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異世界版肝試し
しおりを挟むヒタヒタ
静かに音を立てないように寂れた廊下を慎重に進む。
何故かって?
音を立てると来るんだよ。
ーギギッーー
……こんなふうに。
今どうやら劣化している部分の床を踏んでしまったようだ。
こんなもん分かるか!
急いでその場所から逃げる。
キチキチキチキチ
また小さな金属音がすごい速度で迫って来る。
金属で出来た小さな蜘蛛だ。
隠れている時にはホントに音が全くしない。
音を立てている時は攻撃しようとしている時だけだ。
つまり、今は攻撃されようとしている!
その場から急いで離れる。
天井から降って来た物が、さっきまでいた場所が斬り裂く。
このホラーアクション的な展開にして来たコイツは、鉄製の蜘蛛だ。
外観はだいぶ刺々しく、the 鉄って感じの質感を醸し出している。
その蜘蛛を構成している金属は鋼のようで凄く硬く、クリスタルアローを当てても全く傷付かなかった。
この時にはかなりびっくりした。
しかも10センチくらいしか無いが、俺からして見れば、
こいつは音を立てると大体1から2秒で音も立てずに襲って来る、
目は見えないらしいものの、移動速度な聴覚が異様に高い。
こっそりとソイツを鑑定する。
名前 無し
称号:未設定
LVー
種族 スチルスパイダー
HP 1000/1000
SP ∞/∞
MP 3000/3000
平均攻撃能力:10
平均防御能力:1000
平均魔法能力:1200
平均抵抗能力:1000
平均速度能力:10000
スキル
硬化lv9 超隠密lv10(MAX) 聴覚超強化lv10(MAX) 鋼糸生成lv8
称号
隠密神の加護 地獄耳 迷宮の魔物
スキルも二重鑑定しておこう。
超隠密
隠密行動中の気配が無くなる。
隠密系統の最上級スキル。
聴覚超強化
聴覚が鋭くなる。聴覚強化の最上級。
隠密神の加護
隠密系統の効果が5倍になる。
隠密中、殆どの生物は至近距離に居ようと気付く事すら出来ない。
隠密を極めし者に贈られる称号。
地獄耳
聴覚強化系統の効果が5倍になる。
聞こえた音をさらに鮮明にする。
何処で音がしたのかまでもがが分かるようになる。
聴覚強化を極めし者に贈られる称号
迷宮の魔物
迷宮で生まれた魔物
うえ!?
隠密特化のタイプっぽいけど、高性能過ぎない!?
スピードも俺の何十倍もあるし!
スキルの量では負けてないけど、質では敗北している。
大・大・大敗北だ。
となるとその量のあるスキルで使えるものを探さないとな。使えそうなのはこれだ!
スキル
水晶生成lv4 小さな勇者 魔法付与
何故かって?
水晶生成はこれで遠くに水晶を作って落とせばその音を囮にできると思う。
前にクリスタルアローを飛ばした時に動かした瞬間に反応されたから、遠くに飛ばそうとしても風切り音を感知されるので変わらないはずだ。
続いて小さな勇者。
これは基本属性の火、水、風、土と光の魔法を使う事が出来る様になるが、何故か使えなかった。
魔法付与。
これはまだ使ってないが、強そうだ。
試しに使ってみる。
対象を選択してください。
という淡く光るステータス画面と同じような文字が浮かんでくる。
試しに水晶を出してみた。
視界の中にやや小さめの水晶が出る。
魔法付与を切ると、視界がいつも通りの色に戻る。
魔法付与の準備段階で自分の出した水晶(多分、自分が付与できる物体全て)を少し認識し易くなった。さらにその水晶を選択すると、火、水、風、土、光 と出てきた。
試しに無害そうな光を選択すると、水晶が淡く光り始めた。
MPを込めていけば光がどんどん大きくなってくる。
込められ無くなるまで入れてみると、様子がおかしくなった。
具体的に言うと、 キイイイイイイ という高い音を立て始めた。
急いでその水晶を遠くへ飛ばし、反対方向に急いで飛ぶ。
音が立った1秒後にも満たない内に、音も無く忍び寄って来た鉄蜘蛛に音の発生源である水晶が割られた。と思ったら、壊れた水晶から物凄い量の光が飛び出てきた。
咄嗟に目をつぶる。
目をつぶってもあまりにも強すぎてまぶたを素通りしてしまう位の光量だ。
ダメージは入っていないみたい。
そういえばこいつは目が見えないんだったな。
鉄蜘蛛に特に変わった様子は無い。
どうやら、光を付与した水晶を割れると強烈な光が出る様だ。
使ったら音が出るのでここでは封印しよう。
この暗闇でライト替わりに使いたかったのにな。
鉄蜘蛛が周囲の景色に溶け込む様にして消えて行く。
ちくせう。あの鉄蜘蛛め!
絶対にいつか鉄クズにしてやる!
怖いんだよ!
このがっ!
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