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とにかく、授業

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「どういうなっているの?」
今度は私は口に出して言った。
亜央佳と蜜柑は、お互いを見ては「ついついお互いに知っていたことに反応しちゃった」と話している。
(そうだ、さっき私から話す、って何か言ってたっけ)
後ろでの騒ぎも気になるが、亜央佳と蜜柑の方も気になる。
「亜央佳、蜜柑……」
声を掛けようとした途端、チャイムが鳴った。
担任の先生が挨拶をしながら教室に入って来る。
皆が慌てて席に着くと、学級委員の女子が立ち上がった。
「起立、礼!」
「「「おはようございます」」」
いつもの様に、ホームルームが始まってしまった。
担任の先生は、出席番号と名前を読みながら一人一人の顔を見渡している。
「十二番、鹿野香也さん」
「はい」
自分の番が終わるとホッとする。
そして、それこそいつもの様にホームルームも先生の注意事項で終わるはずだった。
「えー今日はもう一つ注意事項があるわ。昨日から、校区内で不審者情報が出ています。下校時には気を付ける様に!」
「「「はーい!」」」
(まさか、あの女の人じゃあ……)
私はつい、あの女の人を思い浮かべてしまっていた。
担任の先生が出ていくと、早速、お喋りしたいが生憎、次に時間割は体育だった。
一時間目から体育とは、ラッキーなんだかそうじゃないのかは人によって分かれるところだろう。
とにかく、急いで着替えなければ。
皆がバタバタと教室を出て更衣室に向かう。
私も、体操着バッグを抱えて、亜央佳と蜜柑と一緒に更衣室に向かった。



「……蜜柑、香也」
「花の種のことね」
「香也もやっぱり……」
「うん。貰った。女の人に」
「ウチもウチも!」

「鳥田、鹿野、熊沢! 授業中だぞ!」

体育の授業始まってしばらく、私たち三人はすぐにヒソヒソと話し始めたが。
今日の授業は跳び箱。
体育の先生に、すぐに見つかって三人揃って叱られてしまった。
やはり、お昼休みまで待つしかないかな……。
こっそり合図を送ると、亜央佳と蜜柑が頷いた。

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