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852 ※閑話 ささやかな復讐
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「済まねぇマギー……! どうしても、どうしても無理みてぇだ……!」
ベッドの上で項垂れ、申し訳無さそうに何度も私に謝罪する夫の姿に、私は1度小さく溜め息をついて気を落ち着かせる。
やっぱりあれだけの事をしたガルが、英雄として世界中の人々に称えられるなんて虫が良すぎた。
ガルのしでかしてしまった事を思えば、この程度の罰は軽すぎるくらいだよね。
終の神ガルフェリアに取り込まれた後遺症からか、ガルの魂から『熱』が奪われてしまったようだ。
愛する者に向ける熱情も、夢や使命感に燃やす情熱も失ってしまったガルは、私への愛情こそ失わずに済んだものの、私を肉体的に愛することは出来なくなってしまった。
種族代表会議が終わったら、ガルの望んだ通りに子作りに励む約束をしていたのに。
私の心の奥底では、愛する夫との子供を作ることが出来ない悲しみよりも、愛する夫が私との子作りよりもダンさんへの憎しみを優先した事への怒りが燻っていた。
私と共に歩む人生よりもダンさんへの憎悪を優先した夫の行動は、私に対する何よりの裏切り行為に思えて仕方が無かった。
「……ふふ。夫婦揃って馬鹿な事をしちゃったわね。コレが因果応報ってことかしら?」
自分でも意外なほどにダンさんへの怒りは湧いてこなかった。
むしろ今まで何度も迷惑をかけてしまった事の報いなのだと思えば、私とガルの辿り着いたこの結果には納得さえしてしまった。
どこまでもこの世界に住まう誰かの幸せだけを願って戦っていたダンさんに、夫婦揃って身勝手な感情をぶつけてしまった。
しかも、私はダンさんたちが世界を呪う存在から世界を守るための戦いに赴こうとするタイミングでダンさんの行く手を阻み、ガルは自身が世界に仇なす存在となってダンさんの前に立ち塞がったのだ。
いくらダンさん本人が許してくれたって、王や英雄として讃えられていいはずがない。
だけどこのままでは、ダンさんに望まれている王としての立場が危うい。
後継ぎが作れない王に価値など無いのだから。
「……待って。子供が作れないのはあくまでガルの問題で、私が子供を産むことは出来るのよね?」
「……恐らくな。マギーの身体に問題は無いはずだから、別の男との間になら子をなす事も可能だろ。だが……」
「英雄王ガルシアとその妻マーガレットは世界中の注目の的。ガルが私以外の女性を孕ますことは許されても、私がガル以外の男性と関係を持つことは許されない、でしょ? 分かってるわよそれくらい」
身を挺して終の神ガルフェリアの力を殺いだ英雄王ガルシアと、世界中の人の思いを束ねて夫を手繰り寄せた妻マーガレットの話は、夫婦の愛が起こした奇跡として世界中で称賛されている。
ま、広まるのも当たり前よね。
世界中の殆どの人が体験を共有してるんだもの。
世界中の人々と共にガルを取り戻した私がガル以外の男性を愛することを世間は許さないでしょうし、英雄王ガルシアが後継者を残さないことも許されないでしょうね。
「状況は最悪よ。私達じゃどうやっても子供が作れないのに、世界中から注目を浴びてしまって下手な小細工も出来ないわ。そして何時までも子供が出来なければ、それを理由に私達は呆気なく王座から引きずり下ろされるでしょうね……」
「継承されない英雄に価値無しってか。……済まねぇマギー。俺が馬鹿だったばっかりに、お前にまで迷惑をかけちまった……」
「私が迷惑を被る程度なら気にしないでって言えたんだけど……。私達が王位を追われたりしたら、想像以上に沢山の人に影響が出るかもしれないわ……」
事が私達だけで済めば良かったんだけど、私達の問題はもう私達だけで完結してはくれなかった。
人の上に立つ者の責任と影響力を嫌というほど思い知りながらも、私の頭には既に1つの解答が浮かんでいたのだった。
「マギーの事情は分かりましたが……。よりにもよってご主人様を巻き込むのですか……!」
「きっとダンは傷付いてしまう……。けど、ダン以外に適任者は存在しない……」
思い付いた妙案を、ラズ姉様とリュートに相談する。
ラズ姉様は今まで見たことがないくらいに憤り、リュートもまた今まで見たことがないくらいに悲しげな表情を浮かべてしまった。
ダンさんが私を求めていないのは分かってる。
ダンさんを巻き込むことで、彼をどれほど傷付けてしまうかも分かってる。
……でも、こんなこと他の誰にも頼めない。
甘えられるのはラズ姉様と友達のリュート、そして当事者であるダンさんだけだった。
「ごめん姉様。ごめんリュート。だけどダンさんに孕ませもらう以外の解決策が私には思い付かなくて……」
「関わっても関わらなくてもご主人様は気にしてしまいそうです。けれどご主人様が関わった所で、いったい誰が幸せになれると言うんですか……!」
「誰も幸せにはなれないけど、マギーとガルシアさんの王位を安定させ、王国民への影響は抑えられる、か……。駄目だシャロ。これはニーナとティムルの意見無しには決められないよ」
私達の事情を把握した上で、それでもダンさんを巻き込みたくない2人は、この場では決断できないとニーナさんとティムルさんを話に参加させて欲しいと言ってきた。
出来ればあまり多くの人に打ち明けたい話では無いけど、2人の意見無しにダンさんの話は出来ないと言われては話すしか無かった。
「「………」」
私の話をニーナさんとティムルさんは、最後までなにも言わずに聞いてくれた。
けれどティムルさんは悲しげに表情を歪め、ニーナさんは私をまっすぐに見詰めたまま感情を感じさせない表情を浮かべている。
「マギー様の言い分は分かったの。それで、ティムルから見ても他に方法は無さそうかな?」
「残念だけどニーナちゃん、私も他の方法は思い付かないわ……。出来ればダンを関わらせたくないけど、そうした時の悪影響が心配よ……」
「ティムルが言うならダンは受け入れるべきだね。状況的にはアウラの時と似ているし、ダンならきっと乗り越えてくれると思うんだ。けど……」
そこでニーナさんは1度言葉を切って、改めて私を見詰めてくる。
「私が心配なのはマギー様の方なの。マギー様、本当に大丈夫?」
「ええ。ダンさんに身体を許す覚悟はもう決めてあるわ。ガルとも散々話し合ったし、ダンさんにはなんの気兼ねもなく私を……」
「そうじゃないよマギー様。貴女はこれからダンに愛されながらも、ダン以外の男性の妻として生きていかなきゃいけないの。それに貴女は耐えられるの?」
どこまでも真剣なニーナさんには申し訳がなかったけれど、彼女の危惧していることがピンと来なかった。
私がダンさんに身体を許すのは、状況的に他に取るべき道が絶たれたからだ。
ダンさんの事は尊敬しているし、リュートと同じく大切な友人の1人ではあるけれど、私が愛しているのはあくまでガルなのだ。
きっとニーナさんはダンさんに心酔しきっているんだろうなぁ、なんてこの時は暢気なことを考えていたけれど、私は直ぐにニーナさんの言っていた事の意味を思い知らされる事になった。
「も、孕んだからぁ……! もう、赤ちゃんできた、からぁ……! や、休ませ……」
「マギー……! マギー……!」
「待って、待ってってばぁ……! もう入らないって言ってるのぉ……!」
どれだけ懇願しても決して許してくれないほどの情欲をぶつけられ、心も身体も丸裸にされて剥き出しになった私の魂に直接愛情を注ぎ込まれるようなダンさんとの情事に、私は一瞬でハマってしまった。
ガルに蔑ろにされた私の自尊心が慰められていくのが分かった。
容姿や身分を超えて私の本質を抱き締めてくれるダンさんの事が忘れられなくなって、ずっと一緒にいたのにダンさんの想いの半分も想ってくれなかったガルに失望していった。
ダンさんは誰よりも私を求めてくれている。
ダンさんは私が別の男の妻であることを心から惜しんでいる。
私よりダンさんへの憎しみを優先させたガルとは違う。
きっとこの人は私の為であっても、終の神ガルフェリアを滅ぼしてくれるのだろうと確信できた。
「ニーナさんの言葉の意味が分かりましたかマギー?」
ダンさんに孕まされた後、大急ぎで好色家の浸透を進める私の元に、ラズ姉様が心配して尋ねてきてくれた。
「ご主人に激しく求められて、肉体以上に精神が満たされたでしょう? お前以外には何も要らない。お前のためなら世界だって滅ぼしてやるというほどの必死さに、女としての自分が全肯定された気分になったでしょう?」
「うん。正直想像を遥かに超えていたかな……。沢山の女性を満足させているダンさんだから気持ちいいのは覚悟していたんだけど、まさかあそこまで気持よくさせられちゃうなんて……」
ラズ姉様の問いかけに、思わず彼の子供を身篭っているはずの自分のお腹を撫でてしまう。
それと同時にあの日の体験が熱を持って思い起こされ、体の奥が火照り始めてしまう。
「私達の全てを受け入れ、その上で誰よりも強く求めてくださるご主人様。あの人に愛されて昂らない女性なんて居るはずがありません」
「分かるわ……。私がガルの妻であることも、私を受け入れる事がダンさんにとってどれだけ苦渋の選択だったのかも飲み込んで、ベッドの上では全てを受け入れてただ情熱的に愛してくださったものね……。あれは溺れちゃう……」
抱いて欲しいと持ちかけた時の、苦悩に満ちたダンさんの様子が嘘のようにすら思えてしまう。
まるで1000年の時の果てに再会を果たした恋人を抱くように、ダンさんは私を何処までも必死に求め、全身全霊で愛してくれた。
次の機会が待ちきれなくて、暇さえあれば自分で自身を慰めたくなってしまうくらいにダンさんに抱かれる事を待ち望んでいる自分がいる。
しかし私の身体の昂りは、姉様の次の言葉で冷水を浴びせられたかのように失われてしまった。
「貴女はどれほどご主人様に溺れようと、自分はガルシア様の妻だと振舞わねばなりません。ご主人様がどれ程激しく求めようと、貴女がどれだけ深くご主人様に惹かれようと、貴女は決してご主人様の女として振舞うことが出来ないのです。……本当に、堪えられますか?」
「あ……」
私は生涯ガルの妻として過ごし、ダンさんとの関係はひた隠しにしなければならない。
それは私たちの方からダンさんにお願いした条件のはずだったのに、姉様の指摘は驚くほど私を絶望的な気分にさせてくれた。
「……私自身もそうだったから分かるんです。私の心の奥の奥まで理解した上で、その全てを抱き締めてくれるご主人様は、女にとっての理想なのだと思います。私は自分がご主人様の女であるということがなによりも嬉しく、そして誇らしい。……だから、それを許されないマギーの事が本当に心配です」
「は……はは……。思ったよりも良好な関係が築けそうだと思ったのに、良好すぎて破綻しそうになるなんて笑っちゃうなぁ……」
心から私を案じてくれる姉様の視線を受けて、私は渇いた笑いを浮かべてしまった。
だってもう、こんなの笑うしかないじゃない?
少しでも明るいルートが見つかったと喜んでも、その道の先が全て閉ざされているなんてさぁ……!
今ならニーナさんがあんなに不安そうに私を見ていた理由も、あんなにダンさんが私を受け入れる事を渋っていた理由も分かる気がする。
私とダンさんの関係は、どう足掻いても幸せになるルートが存在していないのだから……!
「……でも、大丈夫よ姉様。私に考えがあるの」
「マギー……」
大丈夫だと告げたのに、より一層不安げな表情を浮かべてしまう姉様。
バルバロイに弄ばれ、人生の半分を望まぬ相手に差し出し続けた姉様に比べたら、私の状況なんて天国なんてものじゃないわ。
本当に大丈夫だから心配しないで姉様。
私が被る仮面は無意識に被るわけでも、望まずに被るわけでもないのだから。
「スクリームヴァレーへの支援の話は以上で終わりだな? キリもいいし休憩しようか」
「……分かりました。では30分ほど休憩といたしましょう」
休憩を提案するガルを呆れたように一瞥してから、ため息交じりに休憩を言い渡すゴブトゴ。
その瞬間私に注目が集まり、それと同時に私の服の中を弄っていた両手が素早く離れていく。
すっかり高められてしまった私は潤んだ瞳でガルを見詰め、ガルも笑顔で頷いてくれる。
そんな私達のやり取りを見る度に囃し立ててくる側近たち。
やれやれと溜息を零すゴブトゴにひと言謝って、扉を開けてくれたガルの横を、姿を隠したダンさんと手を繋いで通り過ぎた。
「俺が出て来るまで、この部屋の周囲を人払いしてくれ。理由は言わなくても分かるよな?」
部屋の外でガルが人払いを命じている間に、つい待ちきれなくてダンさんを押し倒して受け入れてしまった。
一気に私の内部を貫く熱さと硬さに、私に残っていた最後の理性も甘く優しく溶かされる。
ダンさんの唾液と温もりを獣のように貪っていると、人払いを済ませたガルが静かに入室してくる。
「愉しむのはいいが、音には気をつけろよマギー。今ココにはリュート様もリーチェ様もいねぇんだから」
「ええっ。分かってるわっ。私がダンさんに可愛がってもらってる間、邪魔が入らないようにお願いね?」
「……ああ。思う存分愉しんで……」
「俺と愛し合ってる最中に他の男と喋るんじゃないよマギー。これはお仕置き案件だね?」
「そ、そこばかり突かないでぇ……! こ、声ガマンでき、むぅっ…」
ガルと会話していた私を抱き寄せ、キスをしながら激しく腰を打ち付けてくるダンさん。
たったあれだけの会話にすら嫉妬してみせるダンさんの異常な独占欲に、ガルには抱けなくなった劣情が燃え上がっていく。
私は次第にガルが同席している事実も忘れて、貪るようにダンさんと互いを求め合うのだった。
「……悪いねガルシアさん。俺は敵対した貴方よりマギーを優先させてもらうよ」
精液で満たされた私の中を掻き回しながら、殺意すら宿った声で吐き捨てるダンさん。
そんな激しい怒りをぶつけられても、ガルは不快げに眉をひそめただけだった。
「俺の可愛いマギー。お前の中からガルシアさんの記憶が消えて無くなるまで、徹底的に可愛がってあげるからね」
「だい、すきぃ……。大好き、ダンさぁん……」
「俺に溺れるんだマギー。もう君が幸せになる道が閉ざされていたとしても、俺が無理矢理幸せにしてやるから。たとえそれが誤った選択だったとしても、ずっと一緒に溺れてやるからな……!」
間違えていたとしても、それでも一緒にいてくれると約束してくれダンさんは、ガルの目から私を隠すように覆い被さってくる。
私はそんなダンさんを受け入れながら、目の前で妻を弄ばれても怒りを抱くことさえ出来なくなった頼りない夫を、心の底で罵倒する。
私の1番に選ばれておきながら、私を1番に選ばなかった愚かなガル。
私は生涯貴方を許さない。
かつて自分が愛した女が他の男に溺れていく様を、これからずっと見せつけてあげる。
私が貴方以外の男に抱かれ、孕まされ、幸せにされていく姿を見続けるのが貴方の罰で、これからの私の生き甲斐なのっ。
私はもうまともじゃなくなってしまった。
ガルとバルバロイの手によって、私の尊厳は粉微塵に砕かれてしまったのだ。
だからねガル。
これは私からの復讐なの。
壊れた女の狂気を受け止めるのは、壊れた貴方の役目なのよ。
「とぉっても気持ち良かったぁ……。ガルのおかげで最高に楽しめたわ。またよろしくねっ」
ダンさんに弄ばれながら笑顔で話し掛けてくる自分の妻に、ガルは無言で頷くだけ。
そんなガルの姿に興奮を憶えた私は、またしても自分からダンさんを押し倒してしまったのだった。
ベッドの上で項垂れ、申し訳無さそうに何度も私に謝罪する夫の姿に、私は1度小さく溜め息をついて気を落ち着かせる。
やっぱりあれだけの事をしたガルが、英雄として世界中の人々に称えられるなんて虫が良すぎた。
ガルのしでかしてしまった事を思えば、この程度の罰は軽すぎるくらいだよね。
終の神ガルフェリアに取り込まれた後遺症からか、ガルの魂から『熱』が奪われてしまったようだ。
愛する者に向ける熱情も、夢や使命感に燃やす情熱も失ってしまったガルは、私への愛情こそ失わずに済んだものの、私を肉体的に愛することは出来なくなってしまった。
種族代表会議が終わったら、ガルの望んだ通りに子作りに励む約束をしていたのに。
私の心の奥底では、愛する夫との子供を作ることが出来ない悲しみよりも、愛する夫が私との子作りよりもダンさんへの憎しみを優先した事への怒りが燻っていた。
私と共に歩む人生よりもダンさんへの憎悪を優先した夫の行動は、私に対する何よりの裏切り行為に思えて仕方が無かった。
「……ふふ。夫婦揃って馬鹿な事をしちゃったわね。コレが因果応報ってことかしら?」
自分でも意外なほどにダンさんへの怒りは湧いてこなかった。
むしろ今まで何度も迷惑をかけてしまった事の報いなのだと思えば、私とガルの辿り着いたこの結果には納得さえしてしまった。
どこまでもこの世界に住まう誰かの幸せだけを願って戦っていたダンさんに、夫婦揃って身勝手な感情をぶつけてしまった。
しかも、私はダンさんたちが世界を呪う存在から世界を守るための戦いに赴こうとするタイミングでダンさんの行く手を阻み、ガルは自身が世界に仇なす存在となってダンさんの前に立ち塞がったのだ。
いくらダンさん本人が許してくれたって、王や英雄として讃えられていいはずがない。
だけどこのままでは、ダンさんに望まれている王としての立場が危うい。
後継ぎが作れない王に価値など無いのだから。
「……待って。子供が作れないのはあくまでガルの問題で、私が子供を産むことは出来るのよね?」
「……恐らくな。マギーの身体に問題は無いはずだから、別の男との間になら子をなす事も可能だろ。だが……」
「英雄王ガルシアとその妻マーガレットは世界中の注目の的。ガルが私以外の女性を孕ますことは許されても、私がガル以外の男性と関係を持つことは許されない、でしょ? 分かってるわよそれくらい」
身を挺して終の神ガルフェリアの力を殺いだ英雄王ガルシアと、世界中の人の思いを束ねて夫を手繰り寄せた妻マーガレットの話は、夫婦の愛が起こした奇跡として世界中で称賛されている。
ま、広まるのも当たり前よね。
世界中の殆どの人が体験を共有してるんだもの。
世界中の人々と共にガルを取り戻した私がガル以外の男性を愛することを世間は許さないでしょうし、英雄王ガルシアが後継者を残さないことも許されないでしょうね。
「状況は最悪よ。私達じゃどうやっても子供が作れないのに、世界中から注目を浴びてしまって下手な小細工も出来ないわ。そして何時までも子供が出来なければ、それを理由に私達は呆気なく王座から引きずり下ろされるでしょうね……」
「継承されない英雄に価値無しってか。……済まねぇマギー。俺が馬鹿だったばっかりに、お前にまで迷惑をかけちまった……」
「私が迷惑を被る程度なら気にしないでって言えたんだけど……。私達が王位を追われたりしたら、想像以上に沢山の人に影響が出るかもしれないわ……」
事が私達だけで済めば良かったんだけど、私達の問題はもう私達だけで完結してはくれなかった。
人の上に立つ者の責任と影響力を嫌というほど思い知りながらも、私の頭には既に1つの解答が浮かんでいたのだった。
「マギーの事情は分かりましたが……。よりにもよってご主人様を巻き込むのですか……!」
「きっとダンは傷付いてしまう……。けど、ダン以外に適任者は存在しない……」
思い付いた妙案を、ラズ姉様とリュートに相談する。
ラズ姉様は今まで見たことがないくらいに憤り、リュートもまた今まで見たことがないくらいに悲しげな表情を浮かべてしまった。
ダンさんが私を求めていないのは分かってる。
ダンさんを巻き込むことで、彼をどれほど傷付けてしまうかも分かってる。
……でも、こんなこと他の誰にも頼めない。
甘えられるのはラズ姉様と友達のリュート、そして当事者であるダンさんだけだった。
「ごめん姉様。ごめんリュート。だけどダンさんに孕ませもらう以外の解決策が私には思い付かなくて……」
「関わっても関わらなくてもご主人様は気にしてしまいそうです。けれどご主人様が関わった所で、いったい誰が幸せになれると言うんですか……!」
「誰も幸せにはなれないけど、マギーとガルシアさんの王位を安定させ、王国民への影響は抑えられる、か……。駄目だシャロ。これはニーナとティムルの意見無しには決められないよ」
私達の事情を把握した上で、それでもダンさんを巻き込みたくない2人は、この場では決断できないとニーナさんとティムルさんを話に参加させて欲しいと言ってきた。
出来ればあまり多くの人に打ち明けたい話では無いけど、2人の意見無しにダンさんの話は出来ないと言われては話すしか無かった。
「「………」」
私の話をニーナさんとティムルさんは、最後までなにも言わずに聞いてくれた。
けれどティムルさんは悲しげに表情を歪め、ニーナさんは私をまっすぐに見詰めたまま感情を感じさせない表情を浮かべている。
「マギー様の言い分は分かったの。それで、ティムルから見ても他に方法は無さそうかな?」
「残念だけどニーナちゃん、私も他の方法は思い付かないわ……。出来ればダンを関わらせたくないけど、そうした時の悪影響が心配よ……」
「ティムルが言うならダンは受け入れるべきだね。状況的にはアウラの時と似ているし、ダンならきっと乗り越えてくれると思うんだ。けど……」
そこでニーナさんは1度言葉を切って、改めて私を見詰めてくる。
「私が心配なのはマギー様の方なの。マギー様、本当に大丈夫?」
「ええ。ダンさんに身体を許す覚悟はもう決めてあるわ。ガルとも散々話し合ったし、ダンさんにはなんの気兼ねもなく私を……」
「そうじゃないよマギー様。貴女はこれからダンに愛されながらも、ダン以外の男性の妻として生きていかなきゃいけないの。それに貴女は耐えられるの?」
どこまでも真剣なニーナさんには申し訳がなかったけれど、彼女の危惧していることがピンと来なかった。
私がダンさんに身体を許すのは、状況的に他に取るべき道が絶たれたからだ。
ダンさんの事は尊敬しているし、リュートと同じく大切な友人の1人ではあるけれど、私が愛しているのはあくまでガルなのだ。
きっとニーナさんはダンさんに心酔しきっているんだろうなぁ、なんてこの時は暢気なことを考えていたけれど、私は直ぐにニーナさんの言っていた事の意味を思い知らされる事になった。
「も、孕んだからぁ……! もう、赤ちゃんできた、からぁ……! や、休ませ……」
「マギー……! マギー……!」
「待って、待ってってばぁ……! もう入らないって言ってるのぉ……!」
どれだけ懇願しても決して許してくれないほどの情欲をぶつけられ、心も身体も丸裸にされて剥き出しになった私の魂に直接愛情を注ぎ込まれるようなダンさんとの情事に、私は一瞬でハマってしまった。
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容姿や身分を超えて私の本質を抱き締めてくれるダンさんの事が忘れられなくなって、ずっと一緒にいたのにダンさんの想いの半分も想ってくれなかったガルに失望していった。
ダンさんは誰よりも私を求めてくれている。
ダンさんは私が別の男の妻であることを心から惜しんでいる。
私よりダンさんへの憎しみを優先させたガルとは違う。
きっとこの人は私の為であっても、終の神ガルフェリアを滅ぼしてくれるのだろうと確信できた。
「ニーナさんの言葉の意味が分かりましたかマギー?」
ダンさんに孕まされた後、大急ぎで好色家の浸透を進める私の元に、ラズ姉様が心配して尋ねてきてくれた。
「ご主人に激しく求められて、肉体以上に精神が満たされたでしょう? お前以外には何も要らない。お前のためなら世界だって滅ぼしてやるというほどの必死さに、女としての自分が全肯定された気分になったでしょう?」
「うん。正直想像を遥かに超えていたかな……。沢山の女性を満足させているダンさんだから気持ちいいのは覚悟していたんだけど、まさかあそこまで気持よくさせられちゃうなんて……」
ラズ姉様の問いかけに、思わず彼の子供を身篭っているはずの自分のお腹を撫でてしまう。
それと同時にあの日の体験が熱を持って思い起こされ、体の奥が火照り始めてしまう。
「私達の全てを受け入れ、その上で誰よりも強く求めてくださるご主人様。あの人に愛されて昂らない女性なんて居るはずがありません」
「分かるわ……。私がガルの妻であることも、私を受け入れる事がダンさんにとってどれだけ苦渋の選択だったのかも飲み込んで、ベッドの上では全てを受け入れてただ情熱的に愛してくださったものね……。あれは溺れちゃう……」
抱いて欲しいと持ちかけた時の、苦悩に満ちたダンさんの様子が嘘のようにすら思えてしまう。
まるで1000年の時の果てに再会を果たした恋人を抱くように、ダンさんは私を何処までも必死に求め、全身全霊で愛してくれた。
次の機会が待ちきれなくて、暇さえあれば自分で自身を慰めたくなってしまうくらいにダンさんに抱かれる事を待ち望んでいる自分がいる。
しかし私の身体の昂りは、姉様の次の言葉で冷水を浴びせられたかのように失われてしまった。
「貴女はどれほどご主人様に溺れようと、自分はガルシア様の妻だと振舞わねばなりません。ご主人様がどれ程激しく求めようと、貴女がどれだけ深くご主人様に惹かれようと、貴女は決してご主人様の女として振舞うことが出来ないのです。……本当に、堪えられますか?」
「あ……」
私は生涯ガルの妻として過ごし、ダンさんとの関係はひた隠しにしなければならない。
それは私たちの方からダンさんにお願いした条件のはずだったのに、姉様の指摘は驚くほど私を絶望的な気分にさせてくれた。
「……私自身もそうだったから分かるんです。私の心の奥の奥まで理解した上で、その全てを抱き締めてくれるご主人様は、女にとっての理想なのだと思います。私は自分がご主人様の女であるということがなによりも嬉しく、そして誇らしい。……だから、それを許されないマギーの事が本当に心配です」
「は……はは……。思ったよりも良好な関係が築けそうだと思ったのに、良好すぎて破綻しそうになるなんて笑っちゃうなぁ……」
心から私を案じてくれる姉様の視線を受けて、私は渇いた笑いを浮かべてしまった。
だってもう、こんなの笑うしかないじゃない?
少しでも明るいルートが見つかったと喜んでも、その道の先が全て閉ざされているなんてさぁ……!
今ならニーナさんがあんなに不安そうに私を見ていた理由も、あんなにダンさんが私を受け入れる事を渋っていた理由も分かる気がする。
私とダンさんの関係は、どう足掻いても幸せになるルートが存在していないのだから……!
「……でも、大丈夫よ姉様。私に考えがあるの」
「マギー……」
大丈夫だと告げたのに、より一層不安げな表情を浮かべてしまう姉様。
バルバロイに弄ばれ、人生の半分を望まぬ相手に差し出し続けた姉様に比べたら、私の状況なんて天国なんてものじゃないわ。
本当に大丈夫だから心配しないで姉様。
私が被る仮面は無意識に被るわけでも、望まずに被るわけでもないのだから。
「スクリームヴァレーへの支援の話は以上で終わりだな? キリもいいし休憩しようか」
「……分かりました。では30分ほど休憩といたしましょう」
休憩を提案するガルを呆れたように一瞥してから、ため息交じりに休憩を言い渡すゴブトゴ。
その瞬間私に注目が集まり、それと同時に私の服の中を弄っていた両手が素早く離れていく。
すっかり高められてしまった私は潤んだ瞳でガルを見詰め、ガルも笑顔で頷いてくれる。
そんな私達のやり取りを見る度に囃し立ててくる側近たち。
やれやれと溜息を零すゴブトゴにひと言謝って、扉を開けてくれたガルの横を、姿を隠したダンさんと手を繋いで通り過ぎた。
「俺が出て来るまで、この部屋の周囲を人払いしてくれ。理由は言わなくても分かるよな?」
部屋の外でガルが人払いを命じている間に、つい待ちきれなくてダンさんを押し倒して受け入れてしまった。
一気に私の内部を貫く熱さと硬さに、私に残っていた最後の理性も甘く優しく溶かされる。
ダンさんの唾液と温もりを獣のように貪っていると、人払いを済ませたガルが静かに入室してくる。
「愉しむのはいいが、音には気をつけろよマギー。今ココにはリュート様もリーチェ様もいねぇんだから」
「ええっ。分かってるわっ。私がダンさんに可愛がってもらってる間、邪魔が入らないようにお願いね?」
「……ああ。思う存分愉しんで……」
「俺と愛し合ってる最中に他の男と喋るんじゃないよマギー。これはお仕置き案件だね?」
「そ、そこばかり突かないでぇ……! こ、声ガマンでき、むぅっ…」
ガルと会話していた私を抱き寄せ、キスをしながら激しく腰を打ち付けてくるダンさん。
たったあれだけの会話にすら嫉妬してみせるダンさんの異常な独占欲に、ガルには抱けなくなった劣情が燃え上がっていく。
私は次第にガルが同席している事実も忘れて、貪るようにダンさんと互いを求め合うのだった。
「……悪いねガルシアさん。俺は敵対した貴方よりマギーを優先させてもらうよ」
精液で満たされた私の中を掻き回しながら、殺意すら宿った声で吐き捨てるダンさん。
そんな激しい怒りをぶつけられても、ガルは不快げに眉をひそめただけだった。
「俺の可愛いマギー。お前の中からガルシアさんの記憶が消えて無くなるまで、徹底的に可愛がってあげるからね」
「だい、すきぃ……。大好き、ダンさぁん……」
「俺に溺れるんだマギー。もう君が幸せになる道が閉ざされていたとしても、俺が無理矢理幸せにしてやるから。たとえそれが誤った選択だったとしても、ずっと一緒に溺れてやるからな……!」
間違えていたとしても、それでも一緒にいてくれると約束してくれダンさんは、ガルの目から私を隠すように覆い被さってくる。
私はそんなダンさんを受け入れながら、目の前で妻を弄ばれても怒りを抱くことさえ出来なくなった頼りない夫を、心の底で罵倒する。
私の1番に選ばれておきながら、私を1番に選ばなかった愚かなガル。
私は生涯貴方を許さない。
かつて自分が愛した女が他の男に溺れていく様を、これからずっと見せつけてあげる。
私が貴方以外の男に抱かれ、孕まされ、幸せにされていく姿を見続けるのが貴方の罰で、これからの私の生き甲斐なのっ。
私はもうまともじゃなくなってしまった。
ガルとバルバロイの手によって、私の尊厳は粉微塵に砕かれてしまったのだ。
だからねガル。
これは私からの復讐なの。
壊れた女の狂気を受け止めるのは、壊れた貴方の役目なのよ。
「とぉっても気持ち良かったぁ……。ガルのおかげで最高に楽しめたわ。またよろしくねっ」
ダンさんに弄ばれながら笑顔で話し掛けてくる自分の妻に、ガルは無言で頷くだけ。
そんなガルの姿に興奮を憶えた私は、またしても自分からダンさんを押し倒してしまったのだった。
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