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第9話 不思議な感覚
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三つ子は同時に声を上げた。
そこに立っていたのは三つ子と同じ背丈の子どもだった。
だが三人が声を上げたのはそれだけではなかった。
「……お前」
晴が目を見開く。
目の前の子どもは男か女かが分からない顔立ちをしている。
服装はいかにもファンタジー漫画に出てくる様な恰好。
髪は灰色で目も同じ色をしていた。
しかし、晴を急に襲ったのは何処かでこの子供に会ったような、そんな感覚だった。
(この感じ何なんだ……?)
思わず胸を押さえて晴は眉根を寄せた。
横を見ると、全く同じ動作を雪も雨もしていた。
苦しそうな表情を浮かべている。
「あの、どうしたの苦しいの……?」
沈黙に耐えきれなかったのか、子どもが声を発した。
その声に、さらに胸が苦しくなる。
「雪ちゃん……」
雨が泣きそうな声で雪を呼んだ。
雪は下を向いて、両手で胸を押さえて何も言わない。
晴だって何か言わなきゃ胸が張り裂けそうな思いでいっぱいだった。
が言葉が不思議と出てこない。
いや、この感覚は本当に一体……?
黙ったままの三つ子に対して子どもはオロオロとして左右を見る。
「あの、あの」
戸惑う子どもが腰のベルトに付いている箱から何かを取り出した。
その拍子に何かが地面にポトリと落ちた。
「落ちたよ?」
咄嗟に拾った雨が落とし物を子どもに差し出そうとする。
ガッ!
「待って雨‼」
その手を雪がすごい勢いで掴む。
雪の手がブルブルと震えている。
「どうしたの雪ちゃん?」
不思議そうに首を傾ける雨に対して雪が晴を振り返った。
「晴! 見て!」
雨の手ごとこちらにむけられた落とし物に晴は本当に雷に打たれたかのような衝撃が体に走った。
そこに立っていたのは三つ子と同じ背丈の子どもだった。
だが三人が声を上げたのはそれだけではなかった。
「……お前」
晴が目を見開く。
目の前の子どもは男か女かが分からない顔立ちをしている。
服装はいかにもファンタジー漫画に出てくる様な恰好。
髪は灰色で目も同じ色をしていた。
しかし、晴を急に襲ったのは何処かでこの子供に会ったような、そんな感覚だった。
(この感じ何なんだ……?)
思わず胸を押さえて晴は眉根を寄せた。
横を見ると、全く同じ動作を雪も雨もしていた。
苦しそうな表情を浮かべている。
「あの、どうしたの苦しいの……?」
沈黙に耐えきれなかったのか、子どもが声を発した。
その声に、さらに胸が苦しくなる。
「雪ちゃん……」
雨が泣きそうな声で雪を呼んだ。
雪は下を向いて、両手で胸を押さえて何も言わない。
晴だって何か言わなきゃ胸が張り裂けそうな思いでいっぱいだった。
が言葉が不思議と出てこない。
いや、この感覚は本当に一体……?
黙ったままの三つ子に対して子どもはオロオロとして左右を見る。
「あの、あの」
戸惑う子どもが腰のベルトに付いている箱から何かを取り出した。
その拍子に何かが地面にポトリと落ちた。
「落ちたよ?」
咄嗟に拾った雨が落とし物を子どもに差し出そうとする。
ガッ!
「待って雨‼」
その手を雪がすごい勢いで掴む。
雪の手がブルブルと震えている。
「どうしたの雪ちゃん?」
不思議そうに首を傾ける雨に対して雪が晴を振り返った。
「晴! 見て!」
雨の手ごとこちらにむけられた落とし物に晴は本当に雷に打たれたかのような衝撃が体に走った。
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