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[14] ミーティング
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昨日と同じ時刻に3人で集まる。
デスペナが開けるまで少し間があるので街のベンチに座ってのんびりミーティング、おやつは焼鳥。
「なんで豚とかもあるのに焼鳥なの?」私の素朴な疑問。
「焼鳥の成立に関わってくるから話が長くなるけどいい?」クレハが疑問に疑問で返してきた。
「長くなるなら聞かない」また暇なときにでも聞こうと思った、でもきっとこのまま忘れてしまって聞くことはないんだろうなとも思った。
そんな雑談が終わったあたりで燈架が本題を切り出してきた。「それで今日はどうするんだ?」
「ダンジョン行くに決まってるでしょ、今日は倒す!」
「落ち着け。昨日の今日で挑んだって同じ結果になるだけだろ」
「昨日は油断してただけだし、今日は絶対に勝つし」
「……クレハはどう思う?」
「私たちが何か成長したわけでもないから同じようにすれば同じように負けると思うよ」
「だよなあ……」
「はあ!? じゃあいったいどうすれば勝てるっての、言ってみなさいよ!」
私の問いかけに2人はしばらく考える。先に口を開いたのは燈架の方だった。
「一番手っ取り早い方法としてはパーティーの人数を増やすことだけど――」途中まで言ったところで一瞬だけ間を空けてそれからまたつづける。「――これはやめとこう」
「なんで今私の方見たの? なんか私に問題でもあるわけ?」言葉が途切れたところで燈架がこっち見て考え直したのに気づかない私ではないのだ。
「それじゃあ、知り合いに声かけてみようか」
「やだ」私、即答。
「うん、だと思った。別の方法を考えよう」燈架はあっさり提案をひっこめる。なーんか釈然としないものが残るが突っついてもおもしろいことにはなりそうにないのでやめておいた。
「クレハ、あんた、さっきからあんまりしゃべってないけどちゃんと聞いてる?」
「聞いてるよ。ちょっと作戦考えてただけだよ」
「お、何かアイディアがあるのか?」
燈架が目を輝かせる。
いつも思うんだけど燈架はクレハに甘い。どうせたいしたこと考えてないんだからもっと適当にあしらうべきだ。
きかれたクレハはまた少し考え込んでから、ようやくまとまったのか、その作戦とやらの説明を始めた。
「まず昨日は燈架ちゃんが防御して、リィナがちゃんが攻撃してたでしょ」
「ああ。いつのまにかそうなってたうちらの陣形な」
「あれはよかったでしょ。あの形でダンジョンの敵、だいたいなんとかなってたし」
「うん、いい形だと思うよ。でもボス相手だと相性が悪かったんだと思う」
「あー、なるほど、少しずつ話が見えてきた」
「回りくどい。さっさと結論言いなさい」
「リィナちゃんの攻撃、ほとんどボスにダメージ入ってなかったよね?」
「ぐぐぐ、その通りよ。あいつ硬すぎ。なんなの、ふざけてるでしょ、あれ」
「ちゃんと攻撃当ててても有効なダメージが入ってる感じじゃなかったよなあ」
「だからね、作戦変更すればなんとかなるかも、って思うんだ。リィナちゃんじゃなくて破壊力重視で燈架ちゃんが攻撃にまわったら案外どうにかなるかも? よくわかんないけど……」
最終的にクレハの声はしりすぼみになる。らしいっちゃらしいのだが、そこは自信をもって言い切って欲しかった。こっちはその作戦にのるつもりになったんだから。
「確かにそれならボス相手でもダメージが入りそうだな」燈架もどうやら乗り気らしい。
「で、その場合、私はなにすればいいわけ?」
「そこなんだよねえ、リィナちゃんなら多分なんとかなると思うんだけど、一番たいへんで危険な役割なんだよねえ……」
「いいから何するのかとっとと言いなさい!」
私にせっつかれてなおひとしきりうなってから、やっとのことでクレハはその答えを口にした。
「回避盾」
しかしさんざん迷った末に出てきたであろうその言葉に対して、私はこう返すことしかできなかった。
「なにそれ?」
デスペナが開けるまで少し間があるので街のベンチに座ってのんびりミーティング、おやつは焼鳥。
「なんで豚とかもあるのに焼鳥なの?」私の素朴な疑問。
「焼鳥の成立に関わってくるから話が長くなるけどいい?」クレハが疑問に疑問で返してきた。
「長くなるなら聞かない」また暇なときにでも聞こうと思った、でもきっとこのまま忘れてしまって聞くことはないんだろうなとも思った。
そんな雑談が終わったあたりで燈架が本題を切り出してきた。「それで今日はどうするんだ?」
「ダンジョン行くに決まってるでしょ、今日は倒す!」
「落ち着け。昨日の今日で挑んだって同じ結果になるだけだろ」
「昨日は油断してただけだし、今日は絶対に勝つし」
「……クレハはどう思う?」
「私たちが何か成長したわけでもないから同じようにすれば同じように負けると思うよ」
「だよなあ……」
「はあ!? じゃあいったいどうすれば勝てるっての、言ってみなさいよ!」
私の問いかけに2人はしばらく考える。先に口を開いたのは燈架の方だった。
「一番手っ取り早い方法としてはパーティーの人数を増やすことだけど――」途中まで言ったところで一瞬だけ間を空けてそれからまたつづける。「――これはやめとこう」
「なんで今私の方見たの? なんか私に問題でもあるわけ?」言葉が途切れたところで燈架がこっち見て考え直したのに気づかない私ではないのだ。
「それじゃあ、知り合いに声かけてみようか」
「やだ」私、即答。
「うん、だと思った。別の方法を考えよう」燈架はあっさり提案をひっこめる。なーんか釈然としないものが残るが突っついてもおもしろいことにはなりそうにないのでやめておいた。
「クレハ、あんた、さっきからあんまりしゃべってないけどちゃんと聞いてる?」
「聞いてるよ。ちょっと作戦考えてただけだよ」
「お、何かアイディアがあるのか?」
燈架が目を輝かせる。
いつも思うんだけど燈架はクレハに甘い。どうせたいしたこと考えてないんだからもっと適当にあしらうべきだ。
きかれたクレハはまた少し考え込んでから、ようやくまとまったのか、その作戦とやらの説明を始めた。
「まず昨日は燈架ちゃんが防御して、リィナがちゃんが攻撃してたでしょ」
「ああ。いつのまにかそうなってたうちらの陣形な」
「あれはよかったでしょ。あの形でダンジョンの敵、だいたいなんとかなってたし」
「うん、いい形だと思うよ。でもボス相手だと相性が悪かったんだと思う」
「あー、なるほど、少しずつ話が見えてきた」
「回りくどい。さっさと結論言いなさい」
「リィナちゃんの攻撃、ほとんどボスにダメージ入ってなかったよね?」
「ぐぐぐ、その通りよ。あいつ硬すぎ。なんなの、ふざけてるでしょ、あれ」
「ちゃんと攻撃当ててても有効なダメージが入ってる感じじゃなかったよなあ」
「だからね、作戦変更すればなんとかなるかも、って思うんだ。リィナちゃんじゃなくて破壊力重視で燈架ちゃんが攻撃にまわったら案外どうにかなるかも? よくわかんないけど……」
最終的にクレハの声はしりすぼみになる。らしいっちゃらしいのだが、そこは自信をもって言い切って欲しかった。こっちはその作戦にのるつもりになったんだから。
「確かにそれならボス相手でもダメージが入りそうだな」燈架もどうやら乗り気らしい。
「で、その場合、私はなにすればいいわけ?」
「そこなんだよねえ、リィナちゃんなら多分なんとかなると思うんだけど、一番たいへんで危険な役割なんだよねえ……」
「いいから何するのかとっとと言いなさい!」
私にせっつかれてなおひとしきりうなってから、やっとのことでクレハはその答えを口にした。
「回避盾」
しかしさんざん迷った末に出てきたであろうその言葉に対して、私はこう返すことしかできなかった。
「なにそれ?」
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