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59話 再戦

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 そして出発することにした。ハイリッチと遭遇した場所へと向かう。

 遭遇した場所の近くにハイリッチはいた。スケルトンを連れている。

 私はスケルトンをヴィンセントとアメリアに任せると、リッチに向かって駆けて行った。

 リッチはまた火魔術を唱えようとした。リッチの前に火の玉が膨れ上がる。

 その時、私は魔法陣を展開した。そして、

「ウォーターウォール」」

 ウォーターウォールによって火の玉が弱まった。

 弱まった火の玉を避け、ハイリッチに向かって剣を斬り下ろす。

 しかし、剣は空を切る。

 その時ハイリッチの気配を感じた。

「そこだ!」

 ハイリッチの横の何もない空間に剣を振り下ろした。

 手応えがあった。

 すると黄金のローブを着たリッチを切り裂いていた。それまでいたリッチは姿を消した。

「やったぞ」

「見事だ、レオン」

 ヴィンセントは言った。

「そういう術だったのね。レオン、よく見破ったわ」

「やっぱり見た目に違いはあるようだな」

「ああ、普通のリッチは緑色のローブ、ハイリッチは金色のローブか」

「しかし、よくやったわ、レオン。これで探索が進められるわね」

 そしてついに地下3階の階段を見つけた。

「ついに地下3階ね」

「とりあえず休憩だな。キャンプを張ろう」

「この階段付近も安全とは限らないわ」

「見張りは立てよう」

「そうね」

 そして私達はキャンプを張った。どうやらこの階段付近も魔物は現れないようだ。

 皆が目を覚ますと地下3階の探索を始めようとしたのだが、トマスから食糧があまりないとの報告を受けた。

「どうやら地上に戻った方が良さそうね」

「そうだな。食糧がなくなってからでは戻れなくなる」

 地下2階に上がり地上を目指すことになった。

 そして地下2階を進んでいくと

「オーガが来たわ……」

 すぐにエマは魔法陣を展開した。

「ウインドシールド」

 風の防壁が後衛を包んだ。

 私とヴィンセントはオーガに接近した。

 オーガの斧を躱すと斧が後衛を襲った。

 しかし、ウインドシールドはオーガの斧を弾いた。

 すかさず私とヴィンセントはオーガを攻撃し、これを倒すことができた。

「なんとか倒せたな」

「ええ、でも複数で来られたら対処しきれないわ」

「複数で来たらエクスプロードを出すか逃げるかしかないな」

「そうね」

 地図に従って地下1階に戻り、出口にたどり着いた。

 出口にたどり着くと私は体の内側に違和感を感じ、そして大量の血を吐いた。

「ちょっと、レオン大丈夫!宿屋に急ぐわよ」

 皆に支えられながら宿屋に着くと、ベッドに運ばれた。

「レオンさん、聖魔法で治癒はしましたが、万能ではありません。恐らく体には相当のダメージが蓄積されていたのでしょう」

「レオン、ゆっくり休むことね。私達も少し休むわ」

 そして宿屋で1週間程静養し、私は回復した。
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