81 / 126
81話 ルティア
しおりを挟む
そして王に会う日がやって来た。風を追う者のメンバーと、シズ、ルティアが王宮に向かった。
王宮の門に着くとモリスがやって来て案内してくれた。
待たされることもなく謁見の間に向かった。あいかわらず豪華で広い。
謁見の間は左右に騎士が並び、王の側には側近がいた。
私達は王の前に進むと儀礼を行った。
「よく戻って来た。レオン・エルドバーン達よ。旅の報告を聞こう」
私は旅の経緯を王に説明した。
「そうか、剣聖になれたのだな。よくやった。それが剣聖の首飾か、よく見せてくれ」
王の側近に首飾りを渡した。側近からそれを受け取った王は手にとって満足そうに頷いた。
「それでレオンは婚約者も増やしたと」
「婚約者?何それ?」
ルティアは不思議そうな顔をした。
「婚約者と言うのはレオンの婚約者のことだ。レオンにはマリアンナ、ミア、そして今回加わったシズという婚約者がいる。この春に結婚式を行うが、そういえばお主は婚約者ではないのか?」
するとルティアの瞳から大粒の涙がこぼれ出した。
「私もレオンの婚約者になる~」
なんと王宮でルティアは駄々をこね出した。床に寝ころんで手足をジタバタさせた。
周りの騎士が押さえ込もうとするがルティアの力が強く抑え込めない。
「いやじゃ、いやじゃ」
そして騎士の一人が剣を抜くとルティアの目が鋭く光った。
「まあ、待て待て、そこの者も剣を収めなさい。ここは簡単だ。レオンがルティアを婚約者にすればいいのだ」
王は涼しい顔でそう言った。
「剣聖レオン・エルドバーンよ、王命である、ルティアを婚約者にしなさい」
「え……はい、かしこまりました」
「ルティアもそれで良いな」
「はい、ありがとうございます」
先ほどまであんなに駄々をこねていたのに急に大人しくなった。しかし王宮で駄々をこねるなんて前代未聞である。歴史に残るかもしれない。
「なんでこうなるのよ!」
エマが叫んだ。
「しかしこれで結婚式が楽しみだ。後、ヴィンセントの結婚式も合同でやるからな」
ヴィンセントがお辞儀をした。
何やら私の知らない所で色々決まっているようだ。
「そうだ皆にも紹介しておこう。ヴィンセントの婚約者となった我が娘エリーナだ」
そういうと王は奥の方に向かって手招きした。
するとやって来たのは私達と同じ歳ぐらいのそれは美しい少女だった。
「アークライト王国第3王女のエリーナ・アークライトです。以後お見知り置きを」
そう言うと王女はスカートの端をつまんでお辞儀をした。
「よろしくね、みなさん」
そして王女はニコっと笑った。
その後、私達は謁見の間を出て控室に戻った。私達は屋敷に戻るが、ヴィンセントは用があるらしく王宮に残った。
「なかなか王女美人だったじゃないか」
「ああ、ヴィンセントの奴うまくやったな。まあ、お前ほどじゃないけどな」
ダリルは笑った。
屋敷に戻り、屋敷に住む全員で今後のことについて話し合った。私は騎士学校の寄宿舎に戻ることになった。エマやシズ、ルティアは家事分担を決めて協力することになった。
私は屋敷を出て久しぶりに寄宿舎に戻った。
ノエルとジンを誘って食堂へ向かう。どうやらヴィンセントもこちらに戻っているみたいだ。
ノエル達にこれまでの経緯を話した。
「もう、開いた口が塞がらないよ」
「じゃあ、結婚式には花嫁が4人か」
「ミーアががっかりするだろうな。いや『4人も5人も一緒です』とか言いかねないな」
「ところで剣聖ってことはやっぱり一番強いってことになるのか?王国騎士団長とかよりも」
「肩書上はそうなるな。もっともどっちが強いなんてのは実際に戦ってみないと決められない」
「レオン、卒業は大丈夫なの?かなり休んでるけど」
「さあ、わからない。明日ヴィンセントと一緒にレイ・レイに聞いてみるよ」
王宮の門に着くとモリスがやって来て案内してくれた。
待たされることもなく謁見の間に向かった。あいかわらず豪華で広い。
謁見の間は左右に騎士が並び、王の側には側近がいた。
私達は王の前に進むと儀礼を行った。
「よく戻って来た。レオン・エルドバーン達よ。旅の報告を聞こう」
私は旅の経緯を王に説明した。
「そうか、剣聖になれたのだな。よくやった。それが剣聖の首飾か、よく見せてくれ」
王の側近に首飾りを渡した。側近からそれを受け取った王は手にとって満足そうに頷いた。
「それでレオンは婚約者も増やしたと」
「婚約者?何それ?」
ルティアは不思議そうな顔をした。
「婚約者と言うのはレオンの婚約者のことだ。レオンにはマリアンナ、ミア、そして今回加わったシズという婚約者がいる。この春に結婚式を行うが、そういえばお主は婚約者ではないのか?」
するとルティアの瞳から大粒の涙がこぼれ出した。
「私もレオンの婚約者になる~」
なんと王宮でルティアは駄々をこね出した。床に寝ころんで手足をジタバタさせた。
周りの騎士が押さえ込もうとするがルティアの力が強く抑え込めない。
「いやじゃ、いやじゃ」
そして騎士の一人が剣を抜くとルティアの目が鋭く光った。
「まあ、待て待て、そこの者も剣を収めなさい。ここは簡単だ。レオンがルティアを婚約者にすればいいのだ」
王は涼しい顔でそう言った。
「剣聖レオン・エルドバーンよ、王命である、ルティアを婚約者にしなさい」
「え……はい、かしこまりました」
「ルティアもそれで良いな」
「はい、ありがとうございます」
先ほどまであんなに駄々をこねていたのに急に大人しくなった。しかし王宮で駄々をこねるなんて前代未聞である。歴史に残るかもしれない。
「なんでこうなるのよ!」
エマが叫んだ。
「しかしこれで結婚式が楽しみだ。後、ヴィンセントの結婚式も合同でやるからな」
ヴィンセントがお辞儀をした。
何やら私の知らない所で色々決まっているようだ。
「そうだ皆にも紹介しておこう。ヴィンセントの婚約者となった我が娘エリーナだ」
そういうと王は奥の方に向かって手招きした。
するとやって来たのは私達と同じ歳ぐらいのそれは美しい少女だった。
「アークライト王国第3王女のエリーナ・アークライトです。以後お見知り置きを」
そう言うと王女はスカートの端をつまんでお辞儀をした。
「よろしくね、みなさん」
そして王女はニコっと笑った。
その後、私達は謁見の間を出て控室に戻った。私達は屋敷に戻るが、ヴィンセントは用があるらしく王宮に残った。
「なかなか王女美人だったじゃないか」
「ああ、ヴィンセントの奴うまくやったな。まあ、お前ほどじゃないけどな」
ダリルは笑った。
屋敷に戻り、屋敷に住む全員で今後のことについて話し合った。私は騎士学校の寄宿舎に戻ることになった。エマやシズ、ルティアは家事分担を決めて協力することになった。
私は屋敷を出て久しぶりに寄宿舎に戻った。
ノエルとジンを誘って食堂へ向かう。どうやらヴィンセントもこちらに戻っているみたいだ。
ノエル達にこれまでの経緯を話した。
「もう、開いた口が塞がらないよ」
「じゃあ、結婚式には花嫁が4人か」
「ミーアががっかりするだろうな。いや『4人も5人も一緒です』とか言いかねないな」
「ところで剣聖ってことはやっぱり一番強いってことになるのか?王国騎士団長とかよりも」
「肩書上はそうなるな。もっともどっちが強いなんてのは実際に戦ってみないと決められない」
「レオン、卒業は大丈夫なの?かなり休んでるけど」
「さあ、わからない。明日ヴィンセントと一緒にレイ・レイに聞いてみるよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
82
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる