異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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790 ニ騎当千

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「戦闘参加はアウラとカレンだけね。クラーとミレーも戦えるかもしれないけど今回は見学でお願い」


 日課となっているユニとのコミュニケーションを済ませた俺は、昨晩徹底的に可愛がって好色家の条件を満たしたクラーとミレーにもっとえっちになってもらう為に、奈落最深部でのパワーレベリングに訪れた。


 今回は湖人族姉妹の他に、非戦闘員で自力で職業浸透を進める予定の無いシャロとキュール、乱れ砕月の試し撃ちに来たアウラと閃刃を試しに来たカレンが同行している。

 特にラトリアから職業浸透を勧められたカレンは張り切っていて、瞳をギラつかせてやる気を見せている。


「時にダンよ。キュールやシャロ殿の護衛はどうするのだ? アウラの防御スキルで非戦闘員を守るのか?」

「いや、今回見学の4人は俺が責任を持って護衛するよ。今回はスキルも魔法も禁止されてないしさ」

「任せていいなら貴様に丸投げさせてもらうぞ? 閃刃を試すのに必死で、恐らく私は周囲にまで気を配れないだろうからなっ」


 ようやく実戦で閃刃が使えると、カレンは目に見えて上機嫌だ。

 しかしそんなカレンとは対照的に、アウラは少し緊張しているね?


「私は乱れ砕月を試しながら竜鱗甲光でみんなを守り、みんなの会話も繋げ続けないとダメなんだねぇ……。で、出来るかなぁ……?」

「リーチェが何も言わず送り出し時点で問題ないと思うけど、そうやって警戒心を持つ事は大切だ。魔力が減ったらダガーを使って魔力を回復するんだよ?」

「う、うん……! 気をつけるねパパっ。フォローはお願いっ」


 安心したように肩の力を抜いて、巨大ハンマーであるタイニームーンとティムルとお揃いのオリハルコンダガーを握り締めるアウラ。

 今回は俺が同行しているから竜鱗甲光の出番は無いと思うけど、常にスキルを発動できるように備えておくのはいいことなので、あえて余計な口は挟まないでおいた。


 さて、これでカレンとアウラは心配ないんだけど……。

 海獣とも戦えるはずのクラーとミレーが少し辛そうにしているのが気になるな。


 職業の祝福が得られていないと、異界の魔力に満ちたアウター最深部は少し辛いのかもしれない。


「辛いかもしれないけど何とか我慢してね。今回お前たちに戦わせる予定も無いから、陸上での戦闘……つまり魔物との戦闘がどういうものかを体感して欲しいんだ」

「心配かけてごめん……。海中に似た雰囲気なのに居心地が悪い事にちょっと違和感を覚えちゃって……。大丈夫、何とか耐えてみせるわ」

「液化した私とおねぇをあっさり無力化したダンが本気で戦える場所で、不安なんて1つも無いの。おねぇと一緒に大人しくしてるから」


 2人とも少し辛そうな様子なのに、その反応は綺麗に対照的だな。

 多分ミレーを守らなきゃいけないって思ってるクラーと、俺とクラーに依存しているミレーとの意識の差なんだろう。


「キュールとシャロは2人の事を気にかけてあげてくれる? 2人の気が紛れるようにお互いの国や暮らしの話をしてもいいんじゃないかな」

「ナイスアイディアだよダンさんっ! 湖人族の話なんていくら聞いても聞き足りないし、2人も今後は私たちと生活するなら最低限の一般常識は身につけてもらわないとねー」

「ふふ。新米奥さんのお世話係り兼教育係りですね。お任せくださいご主人様っ」

「キュールの魔術師の浸透は難しいと思うから、キュールがサンダースパークを習得するあたりを目安にしようか。それじゃいくよみんなー」


 いつもとはまったく異なるパーティ編成に新鮮さを感じながら、逸るカレンを先頭にして中継地点を後にする。

 魔物の領域に足を踏み入れた途端に向けられる濃密な殺意と敵意から見学の4人を保護する為にサンクチュアリを展開しながら、今回は唯一魔物察知が使える俺の案内で魔物を狩りに歩き回る事にした。


「新たなる我が剣の錆となるがいい! 閃刃!」

「いっけー! 乱れ砕月ーっ! っとと、悪いけど魔力もらうねっ! 叫喚静刻ーっ!」


 今回は転移斬撃やクルセイドロアを惜しげもなく使えるので、見学の4人にかっこいいところを見せて盛り上がったところでお楽しみーという流れを期待していたんだけど、新技に張り切る2人を前にぶっちゃけやることが無いんだよ?

 閃刃で職業補正を走らせたカレンの剣はスレイブ種やドレイク種の首を一刀で落とせているし、タイニームーンで火力を、オリハルコンダガーの叫喚静刻で全範囲魔力吸収スキルを操るアウラはまさに一騎当千って感じだ。


 タイニームーンに始めから付与されていたユニークウェポンスキルの乱れ砕月は、分かりやすく言えば多重分身の術だ。

 暴王のゆりかごで、場所に合わせて分体で出現したタイニーコロッサスのドロップアイテムに相応しく、込めた魔力に応じて自分の分体を生み出し襲い掛かるという、単体、範囲攻撃どちらにも応用しやすい強力なウェポンスキルだった。


 分体が維持される時間は10秒ほどで魔力効率はあまり良くなく、魔力で作られた分体はやはり人体や物体に影響を及ぼすことは出来ないようだ。

 けれど複数の分体を同時に出現させることも可能で、その分体は造魔召喚のようにある程度の指示を聞きつつもオートで動かすことも可能で使い勝手が良さそうな気がする。

 アウラが慣れれば分体を囮に使ったり、1人時間差攻撃みたいなことも可能になりそうだから、攻守共に応用が利きそうな面白い能力に思える。


 けれどアウラは乱れ砕月よりも、ティムルの用意してくれた叫喚静刻にご満悦の様子だった。


「すっごいねこれ!? ウェポンスキルを使ったはずなのに逆に魔力がみるみる回復するんだもんっ! これがあれば魔力枯渇を起こす心配なんて無いんじゃないっ!?」

「そっかー。それじゃパパとえっちするのはもうやめちゃうかな?」

「残念でしたーっ! 私がパパとえっちするのはもう魔力なんて関係ありませーんっ! このあといーっぱい可愛がってね、パパっ!」


 欠片も残念じゃない事を叫びながら楽しそうに分体を放ち、失った魔力を叫喚静刻で回収するアウラ。

 こうして見ていても叫喚静刻ってあまりにも強力過ぎるスキルのように思えるんだけど、これが通じるのって結局アウターエフェクトまでなんだよなー。


 かつてティムルは世界呪の動きまで止めて見せたけど、タイミングによっては動きを阻害出来ないこともあったからな。

 叫喚静刻さえあればどんな敵でも倒せるってわけにはいかないからこの世界は侮れないよ。


「はぁーっはっはっはー! いくら閃刃を纏っても魔力が枯渇する気配も無いぞ!? 凄まじいなっ、スキルというのは!」


 カレンも閃刃で縦横無尽に魔物を狩り続けて大層ご機嫌だ。


 カレンの愛剣である聖銀ミスリルのロングソードにはスキルが付与されていなかったので、閃刃を最大限に活かすために魔力吸収スキルを大中小と3つ付与して差し上げたのだ。

 おかげで俺のショートソードと同等の魔力吸収性能を持ったカレンの愛剣は、魔力消費の著しい閃刃との相性が抜群のひと振りになってくれたようだ。


 しっかし、同じ閃刃使いであるカルナスはスキルをフルに付与されたミスリルの剣を愛用していたっぽいに、皇帝であるカレンの愛剣にスキルが付与されていないのは不思議だなぁ。


「カルナスは貪欲に力を求めてスキル付与の依頼を繰り返していたようだが、私には高額すぎるスキル付与が無駄な出費に思えてな。スキル付与は試さなかったんだよ」

「ふむふむ。原材料であるスキルジュエルだけでも王金貨クラスの費用が掛かるのに、加工費に更に王金貨数枚クラスの出費を払い、、それで付与が失敗するっていうんじゃカレンの評価も無理ないかな?」

「特に皇帝である私が贅沢をすると、それは帝国民から納められた血税を持ち出す事になるからな。あまり贅沢は言えなかったのだ。だがこうして実際にスキルの効力を体験すると、力を追い求めたカルナスの気持ちも理解出来てしまうぞぉっ! あはははははは!」


 最深部に高らかな笑い声を響かせながら、アウターエフェクトモドキをバッサバッサ切り捨てていくカレン。


 こうしてじっくり見た感じ、カルナスよりもカレンの方が剣の腕は磨かれているように感じるなぁ。

 皇帝であるが故に贅沢を自制していたカレンは、自らの剣の技術を磨く事に重きを置いていたのかもしれない。


「凄いわねぇ……。陸上であんなに早く動けるなんて信じられないわ……」

「逆に俺達には水中で高速移動が可能な液化の方が信じられないんだけどね。ま、カレンもアウラも最強に近い水準の実力の持ち主だから、あの2人の実力が一般的だと思っちゃだめだよクラー」

「ウェポンスキルに装備品、攻撃魔法に職業補正……。海の外って凄いね。色々圧倒されちゃうよ……」

「今ミレーが言った要素は、湖人族のみんなも同じように享受出来るもののはずだ。これからゆっくり試していこうね」


 この世界は祝福で満ちた世界なんだから、その祝福の恩恵を得られず生きるなんて勿体無いよ。

 湖人族が陸地で戦う必要があるかどうかは議論が必要かもしれないけど、職業浸透くらいは進めていくべきでしょ。



 やはりクラーたち湖人族も人間族に比べて浸透速度が遅く、最高効率で職業浸透を進められたのは人間族のカレンとシャロだった。

 元々が行商人と職人を設定していたカレンは新たに豪商と探索魔法士を希望し、元々支援魔法士と修道士をあげていたシャロは回復魔法士と司祭に転職し、更には複業家のスキル効果か司祭と回復魔法士まで浸透させてしまった。

 メイン職業は蒐集家に設定し、追加職業に攻撃魔法士と聖者を設定して2人の職業設定は完了だ。



 豪商 最大LV50
 補正 体力上昇- 持久力上昇- 幸運上昇 装備品強度上昇-
 スキル 魔玉発光促進 インベントリ


 探索魔法士 最大LV50
 補正 魔力上昇 魔法攻撃力上昇-
 スキル 探索魔法


 回復魔法士 最大LV50
 補正 魔力上昇 魔法攻撃力上昇-
 スキル 回復魔法


 司祭 最大LV50
 補正 体力上昇 魔力上昇 幸運上昇 魔法攻撃力上昇-
 スキル 治療魔法


 蒐集家 最大LV100
 補正 
 スキル 職業追加 経験値自動取得+


 攻撃魔法士 最大LV50
 補正 魔力上昇 魔法攻撃力上昇-
 スキル 中級攻撃魔法


 聖者 最大LV100
 補正  魔力上昇+ 魔法攻撃力上昇+ 全体幸運上昇+
 スキル 浄化魔法 全体体力自動回復 全体魔力自動回復



「浄化魔法使いも3人目だね。職業浸透数30のシャロが非戦闘員だなんて笑っちゃうとして、カレンのチョイスはちょっと意外だったかな?」

「そうか? 魔力発光促進スキルは私自身も体験してみたかったし、閃刃のための魔力補正と、1人でもアウターに潜れるように探索魔法を求めたのだから妥当だと思うがな? アナザーポータルの使える探索者と迷ったが」


 なるほど。言われてみれば意外な選択でもないのかもしれないな。

 今回行商人を浸透させたことで重量軽減スキルは必要充分だろうし、戦闘職じゃないくせに豪商のスキルと補正はなかなか優秀だ。

 強くなる為のチョイスだと言われてもそんなに違和感は無かったか。


「全く魔物と戦っていない私がこんなに職業浸透を進めるのは少々申し訳ないですが、浄化魔法を覚えられるのはありがたいですね。スレッドドレッドの巣穴では悔しい想いをしましたから」

「残念ながら職業浸透を進めないと使えないけどね。今後も一緒に浸透を進めよう」


 俺の子供を身篭っている皇帝陛下と王女様を抱き寄せ、労いを込めて口付けを贈る。

 カレンもシャロも興奮しているのか、いつもより情熱的にキスに応じてくれるから最高に気持ちいいなぁ。


 元々攻撃魔法士だったアウラは防具職人に転職し、インベントリの拡張と身体操作性補正の累積を狙う。

 叫喚静刻のおかげで魔力枯渇の不安が激減したアウラは、その最強の肉体を自由に操れるよう身体操作性補正を沢山獲得したくなっているみたいだ。


 今回浸透が終わらなかったキュールは魔導師LV38まで到達して、シャロと同じく非戦闘員でありながらも上級攻撃魔法サンダースパークを操れる一端の魔物狩りと化してしまった。

 しかし本人的には触心に使える魔力が補正によって伸びていくことの方が嬉しいらしく、サンダースパークにはあまり関心は無さそうだ。


「『不可視の箱。不可侵の聖域。魔で繋がりて乖離せよ。インベントリ』……。わわっ!? ほ、本当に出来ちゃったわっ!?」

「湖人族の生活環境だとあまり役立てられないかもしれないけどね。インベントリに収納出来る装備品で流弾砲が使えるかも分からないし」

「そうなの? なら早く試してみたいな。このあと湖流の里に行くのが楽しみになってきちゃった」


 クラーとミレーは生まれて初めて体験する職業の加護とインベントリに大騒ぎしている。

 おっかなびっくりのクラーに比べてミレーは事実を受け入れるのが早いようで、俺が用意した鉄製武器を楽しげな雰囲気でインベントリに収納している。


 2人の好色家が浸透したタイミングでは少しキリが悪かった為、旅人に転職させて持久力補正とインベントリを習得してもらったのだ。

 魔物と戦う機会の少ない湖人族のみんなにも、持久力補正が役立たない事はないだろうからな。


 ちなみに旅人のLVは24まで上がっているので、既にそこそこのものを収納可能だ。



 好色家 最大LV30
 補正 持久力上昇+ 持久力上昇 持久力上昇-
 スキル 精力増進 病気耐性-


 旅人 最大LV30
 補正 持久力上昇-
 スキル インベントリ



「これで無事に予定してた分の浸透は終わったわけだけど……。当然このまますんなり帰れるなんて思ってる人はいないよね?」

「ははっ! 好きにするがいい! 今の私は気分がいいぞ! 貴様に一方的に陵辱されても構わないくらいになぁっ!」

「ご主人様ぁ……。つまらない事を問う暇があったらさっさと押し倒してくださいませぇ……。シャロはもうお腹ペコペコで我慢できませんよぉ……?」


 カレンとシャロの下腹を撫でていた両手を下降させ、2人の下着の中に当然のように潜り込む。

 2人とも完全に準備万端のようだねっ。それじゃ今日も張り切って種付けしちゃうよーっ!


 野外プレイがデフォルトの湖人族姉妹も当年のような顔をしているので。お出かけ前の前哨戦をたっぷり楽しませてもらっちゃうねっ!
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