異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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776 怠慢

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「はっはっは! 研究者たちの顔を見たか!? 貴様のおかげで久々に爽快な気分だ! 私の乳などで良いのなら好きなだけ吸っていいぞ!」


 カルナスに唆されて反旗を翻した海洋研究所をサクッと放棄したカレンを連れてとりあえず迎賓館に移動した俺は、これは報酬だと差し出されたカレンのおっぱいにしゃぶりつきながら上機嫌なカレンの顔を眺めている。


 でも、ここ最近カルナスにやられっぱなしだったから意趣返しが出来た気になっているのかもしれないけど、こんな乱暴な人事が続いたらカレンの立場も危うくなってしまうだろう。

 だけどカレンも流石にそのあたりは心得ているようで、おっぱいをしゃぶる俺の額に何度もキスをしながら心配するなと微笑んでくれる。


「皇帝である私に真っ向から反旗を翻したのだ。ああでもしないと極刑に処さねばならないところだった。貴様のおかげだ、礼を言うぞダン」

「あ、自棄になって笑ってたんじゃなくって、彼らの処遇が軽くなったのが嬉しくて笑ってたのか。そういうことなら遠慮なくおっぱいしゃぶらせてもらうね。はむはむ」

「ああ、好きなだけしゃぶり倒すといい。人材は宝だ。それゆえなるべく無益に処断したくはない。今は敵対的でも将来的には分からんからな」


 ちゅぱちゅぱ。俺の可愛いカレン陛下は慈悲深いねぇ。

 あの時点で一族郎党親戚縁者まで処断する権力者もいそうなものなのに。はむはむ。


 なんにしても、冷静さを失ったわけじゃないなら心配の必要も無いかな?


「しかしダンよ。何故迎賓館に移動したのだ?」


 おっぱいをしゃぶり続ける俺の頭をあやすように撫でながら、カレンが疑問を投げかけてくる。

 うんうん。カレンもようやく俺におっぱいを吸われるのが当たり前だと認識してくれたようだね。はむはむちゅぱちゅぱ。


「わざわざ移動せずとも私室の掃除も既に済んでいたのだが。それに乳を吸うだけで挿れても来ないのはいったいなぜだ?」

「ん~? そんなに俺とえっちしたかったの? カレンは可愛いなぁ」

「くくく。愛する夫にめちゃくちゃにして欲しい気分なんだがなぁ? 妻がこんなに求めているというのに、何故挿れてくれないのだぁ……?」


 甘えたように囁きながら、覆い被さっている俺の股間に下から自分の股間を擦りつけてくるカレン。

 ちょっと前までは処女だったはずなんだけど、すっかり我が家とエロに染まってくれて嬉しいよ。


「迎賓館に来たのは海洋調査を諦めるわけにはいかないからだよ。出来ればカルナスとバルバロイに悟られたくないし」

「ほほぅ。ここを調査拠点にする気なのだな? 長年続いた研究所を放棄したことで海の先を見ることが出来そうなのは皮肉だが」

「そしておねだりカレンとまだえっちしてないのは、ちょっと真面目で楽しくない話が残ってるからなんだー。ちゅ~~……っぽん」


 カレンの身体が浮き上がるほど乳首を吸い上げてから、乳首責めだけでビクンビクンと震えるカレンを抱き締める。

 カレンが余韻を楽しんでいる間に他のメンバーの顔色を確認すると、シャロやティムルあたりがこれから話される話題に察しがついているようで、その表情を険しくさせている。


「多分カレンも気付いてると思うけど、俺達の行動が相手に伝わってるよね? 迎賓館に移動したのはそれが理由だよ」

「……ああ、忌々しいことに筒抜けのようだな。しかし世界樹ユニの所にはなんのアクションもない。つまり内通者は城で話したことしか知り得ていないのだろうよ」


 さして驚いた様子もなく淡々と俺に応じるカレン。

 既に俺にデレデレでメロメロのカレンだけど、色に溺れて思考が鈍ったりはしないようだ。


「そもそも私の立場が盤石ではないということもあるのだが、思った以上にカルナスの人気が高くて驚いているよ。最強という肩書きには想像以上のカリスマ性が宿るのかもしれないな」

「人間族でありながら他種族を凌駕したカルナスの姿は、多くの帝国民の憧れとなったんだろうね。人間族ってだけで生き辛い世界だから」

「かといって私の言葉よりも優先されるのが意外で仕方ない。器巫女の3人といい研究者たちといい、どうして皇帝である私よりも奴の言葉を信用するのやら……」


 甘えるように抱き付いたまま不思議そうに首を傾げるカレン。

 この様子だと本当に心当たりが無いらしい。


 ……でもなー。俺にはあるんだよなー、心当たりが。

 でもこれを言っちゃうと生涯ネタにされそうで、出来れば言いたくないんだよ?


 俺の言いたくない空気を察したらしいニーナがめっちゃ見てくるから、バレるのも時間の問題かぁ……。


「……ごめんカレン。多分それ、俺が原因なんだわ。多分俺と一緒になったことでカレンの発言力が弱まっちゃったんだと思う?」

「いやいやっ。それこそ意味が分からんぞ!? 貴様が帝国に齎した恩恵は計り知れないし、私たちの夫婦仲が睦まじいのも散々見せ付けてきたはずだ! 貴様以外に私の夫に相応しい男など何処にも居ないぞっ!?」

「はは。カレンが俺の事を大好きなのはちゃんと分かってるよ。俺も大好きだよカレンー。ちゅっちゅっ」

「ちゃ、茶化すなっ! 夫を愛しているなど当たり前だろう、まったく……!」


 茶化すなと怒りながらも、大好きだと言われて嬉しそうにキスに応じてくれるカレン。

 ツンツンカレンのツンツン乳首も、会話の邪魔にならない程度につんつんぷにぷにしてあげるねー。


「カレンが俺の事を大好きでいてくれるのは嬉しいけど、実はスペルド王国内の俺の評判って良くなくてね。そのせいでカレンの権威に影響が出てるんだと思うよ」

「む? 確かに貴様の王国内の評判は良くなかったと報告を受けているが……。キュールからはレガリアを壊滅させる為にあえて流した悪評だとも聞いているぞ?」

「あえて流したと言うか、流された悪評をあえて放置したっていうのが正解かな? あの時は他の妙案も思い浮かばなかったしね」


 会話する為にいつも通りおっぱいに移動して、根元から乳房を揉みあげておっぱいを絞るつもりでカレンの乳首をちゅうちゅうしゃぶる。

 そんな俺の頭をおっぱいに固定するように抱き寄せるカレンの姿は、なんだか母性すら感じさせる。


 悪評を知ってなお俺の事を全肯定してくるデレデレカレンは、何処までも我が子を信じようとする母親の姿のようにも感じられた。


「でもその後も悪評を放置しちゃったし、各地の領主を誘拐したりもしちゃってるからね。バルバロイなら利用しない理由が無いよ」

「領主の誘拐もレガリアの掃討のためだったのだろう? それで貴様が悪く言われるのは少々納得がいかないな……」

「俺、貴族社会には興味なくってさ。直接関わる人たちとさえ仲良く出来ればいいやって思って後始末を怠ってたんだよね。そのせいで貴族社会の中枢にいる皇帝カレンに迷惑をかけちゃった形だよ」


 今までもラトリアやシャロとか、現役の王国貴族を妻に迎えた事はある。

 けれどなんだかんだ言って俺の生活に合わせてくれたみんなのおかげで、俺は貴族社会との繋がりは殆ど感じずに生活してこれたのだ。


 しかしカレンは俺と婚姻を結び、俺との生活を心から楽しんでいてくれているのとは別に、皇帝としても精力的に活動し続けている。

 そもそも俺と接触してきた動機が自分の支持基盤の安定の為だからな。城を捨てたシャロや、息子に役割を引き継いだラトリアとは全く事情が違うのだ。


「悪評自体は今も気にしてないけど、こうしてカレンの足を引っ張る事になってしまったのは痛いね。横着はするもんじゃないなぁ」

「家族になったのだ。迷惑などと気にせず妻に甘えていいのだぞ? 迷惑どころか、どれだけ乳を吸われても文句も言えないほどに貴様には世話になりっぱなしなのだからな……」

「たとえ文句を言われてもカレンのおっぱいを吸うのはやめないけど、カレンが可愛い良い奥さんだからこそ申し訳なく感じちゃうね。今更どうしようもない話なんだけど」


 乳首の根元をこりこり甘噛みして何度かカレンを大きく反り返らせたあと、彼女の頬に口付けしながら過去の自分の判断を呪う。


 俺自身に負担が来る分にはどうでもいいけど、カレンに迷惑をかけてしまったのはどうにも許せないんだよな。

 流石に1度スペルディア王城に出向いて、あの馬鹿斬り捨ててくるか?


「俺が放置した悪評がカルナスとバルバロイの言葉に説得力を与えてしまったということだね。建国の英雄リーチェやスペルディア第1王女のシャロも唆されたのだと、第4王子にしてシャロの実兄であるあの男が言えば、じゃあカレンも騙されたに違いないと思っても仕方ないんじゃない?」

「意味が分からんなぁ。私が騙されていると言うなら、つまらぬ嫌がらせよりも私の身柄を確保すべきだろうに。こうしている今も私の身体は詐欺師に弄ばれているのになぁ?」


 周囲の意に反して俺に弄ばれている事を楽しげに語るカレン。


 実際カレンに想いを寄せているカルナスは、1日でも早くカレンを奪還したいと思ってるだろうなぁ。

 残念ながらカレンはもう俺との子供を身篭ってるはずだけどねー。


「少なくともカルナス自身は私よりも実力が上だと信じて疑っていないはずだ。私だけが城で仕事をしていた時間もあるのだから、内通者と協力してそれこそ誘拐でもすべきだろうに。本当に私に想いを寄せているのかあの男は?」

「そこも多分バルバロイの指示なんじゃないかな。あの男は俺達の実力をある程度把握しているから、カルナスを嗾けても返り討ちにされるのが分かってるんだ」


 そして俺とここまで敵対しておきながらチクチクとした嫌がらせに留めているのは、俺を本気で怒らせて直接乗り込んでこられるのを避けてるんだろうな。

 カレンに対して迷惑をかけている事に憤りを感じるけれど、今のところさほど影響がないくらいの嫌がらせに留めているあたり本当に厭らしい男だよ。


「多分バルバロイは今何かを準備してるんだろうね。だから嫌がらせに留めて仕掛けて来てるんだ。もしもカルナスにカレンを誘拐させたら、俺は世界中を虱潰しにしてでもカルナスとバルバロイを殺すだろう。だからカルナスを制止してるんじゃない?」

「ふふ。なら私は身の安全の為に、暫くは貴様とぴったりくっついていなければならないなぁ? ダンよ、か弱き私をカルナスの魔の手から護り抜いてくれぇ……」

「言われなくても誰にも渡さないっての。……もしかしたらこうやってカレンが俺に可愛がられている状況を放置してカルナスを奮起させているのかもしれないな? 次に見えた時には急激に腕をあげていたりしてねー」


 欲望や嫉妬の強さってのは時として愛や道理を上回ってくるからな。

 カルナスにはイントルーダーと、そのイントルーダーを1撃で葬り去ったグラン・フラッタの実力を見せ付けてしまったことだし、初めて会った時とは強さの次元が1つ2つは変わっている可能性も無くはない。


「ま、自分の怠慢を後悔したばかりでこんなことを言うのはなんだけど、カレンとシャロを俺に取られた恨みで突っかかってくる負け犬どもに構う気は無いよ。向こうが何かを準備しているなら、俺達はそのうちにやれる事を済ましちゃおう」

「……シャロ殿とバルバロイの関係は聞いたが、何とも悍ましい話だ。そして真相が暴かれたら開き直って貴様に逆ギレか。何気に先王シモンに1番似ているのは奴かもしれんなぁ」

「……ええ。愚弟は暗君だった父の性質を誰よりも強く受継ぎながら、父より遥かに優れた能力を持って生まれてしまいました。ご主人様を恐れてへこへこ頭を垂れていれば無害だったのですが……。事ここに到ってしまっては酌量の余地はありません」


 淡々とした口調で、実兄であるバルバロイを処断すると口にするシャロ。

 かつては慕い想いを寄せていた相手にも一切の容赦をする気は無さそうだ。


「優れた能力を有しながらも決して前に出ず、人を陥れ辱める事にしか喜びを見出せない憐れな愚兄ですが……。それゆえに臆病で逃げ回り、十分な準備と根回しを怠らない狡猾な男でもあります。あの男の準備が整うまで放置して本当に宜しいのですか?」

「構わないよ。何をされても真っ向から跳ね返してシャロは俺の女だと証明してみせるさ。シャロのような最高の女性を搦め手で手に入れられると思ったら大間違いだって、死ぬ前に思い知らせてあげないとね」

「くくく。なら今度はカルナスにも正面から見せつけてやってくれ。私はもう身も心の貴様の物であるとなぁ? それでも私を諦めないほどに馬鹿者なのであれば、もう救いようもなかろうよ」

「え? むぐっ」


 甘えるように俺に唇を重ねてくるカレンの言い分がちょっとだけ引っかかった。

 城を襲撃し神器を強奪、その後も様々な妨害行為を仕掛けてくる時点でまったく救いようがない気がするけど、カレンはどうやらそれとは別の事を気にかけているように思える。


 しかしその程度のちょっとしたひっかかりは、カレンに続いてキスをおねだりしてくる皆の舌の感触にかき消されて、直ぐに忘却の彼方に消え去ってしまったのだった。
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