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82話 卒業

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 翌日、ヴィンセントと一緒に事業開始前にレイ・レイの元へ向かった。

「レオンとヴィンセントか、久しぶりだな。大方、卒業できるかどうか聞きに来たんだろう」

 レイ・レイは私達を見るとそう言った。

「まあ、卒業は大丈夫だ。それまでの成績は抜群だし、どちらも選抜大会に優勝している。おまけに王宮からも卒業させるよう依頼が来ている」

「ありがとうございます」

「授業も残り少ないが、学生生活を楽しんでくれ」

 私達は退出し、教室に戻った。

 授業終了後はいつものメンバーは放課後にいつも鍛錬しているようで私達もそれに加わった。アルバートは既に卒業していなくなっていたが他のメンバーは皆揃っていた。新しく加入した者もいた。以前私に勝負を挑んできたユリウス・フォルタンである。その他にもちらほら見知らぬ顔がいた。

「あれから色々と加入して来たんだ。俺たちも3年生だろ、これで俺たちがいなくなっても安泰だ」

 この集まりは今や『練成部』として学校からも認められる部活動になっていたのだ。

「ユリウスは強くなったぞ、時期部長候補だしな」

 クライドが言った。

「まだまだ剣聖には及びませんよ」

「俺が剣聖だとどこで知った?」

「何言ってるんだレオン、お前が剣聖だってことは王都じゃ誰でも知ってるよ。ちょっとしたスターだぞ」

「そうなのか」

「王宮がかなり吹聴しているらしい」

 また、余計なことをしてくれる。

 週末にヴィンセントと冒険者ギルドに向かう。

 冒険者ギルドに着くと冒険者が私達に群がって来た。

「おい、あれがSランク冒険者の剣聖レオンだぜ」

「どんな奴なんだ」

「見えないよう」

 私達は人波を掻き分けてどうにか酒場にたどり着いた。エマ、アメリア、ダリルが揃っていた。

「大変だな、まったく」

「すごい注目度だな」

 そんなことを話していると受付嬢がこちらにやって来た。書類の束を抱えている。

「お久しぶりですね『風を追う者』の皆さん。もうね、依頼がこんなに溜まってしまって、どうにかしてください」

 ドサっと言う音とともに受付嬢は私達のテーブルに書類の束を叩きつける。

「これ全部依頼かよ」

「皆さん大人気ですから。特にレオンさんが剣聖になったと聞いてから依頼の量が半端なくて」

「まあ、この巨大熊の退治から始めるとするか」

 私達は冒険に出かけた。

 そして日々は過ぎ、ついに卒業式を迎えることになった。

 私達卒業生は闘技場に集められて卒業式を行った。

 3年間のことが思い出される。ヴィンセントと戦った入学試験、騎士学校選抜大会、放課後の練成部の鍛錬、それに冒険者の日々。

 校長の送る言葉の後、卒業生代表のクライドから卒業生の答辞があった。さすがにあまり出席していないだけに卒業生代表とはならなかったようだ。

 卒業証書が各自に手渡される。

「卒業証書は王国騎士団の入団試験の免除の証となる。騎士団に入団を希望する者はそのまま騎士団本部へと向かえ。尚、有効期限は今から2年間だ。それ以内に騎士団に入団するようにな」

 レイ・レイはそう言った。

「レオンとヴィンセントはどうするんだ?」

 ジンが言った。

「うーん、すぐには答えが出ないな。少し考えるか」

「レオンなら騎士団長もすぐになれると思うけどな」

「剣の技術だけなら私達は騎士団長を上回っているだろう」

 ヴィンセントが言った。

「ヴィンセントはどうする?」

「レオンの動向次第かな」

「ジンはどうする?」

「俺はすぐに入るよ。王国騎士団に入団するのが俺の目的だからな」

「ノエルはどうする」

 いつの間にか側にいたノエルに聞く。

「僕も王国騎士団に入るよ。ゆくゆくは辺境伯の騎士団に入るつもりだけどね」

 ジンとノエルは王国騎士団に入るようだ。すぐに二人で騎士団本部へ向かうようだ。

「俺達も王国騎士団に入るぜ」

 クラウドとヘンリーも王国騎士団に入るようだ。

 その他のクラスメートもほとんどが王国騎士団に入るようだ。まずは王国騎士団に入ってから自分の領地の騎士団に入る事が多いようだ。

「ちょっと俺達も騎士団本部を覗いてみようか?」

「また、決闘だなんだが起こるんじゃないのか?」

「大丈夫だってヴィンセント」

 そうして王国騎士団本部を覗いてみることにした。
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