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60話 魔装弾
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食糧と消耗品を買い込み、再び迷宮に挑む。
地下1階、2階と進んでいき、地下3階の階段までたどり着いた。
今回はダリルに先行させ魔物の気配があれば迂回するようにした。ほとんど魔物と戦闘していない。
「このやり方も地図があればこそね。でもここからは通用しないわ」
一旦階段付近でキャンプを張り、休息を取った。これから地下3階の探索の始まりである。
階段付近を中心に少しずつ探索を続けた。
少し進む度に罠が仕掛けられてあった。
「この迷宮は恐ろしいわね」
「ああ」
そして強敵ハイリッチと遭遇した。しかし仕掛けが分かっていればそう難しい相手ではなかった。
オーガの群れもやってきた。大規模術式でエクスプロードを放ち撃退した。
「今ので魔力が切れたわ。階段に戻りましょう」
階段に戻り、キャンプを張った。少し進んでは階段に戻る。探索は遅々として進まない。
しかし、次第に慣れてきたのか徐々に探索のスピードは上がって行った。そしてかなり大きな部屋に入った。
そこには巨大な魔物がいた。
「これは危険よ、レオン!ヴィンセント!」
3人で魔法陣を展開し、大規模術式でエクスプロードを放った。
辺りは煙が立ち込めたが、煙の中からその魔物は現れた。
「効いて……ないの……」
私とヴィンセントは魔物に駆け寄り斬りつけた。私はオリハルコンソードを使用した。
しかし、魔物の皮膚は弾力があり、剣が通らない。
ヴィンセントを見ると、彼もそうだった。
「ベヒモス……」
エマは魔物の名前を呟いた。
「こうなったらこれしかない!」
ダリルは魔銃に魔装弾を装填した。
「これでもくらえ!」
ダリルはベヒモスに向かって引き金を引いた。
「ドーン」という重い発射音とともに魔装弾はベヒモスに命中した。
魔装弾はベヒモスの皮膚を貫通したようだ。少し間を置いてベヒモスに命中した部分が大爆発した。
ベヒモスの胸の肉は抉れ、大出血していた。
「見たか……魔装弾の威力を……」
ダリルは震える手で次弾の魔装弾を装填する。
しかし、ダリルが次弾を打つことなく弱ったベヒモスを私とヴィンセントがダリルがつけた傷の部分を中心に攻撃して倒すことができた。
「よくやったわ、ダリル。魔装弾……凄い威力ね」
「とっておきだからな。あと2発残っている」
「途方もない魔物だったな」
「ベヒモスなんて神話上の怪物よ……」
「ダリルがいないと負けていた」
「そうだな、感謝するよ」
「俺を入れて正解だろ」
そして探索を続けると、意外と近くに下りの階段を見つけた。
「3階の地図はもういいわ、降りてみましょう」
地下4階も相変わらず罠があり、魔物の攻撃もあったが、どうやらこの迷宮の探索に慣れてきたようだ。特別強い魔物も現れなかった。そして下りの階段を見つけた。
「まだ階段があるのね。いいわ、降りてみましょう」
階段を降りると、そこは何もないだだっ広い空間だった。
「何なのこの階……」
とりあえず中心部に向けて歩いていく。広さは他の階と同じようだ。
ただ、何もないところを歩いていく。すると魔物らしき姿を発見した。
近づいていくと全身の筋肉が隆起した人型の魔物だった。
「あれは魔族よ……」
私は全身に危険信号を感じた。
「みんな、下がれ!下がるんだ!」
全員が魔物に背を向けて逃げた。そして背中に熱気を感じると吹き飛ばされた。
しかし、逃げるのが早かったおかげでそれほどのダメージはなかった。
「エクスプロードを撃ってきたわ……」
そして魔物の足音が聞こえると、魔物は近づいてきた。
ダリルが魔銃を撃った。しかし魔物の皮膚に弾かれる。
私とヴィンセントが駆け寄って斬りつけた。オリハルコンソードは少しだが傷をつけることができた。
魔物は素早く魔術を放ってくる。それを防御魔法で防ぐ。もうエクスプロードはさすがに撃ってこないようだ。
時折魔物は殴りつけてくる。しかしこれを躱す。
どれほどの時間戦ったであろうか。ついに魔物は動かなくなった。
「まさか、魔族が本当にいるなんて……」
辺りを見渡してみると倒した魔物の後ろに下り階段があった。
地下1階、2階と進んでいき、地下3階の階段までたどり着いた。
今回はダリルに先行させ魔物の気配があれば迂回するようにした。ほとんど魔物と戦闘していない。
「このやり方も地図があればこそね。でもここからは通用しないわ」
一旦階段付近でキャンプを張り、休息を取った。これから地下3階の探索の始まりである。
階段付近を中心に少しずつ探索を続けた。
少し進む度に罠が仕掛けられてあった。
「この迷宮は恐ろしいわね」
「ああ」
そして強敵ハイリッチと遭遇した。しかし仕掛けが分かっていればそう難しい相手ではなかった。
オーガの群れもやってきた。大規模術式でエクスプロードを放ち撃退した。
「今ので魔力が切れたわ。階段に戻りましょう」
階段に戻り、キャンプを張った。少し進んでは階段に戻る。探索は遅々として進まない。
しかし、次第に慣れてきたのか徐々に探索のスピードは上がって行った。そしてかなり大きな部屋に入った。
そこには巨大な魔物がいた。
「これは危険よ、レオン!ヴィンセント!」
3人で魔法陣を展開し、大規模術式でエクスプロードを放った。
辺りは煙が立ち込めたが、煙の中からその魔物は現れた。
「効いて……ないの……」
私とヴィンセントは魔物に駆け寄り斬りつけた。私はオリハルコンソードを使用した。
しかし、魔物の皮膚は弾力があり、剣が通らない。
ヴィンセントを見ると、彼もそうだった。
「ベヒモス……」
エマは魔物の名前を呟いた。
「こうなったらこれしかない!」
ダリルは魔銃に魔装弾を装填した。
「これでもくらえ!」
ダリルはベヒモスに向かって引き金を引いた。
「ドーン」という重い発射音とともに魔装弾はベヒモスに命中した。
魔装弾はベヒモスの皮膚を貫通したようだ。少し間を置いてベヒモスに命中した部分が大爆発した。
ベヒモスの胸の肉は抉れ、大出血していた。
「見たか……魔装弾の威力を……」
ダリルは震える手で次弾の魔装弾を装填する。
しかし、ダリルが次弾を打つことなく弱ったベヒモスを私とヴィンセントがダリルがつけた傷の部分を中心に攻撃して倒すことができた。
「よくやったわ、ダリル。魔装弾……凄い威力ね」
「とっておきだからな。あと2発残っている」
「途方もない魔物だったな」
「ベヒモスなんて神話上の怪物よ……」
「ダリルがいないと負けていた」
「そうだな、感謝するよ」
「俺を入れて正解だろ」
そして探索を続けると、意外と近くに下りの階段を見つけた。
「3階の地図はもういいわ、降りてみましょう」
地下4階も相変わらず罠があり、魔物の攻撃もあったが、どうやらこの迷宮の探索に慣れてきたようだ。特別強い魔物も現れなかった。そして下りの階段を見つけた。
「まだ階段があるのね。いいわ、降りてみましょう」
階段を降りると、そこは何もないだだっ広い空間だった。
「何なのこの階……」
とりあえず中心部に向けて歩いていく。広さは他の階と同じようだ。
ただ、何もないところを歩いていく。すると魔物らしき姿を発見した。
近づいていくと全身の筋肉が隆起した人型の魔物だった。
「あれは魔族よ……」
私は全身に危険信号を感じた。
「みんな、下がれ!下がるんだ!」
全員が魔物に背を向けて逃げた。そして背中に熱気を感じると吹き飛ばされた。
しかし、逃げるのが早かったおかげでそれほどのダメージはなかった。
「エクスプロードを撃ってきたわ……」
そして魔物の足音が聞こえると、魔物は近づいてきた。
ダリルが魔銃を撃った。しかし魔物の皮膚に弾かれる。
私とヴィンセントが駆け寄って斬りつけた。オリハルコンソードは少しだが傷をつけることができた。
魔物は素早く魔術を放ってくる。それを防御魔法で防ぐ。もうエクスプロードはさすがに撃ってこないようだ。
時折魔物は殴りつけてくる。しかしこれを躱す。
どれほどの時間戦ったであろうか。ついに魔物は動かなくなった。
「まさか、魔族が本当にいるなんて……」
辺りを見渡してみると倒した魔物の後ろに下り階段があった。
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