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強制力なんて怖くない!
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王子の婚約者最終候補まで残ってしまったエラリアは、いよいよ小説の強制力という、見えない恐ろしい力を目の当たりにし、その影響力に慄いていた。
今までかなり傍若無人な態度をとり、候補から落とされるように仕向けた結果がこれである。
エラリアはベッドの中で震えるしかなかった。
なんで?
やっぱり強制力には抗えないように出来ているの?
でも、オーキスと結婚したら、オーガストを想う私のこの気持ちはどうしたらいいの?
もはや「サレ妻」になりたくないという気持ちよりも、オーガストと結ばれないという事実が辛くて堪らない。
頭に浮かぶのは、この四年の間に少年から青年へと変化していったオーガストのことばかりだった。
かつてそんなに変わらなかった二人の身長差は、気付けば二十センチほどになり、オーガストの体つきもいつの間にかがっしりと逞しくなっていた。
焦げ茶色の髪はもちろんそのままだが、顔は成長と共にどんどん凛々しくなり、ブルーサファイアの瞳と形の良い鼻梁が目を惹く立派な令息に成長した。
もしオーガストが令嬢の集団の中に現れたら、絶対もみくちゃにされるほどの大人気に決まっているわ。
だって、性格までいいんだもの。
王子のオーキスなんてライバルにもならないわね。
いまだにオーキスを間近で見たことのないエラリアは、その顔すら判別出来ず、金髪しか印象に残っていない為、容姿で比べることは不可能だ。
話したことがないのだから、性格だって知る由もないのだが、将来浮気をするという点だけでも彼女にとっては嫌悪感の対象でしかなく、心を占めるのはオーガストただ一人だった。
オーキスと違って、オーガストは真面目で性格も穏やかだし、はにかむと可愛いのよ。
きっとオーガストは、たった一人の女性を生涯大切にするのでしょうね……。
どうしてそれが私じゃないのかしら?
オーガストから貰った髪飾りを胸に抱きしめながら、その日エラリアは朝まで泣いたのだった。
◆◆◆
翌日、一晩泣いてすっきりしたエラリアは、もう一度だけ頑張ってみることにした。
強制力は恐ろしいが、告白もしない内にオーガストを諦めることなんて出来ないと気付いたからだ。
エラリアは、勝負に出ることにした。
最終選考は、いよいよオーキスとの一対一での対面となり、一人ずつ執務室で行われるらしい。
個人面談みたいなものだろう。
その場で、エラリアはオーキスに王子妃候補から降ろして欲しいと直談判するつもりだった。
他に好きな人がいると伝えれば、妻にすることに多少は躊躇してもらえるのではないかと考えたのだ。
最悪、それでも妻に決まり、夫婦仲が最初から険悪になり、オーキスの浮気を早めることになったとしても、女は度胸とエラリアは開き直った。
いつでも来い!とドンと構えたエラリアだったが、もう一人の候補者の予定もあり、しばらく選考会が行われないまま時は流れた。
◆◆◆
ヤキモキしたまま、エラリアは十五歳を迎えた。
そして、最終選考の予定も突如舞い込んできた。
いよいよね!
時間があったおかげで、シミュレーションはバッチリよ!
先手必勝、最初が肝心ね!!
当日、お気に入りの勝負ドレスに、オーガストから贈られた髪飾りを付け、エラリアは意気揚々と城へ向かった。
もう後がないのだ。
ここで強制力を断ち切り、オーガストとの未来を掴み取ってみせる!
オーキスの執務室の扉を威勢よく叩き、入室の許可と共に部屋に乗り込んだエラリアは、視界に金色の髪が写った途端に思いっきり頭を下げた。
「ごめんなさい! 好きな人がいるので、オーキス殿下とは結婚出来ません。王子妃候補を降ろさせてください!!」
「エラリア……やっぱり駄目か。自分の意志で生きたいって言っていたしな。でも好きな人がいたなんて、悔しいな……」
罰を受けることも覚悟し、どんな誹りを受けるかと身構えていたエラリアの耳に入ってきたのは、とても聞き覚えのある声だった。
あら?
オーガストのことを考え過ぎて、全てが彼の声に聞こえる病にでもかかっているのかしら?
それに、自分の意志で生きたいって、昔オーガストに言った言葉じゃない?
そろそろと顔を上げると、オーキスと初めて目が合ったーーと思ったが、何故かオーキスはオーガストの顔をしている。
「あれ? なんでオーガストがここにいるの? でも髪が金髪……ってことは」
「ごめん、黙ってて。僕は……」
「オーガストってもしかして、第四王子なの!?」
「ぶはっ」
閃いたとばかりにポンと手を叩いたエラリアを見て、オーガストと壁際に控えている侍女らしき女性が吹き出した。
オーガストなんて、大笑いし過ぎてヒーヒー言っている。
「ちょっと、そんなに笑わなくてもいいじゃない」
「ご、ごめん。だって、そんな勘違いをするとは思わなくて」
「どこが違うのよ」
「全部違うよ。だって、僕は第三王子のオーキスだから。名前を偽っていてごめん」
えええええっ!!
オーガストがオーキスですって!?
「嘘! オーガストは髪が焦げ茶色だったもの」
「あれは魔道具で変えていただけで、これが地毛なんだ」
「私がお茶会を抜け出すといつも庭園にいたじゃない」
「ああ、それはエラリアに会いたくて僕も茶会から逃げていたから。着替えて、髪色を変えて登場するのは大変だったよ」
「なるほど、だから衣服が乱れていたり、息が切れていたのね」
って、辻褄が合ったからといって、納得出来るものでもない。
これではエラリアはずっと騙されてきたということではないか。
「なんで騙していたの? 王子様のおふざけなら怒るわよ?」
「ち、違うよ! 出会った時は、僕も急に婚約者候補を決める為の顔合わせだって言われて、嫌で髪色を変えて逃げてしまったんだ。そうしたら庭園に君が現れて……。自分の意見をきちんと言える姿が眩しくて、また会いたいと思ったんだ。それからは庭園で会うたびにエラリアに惹かれていって……」
「そうなの? 言ってくれたら良かったのに」
「言えないよ! 正体がばれてしまったら、王子に会いたくないエラリアはもう来てくれなくなると思ったし」
確かに、エラリアもオーガストに会えなくなるのを恐れて、話せないことが多かったのだからお互い様だ。
「言えなくさせたのは私だったのね。ごめんなさい」
「それはいいんだ。でも、エラリアには好きな相手がいたんだね」
「そんなの、オーガストに決まっているじゃない! あ、オーキス殿下だったけど」
「エラリア! じゃあ、王子の僕とでも結婚してくれる? 僕はエラリアじゃないと嫌なんだ」
「オーキス殿下……!」
「エラリア……!」
と、二人の気分が盛り上がったところで、エラリアは重要なことを思い出した。
もちろん、オーキスが結婚後に浮気をすることである。
「やっぱり駄目よ。あなたは浮気をするもの!」
「は? 僕が浮気? するわけがないよ!」
「いえ、するのよ。シャーロットが現れたら、途端に私を捨てるんだから!!」
エラリアが浮気相手の名前を持ち出し、ビシッと宣言
すると、何故か壁の方から声がした。
「え? 私!?」
見ると、侍女のお仕着せ姿の可愛らしい女の子が、アワアワと動揺している。
「あ、申し訳ございません。つい名前が一緒だったので……」
「あなた、シャーロットって言うの?」
見つけた!
まさか、こんな身近に居たとはね!
言わんこっちゃ無いと、エラリアがオーキスを睨み付けたが、彼はキョトンとしている。
「彼女は確かにシャーロットと言う名前だけど、兄上の婚約者だよ?」
「え? 兄上?」
聞けば、シャーロットは第二王子オーバルの婚約者に内々に決まっているらしい。
元々行儀見習いで城に上がった伯爵令嬢だったが、いつもお茶会で姿をくらますオーキスを探し回る役目をオーバルに労われているうちに恋が芽生えたとか。
なんだ、それは。
それでは自分達が彼らの恋のキューピッドではないか。
「エラリア、僕は君だけをずっと愛し続けると誓うよ。いつも笑顔でいて欲しいし、僕もエラリアの前だけでは自分らしくいられるんだ」
「オーキス……私もあなたが大好きよ!」
「エラリア! 君を諦めなくて良かった。王子の僕を避けているのはわかっていたけど、どうしても妃になって欲しくて候補から落とせずにいたんだ」
強制力じゃなかったんかーい!
私の苦労って……。
エラリアは心の中で突っ込んでいたが、王子妃候補に残っていたことこそが、彼の愛情の証だったのだ。
なんだかホッとしたのと、馬鹿馬鹿しく思えてきたのとで力の抜けたエラリアを、オーキスが優しく抱き留めてくれる。
「兄上が結婚した後になるけど、エラリアと結婚出来る日が待ち遠しいよ。これからは婚約者として何でも話して欲しい」
「そうね。私も話したいことがたくさんあるわ。ところでオーキスって歳はいくつなの? 誕生日は?」
「え、そこから!?」
耳元でクスクス笑うオーキスの声がくすぐったくも心地良い。
視界に入る金色の髪にももう抵抗感は感じなかった。
これからはもっと会話をして、オーキスに寄り添って生きていこう。
きっと夫婦ってそういうものだから。
そして、それが浮気を防ぐことにも繋がるのかもしれない。
『強制力なんて怖くない!』
エラリアはオーキスの腕の中で、幸せに包まれながらそう思ったのだった。
終わり
今までかなり傍若無人な態度をとり、候補から落とされるように仕向けた結果がこれである。
エラリアはベッドの中で震えるしかなかった。
なんで?
やっぱり強制力には抗えないように出来ているの?
でも、オーキスと結婚したら、オーガストを想う私のこの気持ちはどうしたらいいの?
もはや「サレ妻」になりたくないという気持ちよりも、オーガストと結ばれないという事実が辛くて堪らない。
頭に浮かぶのは、この四年の間に少年から青年へと変化していったオーガストのことばかりだった。
かつてそんなに変わらなかった二人の身長差は、気付けば二十センチほどになり、オーガストの体つきもいつの間にかがっしりと逞しくなっていた。
焦げ茶色の髪はもちろんそのままだが、顔は成長と共にどんどん凛々しくなり、ブルーサファイアの瞳と形の良い鼻梁が目を惹く立派な令息に成長した。
もしオーガストが令嬢の集団の中に現れたら、絶対もみくちゃにされるほどの大人気に決まっているわ。
だって、性格までいいんだもの。
王子のオーキスなんてライバルにもならないわね。
いまだにオーキスを間近で見たことのないエラリアは、その顔すら判別出来ず、金髪しか印象に残っていない為、容姿で比べることは不可能だ。
話したことがないのだから、性格だって知る由もないのだが、将来浮気をするという点だけでも彼女にとっては嫌悪感の対象でしかなく、心を占めるのはオーガストただ一人だった。
オーキスと違って、オーガストは真面目で性格も穏やかだし、はにかむと可愛いのよ。
きっとオーガストは、たった一人の女性を生涯大切にするのでしょうね……。
どうしてそれが私じゃないのかしら?
オーガストから貰った髪飾りを胸に抱きしめながら、その日エラリアは朝まで泣いたのだった。
◆◆◆
翌日、一晩泣いてすっきりしたエラリアは、もう一度だけ頑張ってみることにした。
強制力は恐ろしいが、告白もしない内にオーガストを諦めることなんて出来ないと気付いたからだ。
エラリアは、勝負に出ることにした。
最終選考は、いよいよオーキスとの一対一での対面となり、一人ずつ執務室で行われるらしい。
個人面談みたいなものだろう。
その場で、エラリアはオーキスに王子妃候補から降ろして欲しいと直談判するつもりだった。
他に好きな人がいると伝えれば、妻にすることに多少は躊躇してもらえるのではないかと考えたのだ。
最悪、それでも妻に決まり、夫婦仲が最初から険悪になり、オーキスの浮気を早めることになったとしても、女は度胸とエラリアは開き直った。
いつでも来い!とドンと構えたエラリアだったが、もう一人の候補者の予定もあり、しばらく選考会が行われないまま時は流れた。
◆◆◆
ヤキモキしたまま、エラリアは十五歳を迎えた。
そして、最終選考の予定も突如舞い込んできた。
いよいよね!
時間があったおかげで、シミュレーションはバッチリよ!
先手必勝、最初が肝心ね!!
当日、お気に入りの勝負ドレスに、オーガストから贈られた髪飾りを付け、エラリアは意気揚々と城へ向かった。
もう後がないのだ。
ここで強制力を断ち切り、オーガストとの未来を掴み取ってみせる!
オーキスの執務室の扉を威勢よく叩き、入室の許可と共に部屋に乗り込んだエラリアは、視界に金色の髪が写った途端に思いっきり頭を下げた。
「ごめんなさい! 好きな人がいるので、オーキス殿下とは結婚出来ません。王子妃候補を降ろさせてください!!」
「エラリア……やっぱり駄目か。自分の意志で生きたいって言っていたしな。でも好きな人がいたなんて、悔しいな……」
罰を受けることも覚悟し、どんな誹りを受けるかと身構えていたエラリアの耳に入ってきたのは、とても聞き覚えのある声だった。
あら?
オーガストのことを考え過ぎて、全てが彼の声に聞こえる病にでもかかっているのかしら?
それに、自分の意志で生きたいって、昔オーガストに言った言葉じゃない?
そろそろと顔を上げると、オーキスと初めて目が合ったーーと思ったが、何故かオーキスはオーガストの顔をしている。
「あれ? なんでオーガストがここにいるの? でも髪が金髪……ってことは」
「ごめん、黙ってて。僕は……」
「オーガストってもしかして、第四王子なの!?」
「ぶはっ」
閃いたとばかりにポンと手を叩いたエラリアを見て、オーガストと壁際に控えている侍女らしき女性が吹き出した。
オーガストなんて、大笑いし過ぎてヒーヒー言っている。
「ちょっと、そんなに笑わなくてもいいじゃない」
「ご、ごめん。だって、そんな勘違いをするとは思わなくて」
「どこが違うのよ」
「全部違うよ。だって、僕は第三王子のオーキスだから。名前を偽っていてごめん」
えええええっ!!
オーガストがオーキスですって!?
「嘘! オーガストは髪が焦げ茶色だったもの」
「あれは魔道具で変えていただけで、これが地毛なんだ」
「私がお茶会を抜け出すといつも庭園にいたじゃない」
「ああ、それはエラリアに会いたくて僕も茶会から逃げていたから。着替えて、髪色を変えて登場するのは大変だったよ」
「なるほど、だから衣服が乱れていたり、息が切れていたのね」
って、辻褄が合ったからといって、納得出来るものでもない。
これではエラリアはずっと騙されてきたということではないか。
「なんで騙していたの? 王子様のおふざけなら怒るわよ?」
「ち、違うよ! 出会った時は、僕も急に婚約者候補を決める為の顔合わせだって言われて、嫌で髪色を変えて逃げてしまったんだ。そうしたら庭園に君が現れて……。自分の意見をきちんと言える姿が眩しくて、また会いたいと思ったんだ。それからは庭園で会うたびにエラリアに惹かれていって……」
「そうなの? 言ってくれたら良かったのに」
「言えないよ! 正体がばれてしまったら、王子に会いたくないエラリアはもう来てくれなくなると思ったし」
確かに、エラリアもオーガストに会えなくなるのを恐れて、話せないことが多かったのだからお互い様だ。
「言えなくさせたのは私だったのね。ごめんなさい」
「それはいいんだ。でも、エラリアには好きな相手がいたんだね」
「そんなの、オーガストに決まっているじゃない! あ、オーキス殿下だったけど」
「エラリア! じゃあ、王子の僕とでも結婚してくれる? 僕はエラリアじゃないと嫌なんだ」
「オーキス殿下……!」
「エラリア……!」
と、二人の気分が盛り上がったところで、エラリアは重要なことを思い出した。
もちろん、オーキスが結婚後に浮気をすることである。
「やっぱり駄目よ。あなたは浮気をするもの!」
「は? 僕が浮気? するわけがないよ!」
「いえ、するのよ。シャーロットが現れたら、途端に私を捨てるんだから!!」
エラリアが浮気相手の名前を持ち出し、ビシッと宣言
すると、何故か壁の方から声がした。
「え? 私!?」
見ると、侍女のお仕着せ姿の可愛らしい女の子が、アワアワと動揺している。
「あ、申し訳ございません。つい名前が一緒だったので……」
「あなた、シャーロットって言うの?」
見つけた!
まさか、こんな身近に居たとはね!
言わんこっちゃ無いと、エラリアがオーキスを睨み付けたが、彼はキョトンとしている。
「彼女は確かにシャーロットと言う名前だけど、兄上の婚約者だよ?」
「え? 兄上?」
聞けば、シャーロットは第二王子オーバルの婚約者に内々に決まっているらしい。
元々行儀見習いで城に上がった伯爵令嬢だったが、いつもお茶会で姿をくらますオーキスを探し回る役目をオーバルに労われているうちに恋が芽生えたとか。
なんだ、それは。
それでは自分達が彼らの恋のキューピッドではないか。
「エラリア、僕は君だけをずっと愛し続けると誓うよ。いつも笑顔でいて欲しいし、僕もエラリアの前だけでは自分らしくいられるんだ」
「オーキス……私もあなたが大好きよ!」
「エラリア! 君を諦めなくて良かった。王子の僕を避けているのはわかっていたけど、どうしても妃になって欲しくて候補から落とせずにいたんだ」
強制力じゃなかったんかーい!
私の苦労って……。
エラリアは心の中で突っ込んでいたが、王子妃候補に残っていたことこそが、彼の愛情の証だったのだ。
なんだかホッとしたのと、馬鹿馬鹿しく思えてきたのとで力の抜けたエラリアを、オーキスが優しく抱き留めてくれる。
「兄上が結婚した後になるけど、エラリアと結婚出来る日が待ち遠しいよ。これからは婚約者として何でも話して欲しい」
「そうね。私も話したいことがたくさんあるわ。ところでオーキスって歳はいくつなの? 誕生日は?」
「え、そこから!?」
耳元でクスクス笑うオーキスの声がくすぐったくも心地良い。
視界に入る金色の髪にももう抵抗感は感じなかった。
これからはもっと会話をして、オーキスに寄り添って生きていこう。
きっと夫婦ってそういうものだから。
そして、それが浮気を防ぐことにも繋がるのかもしれない。
『強制力なんて怖くない!』
エラリアはオーキスの腕の中で、幸せに包まれながらそう思ったのだった。
終わり
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