異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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「みんな、警戒を怠らないようにね。いざって時は直ぐにアポリトボルボロスの中に避難して」

「さっきからえっちし続けているダンが言っても、なーんの説得力も無いのじゃー」


 アポリトボルボロスに案内された、海底洞窟の空気溜まり。

 調査を始める前にひと言注意喚起を促しただけなのに、フラッタにバッサリ切り捨てられてしまった件。


「ということでニーナ、ひと言頼むのじゃ」

「不測の事態に対応する自信が無い人は外に出ないで。ココが海の底だって事、忘れちゃ駄目なの」

「ニーナも俺と同じ事言ってるよねっ!? なんで俺の注意は受け入れられなかったわけぇっ!?」


 妾達が受け入れたいのはコチラじゃからのーと、俺の前で跪いて先端に口付けしてくるフラッタ。

 そのまま色んな意味で膠着する俺を放置して、ニーナと手を繋いでさっさと外に出て行ってしまった。


 そこまでしたなら最後までしようよフラッタァァァ!?


「ほらほらっ! 固まってないでさっさと行くよダンさんっ」

「ここで俺を急かすのは違くないキュールっ!? 俺もある意味フラッタの被害者なんだけどっ!?」

「そんなに鼻の下を伸ばしながら被害者を語らないで下さい。キュールたちには私が付きましょう。旦那様はゆっくりいらして下さいませ」


 よしよしと俺の頭を撫でてから、既に飛び出していった究明の道標の3人を追うヴァルゴ。

 微妙に釈然としない気分ではあるけれど、せっかくゆっくりでいいと許可をもらったことだし、性奴隷のルチネのおっぱいをすくい上げて、陥没している先端に人差し指を派遣しよう。


「お、おっぱいほじくっちゃダメぇぇっ……!!」


 俺の指の動きに合わせて、いやらしく息を乱し身体をくねらせるルチネ。

 まだ出会ってから日も浅いのに、もうどこに出しても恥ずかしくない立派な性奴隷になってくれたなぁ。ホジホジ。


 おっぱいをほじくる。

 もうそのワードだけでも死ぬほど興奮しちゃうのに、実際にホジホジしても誰にも怒られないなんて最高だなぁっ!


 ルチネのおっぱいをホジホジしながらマドゥのおっぱいをちゅぱちゅぱしゃぶり、エルラの爆乳で3回ほど搾り取ってもらって、心も体もスッキリさせてからアポリトボルボロスの外に踏み出した。


「結構時間が経ったはずだけど、呼吸には支障は無いかな? リュート。リーチェ。精霊魔法に何か異変は?」

「異常無いよ。風の存在も感じられるし、時間経過で環境変化が起きているようにも感じないかな」

「因みに移動魔法は使えないみたい。1度訪れたことがあってもポータルでここに来るのは無理のようね」


 俺がお楽しみの間も真面目に調査してくれていた姫エルフ姉妹が、楽しみまくっていた俺のことを意に介した風も無く報告してくれる。

 俺たちの呼吸によって洞窟内の空気が消費されたりはしないらしい。


 海の底でどうやって空気が供給されているのか謎だけど……リュートの精霊魔法を疑っても仕方ない。

 リーチェの言うように移動魔法も使えないようなので、普通の方法じゃどうやってもここに来るのは無理そうだ。


 報告のお礼に姉妹のおっぱいを揉みながら、青い瞳で周囲を調査していた別の2人に声をかける。


「ティムルとアウラはどう? 熱視で何か見つからなかった?」

「それがねぇ……。ここって魔力がほぼ動いてないからよく分からないのよぉ……」

「魔力を弾く水の中だからかな? 熱視があんまり役に立たない感じかも……。ごめんねパパ」

「熱視と精霊魔法では何も見つからなかったかー」


 謝る2人を抱きしめて、気にしないでとちゅっちゅっとキスをする。

 ティムルは本気で申し訳なさそうにしてるけど、アウラはキスされてご満悦のようだ。


 この様子だと、俺がキスするのを見越して謝罪してきたんだな?

 そんなことしなくてもいくらでもキスしてあげるのに、本当にイタズラ好きな娘になっちゃったなー。


「それじゃキュール、触心はどうだった?」

「その言葉を待ってたよダンさーんっ!」

「お? その反応は期待していいのかな?」

「まぁねっ! ダンさんの期待に応えられる結果かは分からないけど、洞窟内部を隈なく触心していたら岩壁の内側に少しだけ、他の場所より魔力が濃い場所があったんだっ!」


 興奮しているキュールに手を引かれて、見た目には何も無い岩壁の前に案内される。

 どういうこと? とキュールに首を傾げてみせると、彼女は瞳を輝かせながら解説してくれる。


「かなり微弱な反応だけど、岩の中に一定方向に流れる魔力を感じるんだっ。恐らくこれは人工的に生み出された流れだと思うよっ」

「んー? ちょっとピンと来ないな……。キュールがそれを人工的だと思った根拠は?」

「ティムルさんとアウラが感じ取れなかったことが何よりの根拠だよっ!」


 首を傾げる俺の反応がもどかしいのか、詰め寄る勢いで捲し立ててくるキュール。

 まるで話しているうちに、自分の言葉で更に興奮しているみたいだ。


「自然な流れなら熱視で見れないはずがないだろっ!? つまり熱視で魔力を見れることを知っている誰かが、熱視で見られないように対策した魔力の流れなんだよっ!」

「逆説的だねぇ。熱視対策って、具体的にはどうやってるかは分かってる?」

「どうやっているかは分からないけど、何をしているのかは分かるよっ! 岩の内側に海水を巡らせて魔力の干渉を妨害してるのさっ! おかげで触心も通りにくくって仕方ないよっ」


 壁や地面の内側に水を流すと魔力の干渉を妨害できるのか。

 これって何気に重要な情報なんじゃないか?


 あ、マギーとカレンが早速城に取り入れるとか張り切ってるな。

 お互い身近にエルフがいるから、精霊魔法による盗聴の恐ろしさは身に染みているんだろうな。


「というわけで、岩の向こう側の魔力が集約されているのか目の前の壁というわけさっ」


 興奮気味に防諜について語り合うマギーとカレンを横目で見ながら、目の前の岩壁を改めて観察する。


 少なくとも見た目には何の以上も感じられないな。

 だけど……。魔力の流れは確かに感じ取りにくい気がする。


「私に分かったのはここまでだね。あとはダンさんに任せたよ」

「この壁の先に意図的に魔力が集められているわけね。一応聞くけど、フラッタに壁をぶち抜いてもらう案はアリ? ナシ?」

「最終的にはアリだけとお勧めはしないよ」


 恐らく想定内の質問だったのだろう。

 キュールは俺の質問にノータイムで返答してくる。


「意図的に魔力の流れを作り出しているなら何らかの仕組みがあると思うから、出来れば壊してほしくないかな。それに、壁の向こうが海じゃない保証も無いんだ。破壊活動はかなり危険だと思うよ」

「……確かに強行策はリスクが高そうだな。かと言って熱視と触心ではこれ以上の情報は得られないと」


 言いながらティムルとアウラに目を向けると、顔の前で両手を合わせてゴメンね? と頭を下げてくる2人。可愛い。

 そんな2人の頭をよしよしなでなでしながら次のアプローチを検討する。


 リュートとティムルとキュールが行き詰まったのなら、これ以上魔法的なアプローチを繰り返しても効果は薄いかな?

 ならここは地球的な常識に則って、科学的なアプローチを試してみようかな?


「リュート。リーチェ。ちょっときてくれる? 2人に協力して欲しいんだ」

「きょ、協力ですか? リュートはともかく、正直私が役に立てるとは思わないんだけど……」

「ダンの考えてることなんてどうせ理解できやしないんだから、こういう時は素直にダンに従った方がいいんだよ姉さん。それで? ぼくたちはなにをすればいいの?」

「全部聞こえてるからな、リュート?」


 困惑気味のリーチェと、何も考えていなそうなリュートが歩み寄ってくる。

 とりあえずあいさつ代わりに2人のおっぱいを揉みつつ、やって欲しいことを説明する。


「風を操れる2人には、精霊魔法で風の通り道が無いか調べて欲しいんだ」

「へ? それは姉さんと2人で散々やったばかりなんだけど……」

「洞窟内に風の動きは無いわ……ってちょっと、服に手を入れないでってばっ」

「洞窟内の風が動いてないのは疑ってないよ。でも今度は風を意図的に動かしてもらって、目の前の壁に風が漏れ出す場所が無いかをチェックして欲しいんだ。隙間や隠し通路の調査だね」


 これが科学的アプローチ? とツッコミを入れられそうだけど、隠し通路の調査は基本だからな。

 外見的には見つからない隙間があっても、精霊魔法でチェックすれば僅かな風の流れにも気付くことができるはず。


 ……これでダメなら一旦作戦の練り直しだな。


「ん~。風の通り道は無さそうだけど了解。あ、折角だからアウラも一緒にやる?」

「そだねー。お邪魔しようかなー」

「ふふ、いいわね。3人で一緒に試しましょ。ほらほらダンさん、いい加減おっぱいから手を放しなさいっ」


 俺の手から逃れたリュートとリーチェが、嬉しそうに近寄ってきたアウラを真ん中にして手を繋ぎ、3人でニコニコしながら精霊魔法を発動する。

 末っ子のアウラが1番身長が高いのがちょっと面白いな。


「ん~。やっぱり見落としはないかなぁ? 風が通り抜けられそうな場所はどこにもないねぇ」

「……ん? ちょっと待ってリュート。ココちょっと変じゃない?」

「なにかしらこれ? 精霊魔法が僅かに吸われて……あっ!?」

「どうしたのリーチェ……って、なにっ!?」


 様子の変わった3人に問いかけるも、答えを待たずに洞窟全体が僅かに振動し始める。

 そして警戒心を強める俺の前で、鈍い音を立てて目の前の岩壁が動き始めた。


 咄嗟に3人の前に魔法障壁を展開し不測の事態に備えるも、開かれた岩壁から海水や敵対勢力が飛び出してくる事は無かった。


「……なんだこれ。もしかして通路、か?」


 開かれた壁の向こう側には、大人が普通に歩ける程度の道が何処までも続いていた。

 何故か薄ぼんやりと照らされているその通路は長く、その先は何処まで繋がっているのかココからでは判断がつかなかった。


「……ティムル。キュール。この先のリスクをどう見積もればいいと思う?」

「流石に判断がつかないかしらぁ……」


 この先に進むべきか否か、それを我が家の頭脳担当の2人に問いかけるも、2人は若干諦め交じりの表情で静かに首を振ってみせる。

 この先に何が待っているかなんて、2人にだって判断できる筈はないかぁ……。


「でもぉ……。深海って時点で危険度は振り切ってるんだからぁ、ここでリスクを恐れる意味はあまり無いんじゃないかしらぁ?」

「ティムルさんに賛成。この期に及んでリスクで足を止めるのは愚の骨頂だよ。ここはいけるところまで進むべきだと思う」


 迷う俺に対して、ティムルもキュールも進むべきだと進言してくる。


 潜在的なリスクは想定不能。

 けれどこの調査を開始した時点でリスクの想定は破綻してるから、ここでリスク計算をし直しても仕方ないってことか……。


 2人の表情を窺うと、2人とも真剣な表情で静かに頷き返してくれる。自棄になっている様子も、必要以上に興奮している様子も無いな。

 ならここは2人の言う通り、いけるところまで進んでしまおう。


 ナイトシャドウを造魔召喚し、通路に侵入させてみる。

 
「通路内に入っても消滅したりはしないか……。風や魔力も異常無さそう?」

「相変わらずダンは心配性なのー。ここまで人が来るのって多分想定されてないから、もう何のセキュリティも施されてないと思うよー?」

「う……。ま、まぁニーナの言う通りだとは思うけどさ。場所が場所だけに警戒しちゃうのは仕方ないでしょ?」


 開かれた通路を前にしてゴチャゴチャと悩む俺を見て、呆れ半分楽しさ半分といった感じで苦笑するニーナ。

 先日リュートを失いかけたこともあって、呆れながらも事前調査に付き合ってくれるのが嬉しい。


 目の前の通路には空気も魔力も存在していて、侵入させたナイトシャドウを見る限りは危険は無さそうだ。

 高さは3メートルくらい、横幅は4メートルくらいはあるかな? 人同士がすれ違うのに苦労しない程度の道幅が確保されていて、緩く右にカーブしているらしくあまり奥まで見通すことは出来なかった。


「流石にアポリトボルボロスをこのサイズまで圧縮するのは無理か……。ちょっと不安だけどここで待たせておくしかないね……」

「通路の先に敵対的な存在がいないとも限りませんが、もしも壁に穴など空けてしまったら一巻の終わりです。私たちは種族特性を使わないようにしましょうか、フラッタ」

「心得たのじゃヴァルゴ。童たちだけではなく、ダンも自重するのじゃぞー?」

「俺たちが自重するだけじゃ足りないね。もしも敵がいたら、その敵の攻撃にすら気を使わなきゃいけないんじゃない? ま、これ以上ゴチャゴチャ考えるのは止めよっか」


 いつ如何なる時も最悪の事態を想定して備えることは大切だけど、移動魔法が使えずにアポリトボルボロスも連れていけない時点で腹を括るべきだ。

 フルファインダーも弾かれるせいで通路の先が全く把握できないけど、扉を開くことができた時点でセキュリティシステムの心配は無いと信じよう。


「……ただ、道が開かれたタイミングがちょっと気になる。リュートとリーチェ、それとアウラは俺の傍から絶対に離れないでくれ」

「ふっふーんっ。そんなこと言われなくたって、ぼくが君から離れるわけないでしょっ」


 嬉しそうに背中から抱き着いてきて、その巨大なおっぱいをむぎゅーっと押し付けてくるリュート。

 そんな彼女とは対照的に、アウラはチャールたちと緊張した顔で言葉を交わしている。


「やっぱり、パパも精霊魔法がカギになったって思ってるんだ。それってつまり、チャ-ルが提唱した……」

「トライラム様もエルフだったから、精霊魔法を開閉条件にしたってこと? ん~、だとしたらこの先はやっぱり、教会にあった転移魔方陣の出口で間違いない?」

「そういやまだ確定じゃねぇんだなソレ。つってもこんな場所、女神様とダン以外にゃ絶対来れそうもねぇけど……」


 ナチュラルに俺と女神様を同列に語るシーズにひと言ツッコミを入れたいところだけど、はいはいと呆れるニーナに前を向かされようやく通路に足を踏み入れる俺。


 ……シーズの言い分に同意したくはないけど、こんな場所女神様でもなければ来れそうもないし、ここが人工物であるのなら、女神様たちの関連施設であることはほぼ間違い無いだろう。

 俺は背中に感じるリュートの大ボリュームの温もりを感じながら、ガルフェリアの時の過ちを2度と繰り返さないように静かに警戒心を強めるのだった。
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