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[22] 都市
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アセンブレはつまんない場所だ(個人的な意見)。イメージで言えば灰色。薄汚れてくすんでいる。別段いて楽しい場所ではない。
なにより食べ物がおいしくない。前の街と違って手作りの暖かみみたいなものがない。味気ない大量生産品を摂取してる感じ。
いやゲームなんだしデータ的にはまったく同じかもしれない。例え味覚刺激が同じでも雰囲気が違えば人間の感覚としては違ってくるのだ。
味覚、嗅覚、視覚その他、それ以外にもその場の空気感とかなんとかでおいしさというのは変化する。多分、おそらく、そうだ。詳しくないけど。
私と燈架とユーニスさんで山を越えたのとはまた別の日、今度はクレハと燈架と白さんで山道に挑んだという話を聞いた。それ聞いて燈架たいへんだったろうなと思った。
あの2人は1人ずつならまあ問題ない、いっしょにいると相乗効果でのんびりが無限に加速していく。話速がどこまでも減少して最終的には空間それ自体が停止することになるんじゃないかと私は考えている。
燈架はあれでせっかちできびきびしてるところがあるから、余計にテンポがあわなかったろう。ご愁傷様。せめて2対1でなしに、ハイテンポ人間がもう1人でもいれば事態は違ったかもしれない。
ともかくさらに後日、私たち5人、ゴーレムの亡骸どうするか考える班は工業都市アセンブレに集結した。集結して何をするかと言えば、誰かゴーレムの亡骸の使い道を知ってる人がいないか、聞き込み調査をすることになった。
前にもユーニスさんと白さんはアセンブレの人に話を聞いたことはあるらしい。けれども今回は今回で亡骸の使い方という質問が決まっていること、それから所属しているパーティーが亡骸そのものを持っていることから得られる情報が変化する可能性があるそうだ。
ちょっとよくわかんなかった。
よくわかんなかったけど、つまり私たちが聞くのと他の人たちが聞くのとでは、聞ける話が異なるかもってことのようだ。だから聞き込み調査は無駄じゃないってことで、それで皆でまとまって動いても仕方ないから、一旦わかれて各自調べて、1時間後にまた中央広場に集まるってことになった。
そういうわけで私は工業都市の屋台を巡り歩いたのだけれど、たいしておいしいものはないなという結論に至る。残念だ、これならやっぱり最初の街に滞在してた方がいい。用事が終わったらとっとと戻ってあっちに拠点を置くことにしたい。
これでも私は心配性だったりする。クレハが言うには私には雑な部分と丁寧な部分が混在してるそうだが、それはあの娘の見方がななめってるだけであって、私は極めて冷静で慎重なタイプだ。
待ち合わせ時間に遅れるのはいやだ。クレハとか燈架とか相手なら気にならないんだけど他の人がいる場合は話が変わってくる。5分前には着こうと考えるのだけれどそのあたりの調節をするのが難しい。何かハプニングが起きる可能性を考慮すると途端に誤差が大きくなる。
それで10分以上前に工業都市中央にある高いビルに囲まれたせまっ苦しい広場とは名ばかりの場所に辿りついていて、ちょうどベンチが空いてたから座って買って回ったお菓子を食べていた。
次に現れたのはクレハで約束の時刻よりは5分ほど早い。私とそれから横に置いてある紙袋を見つけて、「みんなで調査するって話なのにまたリィナちゃんは買い食いなんてして」というような顔をしたので、先制攻撃でその口にドーナツを突っ込んでおく。
クレハはしつけが行き届いている娘なので、食べてる間は基本的に静かである。私の隣に座る場所を作るとのんびりと飾りっ気のないドーナツを口へと運んでいく。食べ終えて一言。
「いまいちだね」
「でしょ」
意見がぴったりあった。空気が煤臭くていけないのだ、ここは。
その後、ぴったりの時間に燈架がやってきて、5分ほど遅れてユーニスさん、さらに遅れて白さんが現れた。私の買ってきた大量のお菓子を食べながら雑談してたので特に待たされたというような感覚はなかった。なんとなく白さんは遅れてくるものと思ってたことだし。
全員そろったところで報告会。といっても目ぼしい成果はなし。私も屋台を一巡りしてみたけどこれだ! と思えるようなものには出会えなかったという話をしたら、4人になんかちょっと違う気がするけどまあいいや? という感じの視線を返された。なんでかわかんない。
最後はクレハの番で誰1人として期待してなかったわけだけど、だってクレハだし、チュロスかじりつつ適当に話を聞いてたところ、さらりとクレハは言った。
「ゴーレムとはちょっと違うかもしれないけど、だからものすごい手がかりってわけじゃないと思うんだけど、自律機械の人格プログラムについて研究してる人がいるらしいよ」
あいかわらず前置きが長い。
他にあてがあるわけでもなし、みんなでぞろぞろその人のところを訪ねてみることになった。
なにより食べ物がおいしくない。前の街と違って手作りの暖かみみたいなものがない。味気ない大量生産品を摂取してる感じ。
いやゲームなんだしデータ的にはまったく同じかもしれない。例え味覚刺激が同じでも雰囲気が違えば人間の感覚としては違ってくるのだ。
味覚、嗅覚、視覚その他、それ以外にもその場の空気感とかなんとかでおいしさというのは変化する。多分、おそらく、そうだ。詳しくないけど。
私と燈架とユーニスさんで山を越えたのとはまた別の日、今度はクレハと燈架と白さんで山道に挑んだという話を聞いた。それ聞いて燈架たいへんだったろうなと思った。
あの2人は1人ずつならまあ問題ない、いっしょにいると相乗効果でのんびりが無限に加速していく。話速がどこまでも減少して最終的には空間それ自体が停止することになるんじゃないかと私は考えている。
燈架はあれでせっかちできびきびしてるところがあるから、余計にテンポがあわなかったろう。ご愁傷様。せめて2対1でなしに、ハイテンポ人間がもう1人でもいれば事態は違ったかもしれない。
ともかくさらに後日、私たち5人、ゴーレムの亡骸どうするか考える班は工業都市アセンブレに集結した。集結して何をするかと言えば、誰かゴーレムの亡骸の使い道を知ってる人がいないか、聞き込み調査をすることになった。
前にもユーニスさんと白さんはアセンブレの人に話を聞いたことはあるらしい。けれども今回は今回で亡骸の使い方という質問が決まっていること、それから所属しているパーティーが亡骸そのものを持っていることから得られる情報が変化する可能性があるそうだ。
ちょっとよくわかんなかった。
よくわかんなかったけど、つまり私たちが聞くのと他の人たちが聞くのとでは、聞ける話が異なるかもってことのようだ。だから聞き込み調査は無駄じゃないってことで、それで皆でまとまって動いても仕方ないから、一旦わかれて各自調べて、1時間後にまた中央広場に集まるってことになった。
そういうわけで私は工業都市の屋台を巡り歩いたのだけれど、たいしておいしいものはないなという結論に至る。残念だ、これならやっぱり最初の街に滞在してた方がいい。用事が終わったらとっとと戻ってあっちに拠点を置くことにしたい。
これでも私は心配性だったりする。クレハが言うには私には雑な部分と丁寧な部分が混在してるそうだが、それはあの娘の見方がななめってるだけであって、私は極めて冷静で慎重なタイプだ。
待ち合わせ時間に遅れるのはいやだ。クレハとか燈架とか相手なら気にならないんだけど他の人がいる場合は話が変わってくる。5分前には着こうと考えるのだけれどそのあたりの調節をするのが難しい。何かハプニングが起きる可能性を考慮すると途端に誤差が大きくなる。
それで10分以上前に工業都市中央にある高いビルに囲まれたせまっ苦しい広場とは名ばかりの場所に辿りついていて、ちょうどベンチが空いてたから座って買って回ったお菓子を食べていた。
次に現れたのはクレハで約束の時刻よりは5分ほど早い。私とそれから横に置いてある紙袋を見つけて、「みんなで調査するって話なのにまたリィナちゃんは買い食いなんてして」というような顔をしたので、先制攻撃でその口にドーナツを突っ込んでおく。
クレハはしつけが行き届いている娘なので、食べてる間は基本的に静かである。私の隣に座る場所を作るとのんびりと飾りっ気のないドーナツを口へと運んでいく。食べ終えて一言。
「いまいちだね」
「でしょ」
意見がぴったりあった。空気が煤臭くていけないのだ、ここは。
その後、ぴったりの時間に燈架がやってきて、5分ほど遅れてユーニスさん、さらに遅れて白さんが現れた。私の買ってきた大量のお菓子を食べながら雑談してたので特に待たされたというような感覚はなかった。なんとなく白さんは遅れてくるものと思ってたことだし。
全員そろったところで報告会。といっても目ぼしい成果はなし。私も屋台を一巡りしてみたけどこれだ! と思えるようなものには出会えなかったという話をしたら、4人になんかちょっと違う気がするけどまあいいや? という感じの視線を返された。なんでかわかんない。
最後はクレハの番で誰1人として期待してなかったわけだけど、だってクレハだし、チュロスかじりつつ適当に話を聞いてたところ、さらりとクレハは言った。
「ゴーレムとはちょっと違うかもしれないけど、だからものすごい手がかりってわけじゃないと思うんだけど、自律機械の人格プログラムについて研究してる人がいるらしいよ」
あいかわらず前置きが長い。
他にあてがあるわけでもなし、みんなでぞろぞろその人のところを訪ねてみることになった。
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