最後の人生、最後の願い

総帥

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第1章 幼少期

3 現代知識で無双はありません

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 無事(?)ここが異世界だという確証を得てから早数年。俺5歳になりました。男の子です。
 ちなみに名前はシャルトルーズ。カッコよくない?前世は文太でした。今まで日本人な名前だったから、新鮮だが反応が遅れる。最近やっっと慣れた。


 ちなみにこの世界、魔法がある!なんてファンタジー!一部の人間だけが使えるとかじゃなく、全ての人間に魔力はあるらしい。
 それを知った時の俺がどれだけテンション上がったかおわかりだろうか。
 赤ん坊でなければその場で盆踊りを始めただろう。それしか踊れないんだよ...。

 それに魔法は、身近にたくさんあった。文明レベルでいえば、現代日本の方が何倍も上だろう。
 だがしかぁーし!!!この世界には魔道具と呼ばれるものがある!!

 例えばこちらのお道具ですが、一見するとただのイヤリングに見えることでしょう。ですがなんと!こちら遠く離れた人と話ができる電話なのです!
 一瞬某有名な探偵漫画のアイテムが脳裏に浮かんだが、俺は速攻で意識の外に蹴り飛ばした。考えてはいけない。


 なにはともあれ、この生活に不自由はない。こちとら平安時代から生きてましたから。地球の文明がどんどん発達していくのを見るのは楽しかったんだよなあ。



バキッ!バカン!


 「ん?そとで、なにかきこえる...。」

 俺が思考の海に潜っていたら、何かを割るような音で引き上げられた。
 窓から外を見てみると、父親が薪を割っていた。魔法で。

 「おおーー!」


 俺はダッシュで外に向かう。まともに魔法を見たのは初めてだったのだ。


 「おとーさん!」
 
 「ん?おお、シャル。どうした?危ないからあんまり近づくなよ?」
 
 「はーい!そのかわり、とおくからみててもいい?」
 
 「ああ。面白いもんでもないが...そこから動くなよ?」


 父の許可を得て、俺はその場でまじまじと観察する。この父だが、少し見た目が怖い。
 緑色の髪をツーブロックにしており、ガタイがいい。常にサングラスをしているし、父でなければ恐らく近づきたくないと思っただろう。せめてグラサンはやめない?
 その隠された瞳は黒。母は黒髪に青い目。そして俺は、両親から受け継いだ黒髪黒目だ。

 つまんねーーー!!日本でさんっざん見飽きたわ!!顔立ちは母にそっくりだと言われてるが、つまらんったらつまらん。
 ちなみに俺には去年妹が生まれている。薄緑髪に青目だ。
 ずっりぃーーー!!それ俺が欲しかった!



 いろいろ考え事をしつつも、俺は魔法の見学を怠らない。なんつーか、やっぱゲームや映画とは違うな。
 長ったるい詠唱なんざナシ。技名を叫ぶこともなく。いや、その方がいいけどさ。
 ただ対象に手をかざすだけ。それで薪が見事に4分割。すげーな...。俺も早くできるようになりたい...。


 「ねえおとーさん。おれにも、まほーおしえて?」

 必殺!幼児のおねだり攻撃!!俺は目をキラキラさせて父に訴える。
 可愛い我が子に可愛くおねだりされたら堪らんだろう!さあ、俺に魔法を!!

 「んー?はは、まだ無理だなあ。」
 
 「えー!?」
 うっそだろ!?効かないの!?

 「もー...。じぶんでおぼえるもん...。」

 ちなみに俺、子供の演技超得意。肉体年齢に引っ張られることもあるが、基本的に中身は大人です。このように成人男性が使ったらドン引きされる言葉も自在に使いこなします。
 とぼとぼと家に戻ろうとする俺に、爆弾が落とされた。

 「ははは。お前が魔法を使ったら、こわ~いおっちゃん達に捕まるぞー?」
 
 「へ?」
 
 「ちゃんと魔法使用許可の免許を取らないとな。学校卒業しないと貰えないぞ。」
 
 「え...えぇーーーーー!!!??」






 なんじゃそりゃーーーー!!!
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