異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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877 面接

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 インデペンデンスの研究施設内に、我が家専用のエロスペースを確保する。そうと決まれば話は早かった。

 元々建設中だった研究施設の中心に人目に触れない中庭を設け、そこに転移しないとは入れない入り口を設置する。そしてそこから入った空間は全て家族だけで建設を進めた。


 ウチの家族はそれぞれがエロ別荘を建築した実績もあるし、重量軽減スキルと身体操作性補正のおかげで大工仕事も苦にならない。

 そんなわけで、家族しか知らないえっち専用スペースの建設は滞りなく進んでしまったのだった。


「……トイレと寝室だけでなく、炊事場から簡易的な入浴施設まで用意するとは思わなかったよ。ここって一応公的な研究施設の予定じゃなかった?」

「あはーっ。それ以前に建築費用は我が家が負担してるじゃなぁい。出資者側の要望って意味では可愛いくらいだと思うわよぉ? ま、コラプサーの問題が解決出来たらここも公開して解放しちゃう予定だけどねぇ」

「それにご主人様と肌を重ねる場合、入浴施設があったほうがかえって後始末が楽なんですよ。我が家のメンバーならお湯を沸かせられる人も多いですから」


 両側から抱き着いてくるティムルとシャロに、出来上がった家族専用エロスペースを簡単に案内してもらう。家族しかいないはずの空間にいるので、俺の両手は遠慮なく2人の服の中を弄っている。

 入浴用の排水設備なんかを整えてしまったら秘匿性が失われてしまいかねないけど、色々な体液が溢れる我が家のえっちの後始末を考えると、入浴設備が無い方が不都合が多いと判断したようだ。


「このスペースに入ってこられるのは、ダンと肌を重ねることを受け入れた女に限らせてもらうわぁ」

「物凄く自然に家族が増える的な発言をしないで欲しいなぁ、お姉さん?」

「ダンは他人にも公開されたスペースでデウス・エクス・マキナを披露しながら、家族だけの空間でデウス・エクス・マキナとえっちを追及して欲しいの。終焉の向こう側に進むには、貴方が幸せになりたいと思ってくれなきゃいけないですからねー?」

「これまた自然に俺のツッコミを無視しないでくれるかなぁっ!? お姉さんとえっちするのは大歓迎だけどねっ」


 抗議代わりに乳首を強めに引っ張っても、気持よさそうにうっとりとした表情を浮かべるティムル。もはや我が家の家族にえっちなお仕置きなんて通用しないのかもしれない。


「どれだけ愛情を注いでも、まだまだ足りないと私たちを求めてくれるご主人様。無限に魔力を生み出しているはずなのに、それでも更なる魔力を求めて世界を滅ぼし続けるコラプサー。やっぱり両者には因縁めいたものを感じてしまいますね」

「……流石に俺のスケベは世界を滅ぼすほどじゃないと思うけど、シャロの言うように因縁めいたものは俺自身も感じてるよ。ノーリッテやガルフェリアよりも近しいものを感じるかな」

「自身の望むものを溢れるほどにその身に宿しておきながら、それでも足りないって手を伸ばし続けるあたりもそっくりですよね。だからニーナさんがおっしゃるように、ご主人様自身を研究するというのもあながち間違いではないでしょう」


 俺に乳首をくりくりきゅっきゅっと弄られつつも、真面目な口調で俺とコラプサーの共通点を口にするシャロ。かと思えば俺の耳元に口を寄せて、毎日隅々まで調べ尽くしてあげますね……? などと甘く囁いてくるから困っちゃうんだよなぁ。

 2人のおっぱいを好き勝手に弄びながら建物内を見学し、それが終わったら一般の研究員にも開放されているエリアに移動する。今日はこれから研究員の採用面接があるので、一応俺も同席しなければいけないのだ。


 社会的立場が高めのティムルとシャロに悪戯しながら面接に臨むわけにはいかないので2人を解放し、代わりに性奴隷のルチネ達3人を侍らせて面接会場に到着する。

 中では面接の準備を終えたキュールやリュートが笑顔で出迎えてくれた。


「立ち会ってもらって悪いねダンさん。でもダンさんの妻になるかもしれない女たちをダンさん抜きで選別するわけにもいかなくってさ」

「お見合いじゃねーんだよキュールっ。大体にしてこの面接には男だって参加するんだから、誤解を生みかねない発言は控えて欲しいなぁっ!?」

「あっはっは。勿論表向きは研究者の面接をさせてもらうさ。だけどデウス・エクス・マキナを本気で研究したいなら、やっぱりダンさんと肌を重ねる必要はあると思うからね。そう考えるとお見合いと大差ないと思うよ?」

「大違いだっての! 男も多数参加するお見合いなんて、もう考えるだけで嫌になるわっ」


 嫌な想像を振り払うために、ルチネ達3人をぎゅっと抱き締めて温もりを感じさせてもらう。3人から伝わってくる体温やいい匂いが俺の心を落ち着けてくれる。

 本当ならもっとエッチなこともしたいけれど、流石に性奴隷とは言えこの3人のえっちな様子も家族以外には見せたくないので、抱き寄せたり頬ずりしたり匂いを嗅いだりするくらいのことしかできないのだ。くんくん。


「ほらほらダン。人数も多いんだから早く面接を始めようよ。心配しなくても色気のある展開にはならないからさ」

「あ、ああごめんリュート。始めちゃって構わないよ。でも、心配しなくていいってどういう意味?」

「就職希望者が多いから、1人1人と充分な交流時間を取る余裕が無いってことっ。じゃあ呼んじゃうよっ。みなさーんっ、どうぞ順番に入ってきちゃってくださーいっ」


 風を操りリュートが部屋の外に声をかけると、1列に並んだ状態で続々と面接参加者が入室してくる。リュートによると300人を超える就職希望者が集まったらしい。

 一応最低限の読み書きと計算ができる者、というふるいをかけたはずなのに300人も残るとはなぁ。この世界全体の教育水準が上がったことを喜ぶべきだろうか?


「特別研究機関インデペンデンスの初代所長のキュールです。よろしく。では早速ですが時間も無いのでサクサク進めていきましょう」


 今回の面接はキュールやティムルが中心となって進行してくれるので、俺は本当に立ち会うだけでいいことになっている。

 面接も名前と年齢程度の軽い紹介の後はどの程度の魔法知識を持っているかを聞き出して、デウス・エクス・マキナの研究に参加する前にどの程度の教育が必要なのかを何段階かに振り分けていく。


 基本的にこの面接に参加した時点で採用は確定していて、ロストスペクターを中心とした講師陣に魔法知識を教えてもらいながら、研究参加への下準備を済ませてもらうのだ。


「はっきり言って、どんなに優秀な人間でも、我が家の家族とそれ以外の人々じゃ前提となる前知識に差がありすぎるからね。元レガリアのロストスペクターの皆さんだって即研究に参加するのは無理さ。だから事前教育は必須なんだよね~」


 即戦力が欲しいと、やる気や情熱よりも能力を優先して採用して欲しいと希望していたけれど、キュールに言わせれば我が家の家族以外で即戦力になれる人物なんていないらしい。キュール自身も俺と家族になっていなければ、インデペンデンスで行われる研究にはついていけなかっただろうと言っていた。

 そこでキュールやチャールたちが中心となって6段階の教育カリキュラムを組み、全ての試験をパスした時点でようやく本格的な研究に参加する形にするそうだ。


「貴方は読み書きを覚えたばかりで、魔法や魔力に関しては何も知識は無い状態と。じゃあステージ1からの教育になるから、101教室に移動して。貴女は調剤士としてポーション作成を使用したことがあるんだね? じゃあステージ3からの教育になるから、131教室に移動してくれるかい?」


 面接参加者から話を聞いて、テキパキと振り分けを進めていくキュール。
 
 教育ステージ1は何の知識も無い状態。ステージ2はインベントリや目利きなど、なんでもいいからアクティブスキルを使用したことがある人、または魔玉の発光を目にした人がある人が該当する。

 ステージ3は攻撃魔法や回復魔法、もしくはクリエイトスキルやウェポンスキルなど、他者に干渉できる魔力制御を行なった経験がある者が振り分けられる。


 面接参加者が振り分けられる最高ランクのステージ4は、獣化や熱視といった種族特性を発揮した人たちの教育カリキュラムだ。職業システムを超えた魔力制御を実際に行える人たちだね。

 ステージ3までの教育を終えた人なら種族特性を発現しなくてもステージ4に進むことは出来るけど、自由な魔力制御を直感的に理解するのは恐らく難しいんじゃないかなぁ。


 そしてロストスペクターの連中でも教育を受けなければならないステージ5は、アウターの仕組みや聖域の樹海の役割、女神様たちが行なった変世や職業システムなど、この世界の根幹に関する知識を学んでもらう。

 このステージ5で学ぶ内容は帝国に雇われていた段階のキュールですら理解できていないレベルの知識らしいので、ここを抜ける研究者がどの程度の時間でどの程度の数が現れるかは未知数だそうだ。


 そうしてステージ5でこの世界のシステムを学んだうえで、ステージ6ではアウターエフェクトやイントルーダーの話を学び、ガルクーザや世界呪やガルフェリアについて考察した末にコラプサーに辿り着くというわけだ。


「正直言えば、私だってダン様と一緒に行動してなかったらステージ3がいいとこだよね……。マドゥは超直感があるからステージ4でもいいかもしれないけど」

「ルチネは私を買い被りすぎ。職業浸透の進み具合で考えたら、私なんかステージ2がいいとこだよ?」

「器巫女として神器に関わっていた私たちですらその程度だよね。私たちはダン様に直接見せつけられちゃってるから、色々疑う余地も無いってだけでさ」


 面接の邪魔にならないように、俺にぴったりとくっついで小声で話し合う3人の声がこそばゆい。少女特有の甘く魅惑的な香りのせいでついつい服の中に手を伸ばしてしまいそうになるのを必死に堪えて、よしよしなでなでしながら好きに話させておく。

 3人の柔らかさが気持ちいいけど、生殺し状態でちょっと辛くもあるなぁ。でも誰かとくっついてないと大人しく面接に立ち会ったりできないと思うから困りものだ。


「おや? サロメじゃないか。なんで君がここにいるんだい?」

「くんかくんか……ん?」


 身を寄せ合う3人のうなじの香りを楽しんでいると、今まで事務的で感情を乗せない反応を続けていたはずのキュールが戸惑ったような声を上げた。どうやら面接参加者に知人がいたようだ。

 エルラの細い首に頬ずりしながら視線を向けると、そこにはドワーフ族っぽい黒い肌をした小柄な女性が座っていた。


「お久しぶりですキュールさん。なんでもなにも、ここで働かせていただきたいなーって?」

「いやいや、君って確か今年から海洋研究所に配属されたはずじゃないか。それがなんで……」

「その海洋研究所が陛下に見捨てられちゃったから、路頭に迷った私はこうして再就職先を探してるんですよーっ! お願いしますキュールさん! かつて一緒に仕事したよしみで、どうか私を雇いたまえ―!」

「いや、勿論雇うけど……。帝国民の憧れである海洋研究所にあっさり見切りをつけるなんて、サロメは相変わらずフットワークが軽いみたいだねぇ」

「研究所を見限ったのは陛下の方でしょーっ! フットワークに関しても、あっさり帝国を去ったキュールさんに言われたくないんですけどーっ!!」


 キュールと漫才を繰り広げているサロメという名前らしい女性は、カルナスのせいでカレンに放棄されてしまった海洋研究所に勤めていた研究員のようだ。

 海洋研究所が見限られたのはカルナスのせいであって、俺には責任は無いはずだよな?


 感じる魔力が間違ってなければ彼女はドワーフ族っぽいけど、クラメトーラ出身者によく見る陰りみたいなものを感じない。

 そもそも帝国民ってほとんどが人間族って話だったと思うけど、ドワーフ族も普通に暮らしてるんだな?


「頼みますってキュールさん! 海洋研究所を辞めたこと、まだ両親に言えてないんですよっ! せめて新しい就職先が見つかってからじゃないと報告できないんですよっ! だからお願いしますーーっ」

「あっはっは! それならご両親にはいい報告が出来そうだね? なんせここは帝国と王国の共同出資施設で、海洋研究所よりもずっと高い給金が支払われる予定さっ。研究自体もサロメでも楽しめる水準の物だと思うよ」

「まずはお給金と待遇について聞かせてくださいっ! 流石にそろそろ両親の耳にも海洋研究所の話は届いてるかもしれないので、心配させたくないんですよーっ!」


 優秀な研究者っぽいけれど、研究テーマよりも給料と待遇を気にするなんて、なんか勤め人って感じの人だなぁ。キュールがあそこまで言っている以上能力は高いんだろうけど、良くも悪くもこの世界の人っぽくない考え方をする人みたいだ。

 だけどキュール。後ろの人が詰まっちゃってるから。速やかにサロメさんも振り分けちゃってくれないかなー?
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