ」
「ミーアはことある毎にレオン、レオンだったからね。ミーアのことを考えるとこれが一番かも」
「ウェブスターさんは反対しないかな。俺はもうすでに4人も妻がいる訳だけれど」
「父さんなら反対しないと思うよ。ミーアの気持ちが一番だと考える人だから。それにレオンは次期辺境伯候補でもあるし」
「次期辺境伯はヨハン兄さんがなるんじゃないかな。実際辺境伯になると行動が制限されるからなりたくないしね」
「でも、レオンは辺境伯にならなくても子爵で貴族なんだから問題ないと思うよ」
「いいよなあ、レオンは、嫁さんが4人もいて、ヴィンセントも王女様と結婚だもんな。まったく羨ましい限りだ」
ジンが腕を組みながら言った。
「そういえばヴィンセントも王族の一員なんだから王に頼んで4騎士と戦うのに参加させて貰えばどうだ?」
「その手があったか……しかしそんな手を使うのはあまり本意ではない」
「でも参加したいんだろ」
「そうだな、考えてみよう」
しばらくしてからヴィンセントから王に頼んで参加できるようになったという報告があった。
ヴィンセントの話によると、どうやら、4騎士意外にも各国から強豪が参加するようだ。アンブロス帝国の皇帝代理騎士、都市国家群最強の剣士、遠く離れたミレニア帝国の竜騎士、更に遥か遠く離れたジュポン帝国の剣豪。他にもまだ参加する剣士がいるのかもしれない。ダライア帝国とゴダード王国は既に最強剣士が敗れているため参加は見合わせた。
その結果、王都にある闘技場では手狭であるため王宮の近くに急遽巨大な闘技場が建設されていた。
「どうだ、レオン、そうそうたる顔ぶれじゃないか」
「ヴィンセントは他の国の剣士も知っているのか?」
「ああ、剣を志すものなら知らない者はいないと言える伝説的な剣士ばかりだ。むしろレオンが知らないのが驚きだ」
「どれが凄い?」
「どれも凄いが特に凄いのはジュポン帝国のムネシゲ・イトウだ。生涯不敗、生ける伝説だ。今回参加するのも正直異例のことだ」
「他は?」
「やはりアンブロス帝国の皇帝代理騎士だろう。巨大帝国アンブロス帝国最強の剣士、その実力は高いだろう」
「なんだか不安になってくるな。前世ではさすがに他国の剣士と戦ったことなないからな」
「それは私もだ。だが、腕がなる」
「さすがのヴィンセントも圧勝の連続というわけにはいかなそうだな」
「私はレオン意外に苦戦したことがないからな」
「しかし、楽しみではあるな」
「ああ」
後日、私達が闘技場を見にいくと、闘技場の建設は急ピッチで勧められており、外観は大体完成していた。
「凄い……壮観だな」
私はヴィンセントに言った。
闘技場は王立闘技場『テアトルム』と命名され、戦いの舞台にふさわしく巨大で美しい建物であった。
もう完成も間近だ。日時も決定された。選手の泊まる建物も建設されている。
闘技場の隣に豪華な宿泊施設が建設されていた。これも完成間近だ。
私とヴィンセントは王に呼び出されてたのでそのまま王宮に向かった。
私達は応接室に向かった。
王は気怠そうな顔をしていたが、私達を見ると笑顔になった。
「よく来てくれたな。実は大会の概要が決まったのでな」
王は機嫌よさそうである。
「今回の大会名が決まった。『アークライト王国大武会』だ。真の最強を決めるための大会と言える。4騎士だけでなく、各国からも参加の要望があったのでエントリーしている」
そして王は、
「知っているだろうが今回はヴィンセントも参加している。それと武器は色々考えたんだが木刀にすることにした。死人が出ても問題があるだろう」
「それで時期はいつなんですか?」
「2ヶ月後だ。それまで鍛錬を怠らないように、と言ってもそんなことはお前らには無用な事だな」
「私が負けるとどうなるのですか?」
「剣聖が負けるとなると問題だな。まあ、私はレオンが負けるとは思っていない」
「私がいるのですよ」
ヴィンセントが不敵に笑った。
「まあ、レオンが負けたら、その者に首輪を渡して、その者がダライア帝国の皇帝に認めてもらうんだな。剣聖を決める権限は私にはない」
2ヶ月後か、それが終わればすぐに沈黙の谷に向かわなければならないだろう。
私達は応接室を出た。
「私は王宮に住居がある。ここでお別れだな」
屋敷に戻るとシズ達が冒険を終えて帰って来た。全員Cランクに上がったようである。
私はヴィンセントと剣の稽古をしながら話をしていた。
「それで4騎士と戦うことになるのか?」
「ああ、それは避けられないらしい」
「4騎士か、私も戦ってみたいものだな」
「ヴィンセントならそう言うと思ったよ」
「とはいえ4騎士の実力が不明だな。噂では4騎士は歴代の剣聖に匹敵する実力を持つと言う」
「その程度なら問題ないさ。俺は2代剣聖レオン・デイマーをもはや超えている」
「私も初代剣聖レイチェル・ミッドガルは超えているつもりだ。もっとも前回はレオンに破れたがな」
「もう、あの技を破る算段はついたんだろ」
「いや、まだだ、そう簡単ではない」
私とヴィンセントは木刀を撃ち合った。
「しかし、必ず破ってみせる」
ヴィンセントはひときわ強く私に打ち込んできた。
私とヴィンセントが稽古を終えて一休みしているとノエルとジンがやって来た。
「おう、レオンにヴィンセント。朝から熱心だな」
「ジンか、神速の突きはどうだ?」
「まだまだ、実戦で使うにはちょっとな。でもいい感じだ」
「そんな事より、レオン、ミーアと婚約したんだって?」
と、ノエルが言った。
「実はそうなんだ。ウェブスターさんにも報告しないとな」
「父さんは辺境伯領にいるからなあ。ちょっと遠いね」
「そうなんだよな。とりあえず手紙で報告するよ」
「ミーアはことある毎にレオン、レオンだったからね。ミーアのことを考えるとこれが一番かも」
「ウェブスターさんは反対しないかな。俺はもうすでに4人も妻がいる訳だけれど」
「父さんなら反対しないと思うよ。ミーアの気持ちが一番だと考える人だから。それにレオンは次期辺境伯候補でもあるし」
「次期辺境伯はヨハン兄さんがなるんじゃないかな。実際辺境伯になると行動が制限されるからなりたくないしね」
「でも、レオンは辺境伯にならなくても子爵で貴族なんだから問題ないと思うよ」
「いいよなあ、レオンは、嫁さんが4人もいて、ヴィンセントも王女様と結婚だもんな。まったく羨ましい限りだ」
ジンが腕を組みながら言った。
「そういえばヴィンセントも王族の一員なんだから王に頼んで4騎士と戦うのに参加させて貰えばどうだ?」
「その手があったか……しかしそんな手を使うのはあまり本意ではない」
「でも参加したいんだろ」
「そうだな、考えてみよう」
しばらくしてからヴィンセントから王に頼んで参加できるようになったという報告があった。
ヴィンセントの話によると、どうやら、4騎士意外にも各国から強豪が参加するようだ。アンブロス帝国の皇帝代理騎士、都市国家群最強の剣士、遠く離れたミレニア帝国の竜騎士、更に遥か遠く離れたジュポン帝国の剣豪。他にもまだ参加する剣士がいるのかもしれない。ダライア帝国とゴダード王国は既に最強剣士が敗れているため参加は見合わせた。
その結果、王都にある闘技場では手狭であるため王宮の近くに急遽巨大な闘技場が建設されていた。
「どうだ、レオン、そうそうたる顔ぶれじゃないか」
「ヴィンセントは他の国の剣士も知っているのか?」
「ああ、剣を志すものなら知らない者はいないと言える伝説的な剣士ばかりだ。むしろレオンが知らないのが驚きだ」
「どれが凄い?」
「どれも凄いが特に凄いのはジュポン帝国のムネシゲ・イトウだ。生涯不敗、生ける伝説だ。今回参加するのも正直異例のことだ」
「他は?」
「やはりアンブロス帝国の皇帝代理騎士だろう。巨大帝国アンブロス帝国最強の剣士、その実力は高いだろう」
「なんだか不安になってくるな。前世ではさすがに他国の剣士と戦ったことなないからな」
「それは私もだ。だが、腕がなる」
「さすがのヴィンセントも圧勝の連続というわけにはいかなそうだな」
「私はレオン意外に苦戦したことがないからな」
「しかし、楽しみではあるな」
「ああ」
後日、私達が闘技場を見にいくと、闘技場の建設は急ピッチで勧められており、外観は大体完成していた。
「凄い……壮観だな」
私はヴィンセントに言った。
闘技場は王立闘技場『テアトルム』と命名され、戦いの舞台にふさわしく巨大で美しい建物であった。
もう完成も間近だ。日時も決定された。選手の泊まる建物も建設されている。
闘技場の隣に豪華な宿泊施設が建設されていた。これも完成間近だ。
私とヴィンセントは王に呼び出されてたのでそのまま王宮に向かった。
私達は応接室に向かった。
王は気怠そうな顔をしていたが、私達を見ると笑顔になった。
「よく来てくれたな。実は大会の概要が決まったのでな」
王は機嫌よさそうである。
「今回の大会名が決まった。『アークライト王国大武会』だ。真の最強を決めるための大会と言える。4騎士だけでなく、各国からも参加の要望があったのでエントリーしている」
そして王は、
「知っているだろうが今回はヴィンセントも参加している。それと武器は色々考えたんだが木刀にすることにした。死人が出ても問題があるだろう」
「それで時期はいつなんですか?」
「2ヶ月後だ。それまで鍛錬を怠らないように、と言ってもそんなことはお前らには無用な事だな」
「私が負けるとどうなるのですか?」
「剣聖が負けるとなると問題だな。まあ、私はレオンが負けるとは思っていない」
「私がいるのですよ」
ヴィンセントが不敵に笑った。
「まあ、レオンが負けたら、その者に首輪を渡して、その者がダライア帝国の皇帝に認めてもらうんだな。剣聖を決める権限は私にはない」
2ヶ月後か、それが終わればすぐに沈黙の谷に向かわなければならないだろう。
私達は応接室を出た。
「私は王宮に住居がある。ここでお別れだな」
屋敷に戻るとシズ達が冒険を終えて帰って来た。全員Cランクに上がったようである。
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