「あなただけの喫茶店 ～不思議なマスターと不思議なお客さんたちの物語～ 」

そこは……

「はあ～、今日も疲れたなー」
会社帰りの道で、コンビニ弁当をぶら下げた私は呟いた。
今日も今日とて存分に働いた。
帰って、一人寂しくだがお弁当をお供にビールでも飲もうと画策していた。

ちょっとだけ古いアパートに辿り着くと、鍵を取り出して開ける。

ガチャリ。

「ただいま～」

そこは私の狭いが居心地の良い部屋が広がっている……はずだった。

が、

「え？」
私はびっくりして立ち止まった。
目の前の光景は、信じられない景色が広がっていた。

そこは見慣れた部屋ではなく―。