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攻略対象者② 騎士団長の息子登場
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「では僕はここで。またね、アリス」
颯爽と制服の長めのジャケットを翻し、ヒラヒラと手を振ったユリウスは、教師陣と会釈を交わすと職員室から出ていこうとしていた。
さすが未来の統治者、一瞬で職員室の空気を自分のものへと変えてしまっている。
アリスも慌ててその後ろ姿にお礼の言葉をかけた。
「あの、ありがとうございました!」
一度振り返ったユリウスはニコッと優雅に微笑んだ後、静かに姿を消した。
やはり隙のない完璧な王子様っぷりである。
「ああっ、やっぱり王太子ルートも捨てがたいっ!! ロイヤルスマイルご馳走さまでーす」
いつの間にかしれっとチェルシーが隣に並び、まるでずっと一緒に居たかのように喋り始めた。
クネクネしながらうっとりとする瞳に、ハートマークが浮かんで見えるのは気のせいだけではないだろう。
あえて何も言うまい。
どうせ面倒なことになるに違いないもの。
アリスはチェルシーを放置することに決め、教師との編入の挨拶を済ませたのだった。
◆◆◆
アリスたちは一年B組に編入することが決まっていた。
ある意味これはもう予想通りだったが、チェルシーもアリスと同じクラスである。
朝礼でクラスメイトの前に立つと、一斉に好奇の目で迎えられてしまった。
ハッキリ言って、最初からアリスのことを知っている人たちなのだから、今更自己紹介なんて無意味な気がしてしまう。
むしろ、アリス本人よりも『未来のアリス』について知っていると思うと腹立たしいくらいだ。
当たり障りなく挨拶を終え、一時間目の授業が開始された時にそれは起きた。
隣の席になったチェルシーが、小さな紙を後ろの席の生徒へとこっそり回し始めたのだ。
うわ、学生時代を思い出すな。
みんなコソコソ手紙を回してたよね。
折り方も色々種類があったなぁ……って、そうじゃなくて!
まだクラスに馴染んでもいないはずなのに、チェルシーってば何を回しているの?
受け取った女生徒が怪訝そうな表情で手紙を広げ――さっと目を通すとギョッとした顔でアリスを見た。
え?
私!?
その後も、手紙が回ってきた生徒は全員が驚いた様子を見せ、アリスの方をわざわざ確認する者が何名もいた。
一体何が書かれているのだろうと気になっていたら、とある一人の生徒が手紙を床に落とし、先生に拾われてしまった。
あちゃー、絶体絶命じゃない?
チェルシーも怒られたりしてね。
ドキドキしながら先生の様子を伺っていたら――なんと、先生まで目を丸くしてアリスの方を見るではないか!
もうっ!
何が書いてあるのかますます気になるじゃん!!
そのまま先生は何事もなかったように、手紙を落とした生徒の机に置いている。
アリスはチェルシーまで手紙が戻ってくるのをジレジレしながら待つと、勢い良く手紙を奪い取ってやった。
開くとそこには――
『ヒロインのアリスは、ときラビ未プレイです。ハッピーエンドへ導く為に、みんなも協力してあげてネ!! チェルシー』
なんだこれは……。
驚いてチェルシーを見たら、ニカッとピースサインが返ってきた。
なるほど、クラスメイトに協力を仰いだらしい。
――余計なことを!
しかし、クラスメイトたちは『任せとけ!』みたいな空気を醸し、誰も授業なんて聞いていない雰囲気である。
先生すら心ここに在らずと言った有り様で、おかしなムードのまま授業は終了してしまったのだった。
「ちょっと、チェルシー! 何やってるのよ!!」
「あ、私お手洗いに行きたいなー。アリス様も一緒に行きましょう! ね?」
文句を言うはずが、休憩時間のアリスは自然とチェルシーとトイレに行く流れになっていた。
おかしいわ。
何か策略に乗せられているような、嫌な予感を感じる……。
考え事をしていたアリスは、廊下の影から突然現れた大柄な男性にぶつかってしまった。
「きゃっ!」
「悪い! 前を見ていなかった。大丈夫か? 怪我はないか?」
床に倒れこみそうになっアリスを、大きな手と逞しい腕が支えてくれる。
お腹に響くような低い声だ。
「私こそ考え事をしていてすみません」
手を借りて元の体勢に戻ると、頑丈そうな胸板が目の前に迫っている。
随分背の高い男性だと思いながら顔を上げたら、そこにはネイビーブルーの髪を短く切り揃えた、清潔感のある凛々しい顔があった。
一見体型がゴツい為、大きくて怖い人に見えるのだが、心配する様子からも優しい人柄が窺える。
「いや、完全にオレが悪い。見たところ平気そうだが、具合が悪くなったら言いに来てくれ。せっかくの綺麗な制服を汚すところだった」
「あ、今日編入してきた一年のアリスです。もう大丈夫ですので、お気遣いなく」
アリスはもちろん気付いていた。
この男子生徒も攻略対象者に違いないと……。
だって、イケメンなんだもん。
出会い方もありきたり過ぎる!
これはさっさと終わらせて、離れるのが賢明ってやつだわ。
「それでは、失礼します」
さりげなく立ち去ろうとしたのに、呼び止められてしまった。
「待て。オレは二年のジェイルだ。今は急いでいるから、放課後にでも様子を見にクラスに行く。何組だ?」
「そんな、本当に大丈……」
「B組です!」
チェルシーが溌剌と答えている。
そうだった、この子がいたんだった……。
「わかった、B組な。じゃあまた後でな」
足早にジェイルが去っていき、アリスはチェルシーを睨んだ。
「さすが騎士団長の息子! 逞しくて素敵!!」
「やっぱりね! そうだと思ったわ!」
苛立ち紛れの怒った声で言ったのにチェルシーは意にも介さず、「じゃあ教室に戻りましょうか」とスキップしながらいま来た廊下を戻り始めた。
「ちょっ、お手洗いは? お手洗いに行くんじゃなかったの?」
「もう目的は果たしたのでいいんです。あ、アリス様は行きたかったらご自由に」
なんてやつだ!
いよいよ腹を立てたアリスは、一人ドスドス足音を立てながらトイレに向かったのだった。
颯爽と制服の長めのジャケットを翻し、ヒラヒラと手を振ったユリウスは、教師陣と会釈を交わすと職員室から出ていこうとしていた。
さすが未来の統治者、一瞬で職員室の空気を自分のものへと変えてしまっている。
アリスも慌ててその後ろ姿にお礼の言葉をかけた。
「あの、ありがとうございました!」
一度振り返ったユリウスはニコッと優雅に微笑んだ後、静かに姿を消した。
やはり隙のない完璧な王子様っぷりである。
「ああっ、やっぱり王太子ルートも捨てがたいっ!! ロイヤルスマイルご馳走さまでーす」
いつの間にかしれっとチェルシーが隣に並び、まるでずっと一緒に居たかのように喋り始めた。
クネクネしながらうっとりとする瞳に、ハートマークが浮かんで見えるのは気のせいだけではないだろう。
あえて何も言うまい。
どうせ面倒なことになるに違いないもの。
アリスはチェルシーを放置することに決め、教師との編入の挨拶を済ませたのだった。
◆◆◆
アリスたちは一年B組に編入することが決まっていた。
ある意味これはもう予想通りだったが、チェルシーもアリスと同じクラスである。
朝礼でクラスメイトの前に立つと、一斉に好奇の目で迎えられてしまった。
ハッキリ言って、最初からアリスのことを知っている人たちなのだから、今更自己紹介なんて無意味な気がしてしまう。
むしろ、アリス本人よりも『未来のアリス』について知っていると思うと腹立たしいくらいだ。
当たり障りなく挨拶を終え、一時間目の授業が開始された時にそれは起きた。
隣の席になったチェルシーが、小さな紙を後ろの席の生徒へとこっそり回し始めたのだ。
うわ、学生時代を思い出すな。
みんなコソコソ手紙を回してたよね。
折り方も色々種類があったなぁ……って、そうじゃなくて!
まだクラスに馴染んでもいないはずなのに、チェルシーってば何を回しているの?
受け取った女生徒が怪訝そうな表情で手紙を広げ――さっと目を通すとギョッとした顔でアリスを見た。
え?
私!?
その後も、手紙が回ってきた生徒は全員が驚いた様子を見せ、アリスの方をわざわざ確認する者が何名もいた。
一体何が書かれているのだろうと気になっていたら、とある一人の生徒が手紙を床に落とし、先生に拾われてしまった。
あちゃー、絶体絶命じゃない?
チェルシーも怒られたりしてね。
ドキドキしながら先生の様子を伺っていたら――なんと、先生まで目を丸くしてアリスの方を見るではないか!
もうっ!
何が書いてあるのかますます気になるじゃん!!
そのまま先生は何事もなかったように、手紙を落とした生徒の机に置いている。
アリスはチェルシーまで手紙が戻ってくるのをジレジレしながら待つと、勢い良く手紙を奪い取ってやった。
開くとそこには――
『ヒロインのアリスは、ときラビ未プレイです。ハッピーエンドへ導く為に、みんなも協力してあげてネ!! チェルシー』
なんだこれは……。
驚いてチェルシーを見たら、ニカッとピースサインが返ってきた。
なるほど、クラスメイトに協力を仰いだらしい。
――余計なことを!
しかし、クラスメイトたちは『任せとけ!』みたいな空気を醸し、誰も授業なんて聞いていない雰囲気である。
先生すら心ここに在らずと言った有り様で、おかしなムードのまま授業は終了してしまったのだった。
「ちょっと、チェルシー! 何やってるのよ!!」
「あ、私お手洗いに行きたいなー。アリス様も一緒に行きましょう! ね?」
文句を言うはずが、休憩時間のアリスは自然とチェルシーとトイレに行く流れになっていた。
おかしいわ。
何か策略に乗せられているような、嫌な予感を感じる……。
考え事をしていたアリスは、廊下の影から突然現れた大柄な男性にぶつかってしまった。
「きゃっ!」
「悪い! 前を見ていなかった。大丈夫か? 怪我はないか?」
床に倒れこみそうになっアリスを、大きな手と逞しい腕が支えてくれる。
お腹に響くような低い声だ。
「私こそ考え事をしていてすみません」
手を借りて元の体勢に戻ると、頑丈そうな胸板が目の前に迫っている。
随分背の高い男性だと思いながら顔を上げたら、そこにはネイビーブルーの髪を短く切り揃えた、清潔感のある凛々しい顔があった。
一見体型がゴツい為、大きくて怖い人に見えるのだが、心配する様子からも優しい人柄が窺える。
「いや、完全にオレが悪い。見たところ平気そうだが、具合が悪くなったら言いに来てくれ。せっかくの綺麗な制服を汚すところだった」
「あ、今日編入してきた一年のアリスです。もう大丈夫ですので、お気遣いなく」
アリスはもちろん気付いていた。
この男子生徒も攻略対象者に違いないと……。
だって、イケメンなんだもん。
出会い方もありきたり過ぎる!
これはさっさと終わらせて、離れるのが賢明ってやつだわ。
「それでは、失礼します」
さりげなく立ち去ろうとしたのに、呼び止められてしまった。
「待て。オレは二年のジェイルだ。今は急いでいるから、放課後にでも様子を見にクラスに行く。何組だ?」
「そんな、本当に大丈……」
「B組です!」
チェルシーが溌剌と答えている。
そうだった、この子がいたんだった……。
「わかった、B組な。じゃあまた後でな」
足早にジェイルが去っていき、アリスはチェルシーを睨んだ。
「さすが騎士団長の息子! 逞しくて素敵!!」
「やっぱりね! そうだと思ったわ!」
苛立ち紛れの怒った声で言ったのにチェルシーは意にも介さず、「じゃあ教室に戻りましょうか」とスキップしながらいま来た廊下を戻り始めた。
「ちょっ、お手洗いは? お手洗いに行くんじゃなかったの?」
「もう目的は果たしたのでいいんです。あ、アリス様は行きたかったらご自由に」
なんてやつだ!
いよいよ腹を立てたアリスは、一人ドスドス足音を立てながらトイレに向かったのだった。
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