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ありさは何故……? そして。
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「わ、渡したって、あんなん素敵なモンを!」
蜜柑は驚いて目が飛び出しそうなほど見開いている。
香也も激しく横で頷いた。
亜央佳は黙って何かを考えているようだ。
「ありさ真面目だからねー」
「不審者の証拠だからって提出したんだろうね」
翠の言葉を継いで茜が言う。
「確かに、彼女は学級委員だという立場にかなり拘っているみたいだしね。これでハッキリしたわね。理由が」
亜央佳が言葉を選ぶように推測してみせた。
何だかソワソワしてきて、香也は思わずこう言った。
「取り返そうよ花の種!」
一瞬その場はしーん、となった。
茜が困ったように翠を見、その翠は蜜柑を見る。
蜜柑は驚きで固まったままだし、亜央佳に至っては眼鏡拭きで眼鏡を磨きだした。
三者三様の反応に、逆に香也が慌てた。
「な、みんなどうしたの?」
「いや~」
と蜜柑がフリーズ状態から動いて困っている。
「香也なら言い出しそうとは思ったけれど」
眼鏡を掛け直して亜央佳が続けた。
「本当に言い出すとは~」
「香也ちゃんって意外とファイティングなんだね」
翠と茜に至っては苦笑している。
「どうして。だって花の種は特別なものだよ! 取り戻さないと!」
香也は居ても立っても居られないという思いでいっぱいだ。
だからとても真剣に言ったのだ。
「そんなの分かってるわ」
「香也の思いは痛いほど解ってるつもりやよ」
「じゃあ!」
亜央佳の眼鏡がきらりと輝いた。
「作戦を練りましょう」
彼女の口元は笑みが浮かんでいる。
「さっすが女策士の眼鏡女王や!」
「亜央佳お願い!」
三人は額を寄せ合って相談し始めた。
「動物トリオ団、始動だね~」
「そうだね。うちらは静観してようか」
そんな三人に翠と茜が感想を言っていると。
「翠と茜も参加必須だからね」
ビシッと亜央佳からコメントが飛んできた。
「「えー!」」
二人の口から情けない声がでたのだった。
蜜柑は驚いて目が飛び出しそうなほど見開いている。
香也も激しく横で頷いた。
亜央佳は黙って何かを考えているようだ。
「ありさ真面目だからねー」
「不審者の証拠だからって提出したんだろうね」
翠の言葉を継いで茜が言う。
「確かに、彼女は学級委員だという立場にかなり拘っているみたいだしね。これでハッキリしたわね。理由が」
亜央佳が言葉を選ぶように推測してみせた。
何だかソワソワしてきて、香也は思わずこう言った。
「取り返そうよ花の種!」
一瞬その場はしーん、となった。
茜が困ったように翠を見、その翠は蜜柑を見る。
蜜柑は驚きで固まったままだし、亜央佳に至っては眼鏡拭きで眼鏡を磨きだした。
三者三様の反応に、逆に香也が慌てた。
「な、みんなどうしたの?」
「いや~」
と蜜柑がフリーズ状態から動いて困っている。
「香也なら言い出しそうとは思ったけれど」
眼鏡を掛け直して亜央佳が続けた。
「本当に言い出すとは~」
「香也ちゃんって意外とファイティングなんだね」
翠と茜に至っては苦笑している。
「どうして。だって花の種は特別なものだよ! 取り戻さないと!」
香也は居ても立っても居られないという思いでいっぱいだ。
だからとても真剣に言ったのだ。
「そんなの分かってるわ」
「香也の思いは痛いほど解ってるつもりやよ」
「じゃあ!」
亜央佳の眼鏡がきらりと輝いた。
「作戦を練りましょう」
彼女の口元は笑みが浮かんでいる。
「さっすが女策士の眼鏡女王や!」
「亜央佳お願い!」
三人は額を寄せ合って相談し始めた。
「動物トリオ団、始動だね~」
「そうだね。うちらは静観してようか」
そんな三人に翠と茜が感想を言っていると。
「翠と茜も参加必須だからね」
ビシッと亜央佳からコメントが飛んできた。
「「えー!」」
二人の口から情けない声がでたのだった。
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