悶える首輪

萩原　操

文字の大きさ

大中小

3 / 15

第3章

出会い（３）

しおりを挟む

彼女からはご自身の日常の性生活や自らの性癖にも話しが及びます

彼女ご自身はクラブでの仕事から離れてもマゾ女性をご自宅で通いで飼育調教しており　マゾ女性飼育調教の日常の基本はショー出演させる主たる仕事にて　休みの時はマゾ女を連れて温泉や日帰り外出による可能な限りの日常的調教が継続されていた　

しかし彼女の話しによればレズビアンでなく素人の性癖を見極めたうえでイチからマゾに育て　クラブでのショー出演やプライベートペットとして飼育されていた

彼女ご自身の話では女性でも男性でも飼育・調教するのが生得の性癖であったらしい　

当たり前の性には興味なかったようだったが　後に私が目にし感じた限りでは　飼育していたマゾ女性（雌犬）との関係は　心底では愛情と信頼でつながっていたように思える

マゾ女性をご自宅に呼ばれた時は大型犬用檻にマゾ女性を飼い犬雌犬として訓練調教されていた　後には私もその檻に入れられ訓練される事になるのだが・・・

私のアルバイトは予想通りのショー出演だ　しかしすぐには出演はできず　二ヶ月間訓練・調教され　彼女の判断で合格した場合にのみクラブ出演させられる話しであり　必ずクラブでのアルバイトが可能というわけではなかった

訓練調教期間での結果次第であり彼女の判断が全てで　クラブも彼女に一任していたのである　二ヶ月間は彼女のポケットマネーで　多くはなかったのですがアルバイト料としていただく事はできた　

ショー出演ではクラブから一回あたり五万程　五万という金額は当時では大金です　しかも一回のみ　彼女によれば一日に昼と夜の２回の場合もあり　一日で十万になる事もあり　貧乏学生にとっては一日のアルバイト料で二ヶ月の生活が可能な金額である

悪夢のアルバイト内容だが　アルバイト料の輝ける夢に勝る環境はあるのか　私は葛藤の綱引きに悪夢と未来の重みを推し量っていた

さらに女性客様がショーに参加され　女性客様による私への鞭責めとお客様ご聖水を私が拝受すればそれぞれに特別金を頂ける話しもあった　

聖水が女性の尿と知った時は私には不思議と驚きも嫌悪感もなく　SMの性的心理をむしろ理解していたのである

彼女は私の悩み葛藤を推量し　私の心を彼女の手のひらでもて遊ぶかのように話しを進めてくる

聖水という単語をお聞きした時は意味わからず聞き直した時の彼女は満面の笑顔で　私の無知な純白さを喜ばれた

彼女にとっては調教のやりがいを感じていたのかもしれない　調教による人格または性癖の改造への執着は彼女の性癖でもあった

彼女からアルバイトの話が終わった時は私はアルバイト料では良き夢を見　アルバイト内容では悪夢を見ているかのような茫洋とした気持ちでいたが　股間だけは正直な変化を顕していた

彼女は私の心はもちろん股間の変化は私の表情とテーブル下での彼女の膝から全てを把握し　勝ち誇ったかのような余裕を見せていた

私の意志は一週間後に同じ飲み屋で再会し彼女に伝える事を約束し別れたのですが　私の気持ちはアルバイト料の金額と性への欲望からほぼ決まっていた　しかし決めるまでの時間を妄想にて愉しみたかった

思いもよらない機会を得て思いもよらない性の世界　思いもよらないアルバイト料　全てが私の現実から乖離した現実の別世界が目の前に顕れようとしていたのである

一週間後に同じ飲み屋で彼女に再会した私はアルバイトを受ける返事をし　私はSMの世界に踏み出す事になった

彼女は笑顔で「知らない世界だろうけど私を信じついて来なさい」この短い言葉には私を説得した自信に溢れていた

私からのアルバイトを受ける条件はショーではマスク装着により顔は一切見せないという条件にて了解を取り　彼女からはご自宅と野外で意識・振る舞い・言葉使いなど指導と調教の後に私がショーに出演できるマゾ犬と彼女が認めるまで　通いと宿泊調教をくりかえすことを宣告された

訓練期間は最長二ヶ月となった

この日から私は彼女のことを調教師様とお呼びすることになったのは言うまでもない

しおりを挟む