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71話 ヴィンセント

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 魔物の襲撃も終結し、王国も落ち着きを取り戻した。四公爵家は大損害を被ったため大変なようだ。

 そして学校が半年ぶりに再開することになった。

 ノエルとジンに久しぶりに再会する。ノエルは辺境伯軍に従軍していたらしい。ジンはデイマー家の一員として貴族連合軍にいたらしい。

「どうやら選抜大会は予定通り行うみたいだぜ」

「そうなのか」

「ヴィンセントと最後の決着が着けられるね」

 そう言うノエルの頭を軽く叩いてヴィンセントがやって来た。

「今回で終わりというわけではない。しかしレオンとは1勝1敗。一区切りはつきそうだ」

「ヴィンセントに勝つのは難しそうだ」

「前回も私は紙一重の勝負だと思っている。あれからお互い成長した。私は楽しみだ」

 そして大会が始まった。私とヴィンセントは順調に勝ち進んで決勝で戦うことになった。

 私とヴィンセントは互いに話す事もなく決勝の闘技場へ進んだ。そしてお互い所定の位置についた。

「始め!」

 ヴィンセントはやはりゆらりと前に進んできた。

 結局、前回はこの技を破ることができなかった。

 私は猛然とヴィンセントに向かうと、神速を超える神速で斬り掛かった。

 ヴィンセントはこれをゆらりと躱す。

 更に神速を超える神速で斬り続ける。

 ヴィンセントはこれをゆらりゆらりと躱すが頬が切れた。躱す限界が見えて来た。

 更に速度を上げて斬り続ける。体は限界を超え心臓が張り裂けそうになる。身体中の血管が浮いて来た。

 尚も速度を上げて斬り続ける。もはや体の感覚はない。

 その時ついにヴィンセントが剣で受けた。躱し切れないのだ。ついにヴィンセントに限界が来た。

 そして私はヴィンセントを袈裟斬りで斬った。ヴィンセントはこの剣に反応できなかった。

 斬られたヴィンセントが後ろに倒れる。しかしヴィンセントはどこか満足そうだ。

「お前が成長するように私もまた成長する。次の舞台がどこかは知らんが次は私が勝つ」

「次も勝って、その次も勝ってやる」

「ククク、レオン、まだ続くぞ、まだまだ続くぞ、私達の戦いはハハハハハハハハ」

 ヴィンセントは笑い続ける。

 そうだヴィンセント、俺達の戦いはこれからも続く……
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