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第5章 生還編
⑧バジリスクの卵焼き
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「メリアスーっ !こらー!いたずらばっかりしてっ!待てー!」
レノが妖精と戯れている・・はあぁっ・・!
可愛い・・悶え死にそうだ・・
隣を見れば、エルフィードもすっかり気が緩んで恋する男の顔をしている。
「エルフィード・・その締まりのない顔を何とかしろ」
「いやいや、お前が言うなって話!しかし、可愛いよね・・レノ」
そんな会話をしていたら、シュウが俺たちに向かって、しらっとした表情をしてくる。
シュウは、友達だとレノは言っていた。
それは、信じたいところだ・・なら、シュウはレノをどう思っている?
妖精はレノに付きまとうし、恋敵が増えていくばかりだ・・
レノはあの一件以来、シュウにばかり執着しているように見えてならない・・そりゃあ危険を乗り越えたもの同士だ・・だがしかし!納得出来ない!
「シュウ、見てー?」
「シュウ、ちょっと来て?」
「ねえ、シュウ?」
・・たまには俺の名を呼べよ!
「はぁ・・」
それに二人はあれ以来、いつもここにいる。
こことはレノの家の事だ。本当に気に入らない。
何やら俺の分からないような話をしているし、理解出来ない物作りの構想で盛り上がっているし。
俺は窓際のテーブルに突っ伏して、2人を見ないように目を閉じた。
すると、ふわりと髪を触る感触がして顔を上げた。鼻がくっつくのではないかと思う程、近くにレノの顔があって驚いていたら、後頭部をゴツンッと小突かれ、前のめりになる。
その拍子に、俺とレノの唇がぶつかってしまった。
「レノ、すまない!今のは!」
「こらー!メリアスっ!カイルの頭を蹴っちゃダメ!本当にもう!ごめんね?カイル・・」
キス、だよな?今の・・少しは意識してくれよ・・落ち込むじゃないか・・
「カイル、疲れた?少し眠る?」
そう言って、レノが髪を撫でてくる。
「それともお腹すいた?何か食べる?」
出来たらレノと一緒に寝台で眠りたい。
そしてお前を食べたい。
「はぁ・・」
「ちょっと!カイル!?お前、今レノとキスしたよね!許せないんだけど!?」
エルフィードが俺の首を絞めてくる。
止めてくれ・・というか、キスなんて何度もしてるんだよ!
ただ、レノに意識されてないだけで・・
俺は堪らず、エルフィードの両腕を捻り上げ、床にうつ伏せさせると、馬乗りになった。
「痛ーっ!ちょっと!カイル!!この馬鹿力!!」
「うるさいっ!!」
そんな俺たちのやり取りを見て「仲が良いね」とレノが笑った。
「はい、どうぞ?」
レノが俺たちに、何やら作って差し出してきた。見るとふわふわした黄色の四角い食べ物だった。
「卵焼きだよ?食べてみて?」
俺とエルフィードは、その卵焼きとやらを摘んで口に入れた。
ふわりと柔らかい。ほんのり甘くて中がトロっとしていて、とても美味しいものだった。
「美味い!」
「美味しい!!」
「良かった、まだまだあるから!たくさん食べてね」
まさか、レノの家でレノが作ったものを食べられるなんて思っていなかった。
それに、本当に美味しい。卵がこんな風に調理されるのも、珍しくて驚いた。
「卵だけでこんな風に美味しくなるなんて、レノはすごいね!」
エルフィードが褒めると「バジリスクの卵だよ?」とレノが言った。
エルフィードはそのまま固まって、動かなくなった。ちなみに俺も、きっと同じ反応だったに違いない。
「いたずらっ子が二人いるんだな、この家には」
俺がそう言うと、レノが「ヘヘヘッ」と可愛く笑った。
その後も、誰もが美味しそうにバジリスクの卵焼きを食べた。
レノもシュウも、あれほど大変な思いをしたにも関わらずに・・
「ほら、熱いから気を付けて。ふーふーだよ?」
と言って、レノは小さな欠片ほどの卵焼きを、メリアスに渡している。
メリアス・・お前こそ、自分を餌食にしようとした奴の卵だぞ・・美味しそうに食べるんじゃない!
俺はいったい、何を見せられているんだ?
何でも・・ありだな・・ 何だか理解不能な事ばかりだが・・
それでも、レノを亡くすかも知れないと覚悟したあの日から、こんな何でもない日常が幸せに感じて堪らなくなった。
レノが妖精と戯れている・・はあぁっ・・!
可愛い・・悶え死にそうだ・・
隣を見れば、エルフィードもすっかり気が緩んで恋する男の顔をしている。
「エルフィード・・その締まりのない顔を何とかしろ」
「いやいや、お前が言うなって話!しかし、可愛いよね・・レノ」
そんな会話をしていたら、シュウが俺たちに向かって、しらっとした表情をしてくる。
シュウは、友達だとレノは言っていた。
それは、信じたいところだ・・なら、シュウはレノをどう思っている?
妖精はレノに付きまとうし、恋敵が増えていくばかりだ・・
レノはあの一件以来、シュウにばかり執着しているように見えてならない・・そりゃあ危険を乗り越えたもの同士だ・・だがしかし!納得出来ない!
「シュウ、見てー?」
「シュウ、ちょっと来て?」
「ねえ、シュウ?」
・・たまには俺の名を呼べよ!
「はぁ・・」
それに二人はあれ以来、いつもここにいる。
こことはレノの家の事だ。本当に気に入らない。
何やら俺の分からないような話をしているし、理解出来ない物作りの構想で盛り上がっているし。
俺は窓際のテーブルに突っ伏して、2人を見ないように目を閉じた。
すると、ふわりと髪を触る感触がして顔を上げた。鼻がくっつくのではないかと思う程、近くにレノの顔があって驚いていたら、後頭部をゴツンッと小突かれ、前のめりになる。
その拍子に、俺とレノの唇がぶつかってしまった。
「レノ、すまない!今のは!」
「こらー!メリアスっ!カイルの頭を蹴っちゃダメ!本当にもう!ごめんね?カイル・・」
キス、だよな?今の・・少しは意識してくれよ・・落ち込むじゃないか・・
「カイル、疲れた?少し眠る?」
そう言って、レノが髪を撫でてくる。
「それともお腹すいた?何か食べる?」
出来たらレノと一緒に寝台で眠りたい。
そしてお前を食べたい。
「はぁ・・」
「ちょっと!カイル!?お前、今レノとキスしたよね!許せないんだけど!?」
エルフィードが俺の首を絞めてくる。
止めてくれ・・というか、キスなんて何度もしてるんだよ!
ただ、レノに意識されてないだけで・・
俺は堪らず、エルフィードの両腕を捻り上げ、床にうつ伏せさせると、馬乗りになった。
「痛ーっ!ちょっと!カイル!!この馬鹿力!!」
「うるさいっ!!」
そんな俺たちのやり取りを見て「仲が良いね」とレノが笑った。
「はい、どうぞ?」
レノが俺たちに、何やら作って差し出してきた。見るとふわふわした黄色の四角い食べ物だった。
「卵焼きだよ?食べてみて?」
俺とエルフィードは、その卵焼きとやらを摘んで口に入れた。
ふわりと柔らかい。ほんのり甘くて中がトロっとしていて、とても美味しいものだった。
「美味い!」
「美味しい!!」
「良かった、まだまだあるから!たくさん食べてね」
まさか、レノの家でレノが作ったものを食べられるなんて思っていなかった。
それに、本当に美味しい。卵がこんな風に調理されるのも、珍しくて驚いた。
「卵だけでこんな風に美味しくなるなんて、レノはすごいね!」
エルフィードが褒めると「バジリスクの卵だよ?」とレノが言った。
エルフィードはそのまま固まって、動かなくなった。ちなみに俺も、きっと同じ反応だったに違いない。
「いたずらっ子が二人いるんだな、この家には」
俺がそう言うと、レノが「ヘヘヘッ」と可愛く笑った。
その後も、誰もが美味しそうにバジリスクの卵焼きを食べた。
レノもシュウも、あれほど大変な思いをしたにも関わらずに・・
「ほら、熱いから気を付けて。ふーふーだよ?」
と言って、レノは小さな欠片ほどの卵焼きを、メリアスに渡している。
メリアス・・お前こそ、自分を餌食にしようとした奴の卵だぞ・・美味しそうに食べるんじゃない!
俺はいったい、何を見せられているんだ?
何でも・・ありだな・・ 何だか理解不能な事ばかりだが・・
それでも、レノを亡くすかも知れないと覚悟したあの日から、こんな何でもない日常が幸せに感じて堪らなくなった。
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