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サーディユニオム教と直接話をして見た結果、サーディユニオム教の人たちもトライラム教会と変わらずいい人たちだったということが分かった。
なんでこの世界の宗教はこんなに高潔でいられるんだろうな?
地球の宗教団体と違って、ここでは宗教団体を運営するメリットがあまり無いのかもしれない。
魔物の脅威に晒されているこの世界で、人間相手に威張り散らそうとするような人もあんまり居ないし。
ガリアのような例外が居るのは仕方ないけど、基本的に弱者救済を積極的に行なうこの世界の宗教活動家たちの姿は、弱者を騙して食い物にしようとする人たちにとっては相性が悪いのかもな。
だからこそ限界以上に酷使されて、自由に活動する余裕を奪われていたのだろう。
思ったよりも話が早く済んだので、カレンはもう少し執務をこなしたいと城に戻っていった。
他の皆で一緒に帰宅し、アフタヌーンティーとお茶請けを用意して寝室の中でひと息ついた。
「ダンさんが司教様のことを言い包めていたのを思い出しましたよ……。なんでトライラム様の化身みたいなことばかりしておきながら、トライラム様を否定するような考え方にも共感できるんですかっ」
「相手の主張を変えさせず、いつのまにか俺達とサーディユニオム教を合流させようって騙りにゃあ舌を巻いたぜ? あれを悪意無しでやられるんだから堪ったもんじゃねぇよなぁ?」
俺の股間に顔を埋めて、おっぱいを活用しながらお茶ではないものを飲み下しているムーリと、背後から俺に抱き付いてきて覆い被さるように俺の口を吸うシーズ。
滅茶苦茶気持ち良いんだけど、これじゃ返事が出来ないんだよ。
会話が出来ないので、空いている両手はフラッタとリーチェのおっぱいを服の上からつんつんぷにぷにと転がして暇を潰す事にする。
服の上からでも硬さが分かるくらいにコリコリになってるねー。こういう悪戯ちっくな触り方って興奮するよぉ。
「まさかトライラム教会と対立していると聞いていたサーディユニオム教を懐柔してしまうとは思いませんでしたよ。ご主人様は口が上手いのもありますけど、そもそも発想がこの世界の人とは違うんですよね」
「あはーっ。単純に我が侭なだけかもしれないけどねー? サーディユニオム教の人が冷遇されている現状を変えたかったんじゃないかしらぁ?」
「ダンさんを通して客観的に聞いていると、確かにサーディユニオム教の考え方も理解できる部分はあるんだよね。トライラム教会のことを否定してしまっているから受け入れられていないだけで、彼らの存在全てを否定するのは早計だね」
シャロとティムルとキュールのお姉さん組が、今回の話の流れをまとめている。
いつもならここにリーチェが加わっているはずだけど、俺にツンツンポチポチされてくすぐったそうに笑ってくれるリーチェが可愛すぎるのでこのまま続けさせていただきますね。つんつんぷにぷに。
「識贄となった事は後悔していないと言っていましたが、神器にはもう関わりたくないとも言っていましたね。嘘を吐いているようには見えませんでしたし、サーディユニオム教は城の襲撃には関わっていないと感じました」
「私もラトリア様に同感です。ダンさんの提案には動揺を見せていましたから、襲撃に関わっていたなら何らかの反応を見せたでしょう。というか神器強奪の件よりもびっくりされてましたねぇ……」
「だよねーっ!? もうおかしくっておかしくって笑いを堪えるのに必死だったのー!」
ラトリアとエマが割と真面目な感想を口にしているのに、爆笑しながら乱入してきたターニアのせいで真面目な雰囲気がぶち壊しだよっ。
けたけたと笑うターニアは魅力が爆発してるので止めることも出来ないけどさっ。
「ダンさんは普通に話してるのに相手がどんどん引いていくのが面白すぎたのーっ! いつものことだけどねっ!」
「旦那様は自分が普通だと信じて疑っておりませんからねぇ……。普通ここまであらゆる人に指摘されたら、自分は普通ではないかも? と疑いません?」
「他人の事は冷たいくらいに客観視する割には、自分のことは全く見えてないんだよねー。ダンらしいと言えばダンらしいけど」
「ダンが自分の事を考える時って、いつも元の世界の自分の事を基準に考えてるんだ。こっちの世界に来たダンは放っておくと消えていなくなっちゃうから、皆で捕まえておかなきゃいけないのっ」
呆れるヴァルゴに首を傾げるチャール。
そして、だからいーっぱいえっちしなきゃダメなんだよっと張り切るニーナ。
なになに? 我が家ではえっちが義務化されてるんですか? 望む所すぎるぜっ。
「そろそろ俺も会話に参加させてねー。ムーリとシーズは一旦お休みしよっか」
暫くムーリとシーズの好きにさせた後、ムーリのポジションにはリーチェに収まっていただき、フラッタの事は横に抱いて可愛いおっぱいの感触をくりくりもみもみと楽しみながら会話に参加する、
キスをお預けされたフラッタは不満げにぶーっと頬を膨らませたけれど、可愛いおっぱいを弄ってあげると直ぐに気持ち良さそうに体を捩り始めた。
は~、フラッタが可愛すぎる~。
「啓識の皆さんと話をした感じ、トライラム様を憎んでいるというよりは競争社会を疑問視している風だったからね。トライラム様を敵視している視線をちょっと逸らしてみたんだ」
「ダンはあっさり言っておるが、妾にはトライラム様を敵視しているようにしか思えなかったのじゃ。向こうの拒絶の態度に引っ張られてしまったのかもしれぬのう」
フラッタの言葉に、おっぱいで挟んで咥えたままコクコクと頷くリーチェ。
咥えたままで頷くのは気持ちよすぎるから自重して欲しいんだよ? 俺は口よりも中に出したい派だしさー。
可愛いフラッタも俺以外に引っ張られちゃダメなんだよー?
フラッタのこのピンクで敏感なおっぱいの先っぽを引っ張っていいのはお俺だけだからねー? ぎゅー。くりくり。
「ダンさんがサーディユニオム教に改宗するわけではないのは理解しましたけど、だからと言って王国にサーディユニオム教を誘致するのはどういう意図があるんですか?」
「そうそう。協力し合えるならそれに越した事はねーけど、現状俺達教会側も特に困ってねーんだよな。手を取り合うって言っても共同で取り組むことが無いっつうかさー」
けふっと小さくむせるムーリと、口周りを拭うシーズがそれぞれ改めて問いかけてくる。
2人の中ではエロいターンは既に終了したようだ。隙を見て不意打ちしよう。
「両者に余裕がある今のうちに交流を図るのがいいと思うんだ。余裕が無い時って些細なことでも気に障っちゃうから、協力し合うのが逆に難しくなると思うんだよね」
「ん、それはそうかもしれません……。仮に昨年末までにサーディユニオム教に歩み寄られたとしても、協会側に受け入れる余裕があったとはとても……」
「それにトライラム教会とサーディユニオム教を求める人って恐らく別々だから、意外と住み分け出来ると思うんだ」
己の身を投げ打って誰かに尽くしたいと思う人もいれば、余裕があるときだけ気紛れに徳を積みたい人もいるだろう。
自分たちが困窮してまで炊き出しを続けていた教会の活動を『重い』と感じてしまう人もいるはずだ。ソースは俺。
「せっかく信仰的にはほぼ対立してないんだから協力しない手は無いんだよ。今後は恐らく新たな啓識も生まれそうもないしさ」
「……そっか! 仮に神器の奪還に成功しても、カレン様はそのままダンに神器を渡してきそうだもんなっ!?」
「勿論俺も神器を使う気なんてないから、識の水晶が使用されることはもうないはずだ。そうなった時、彼らにも道を示してあげないと不公平かなとも思ってさ」
現在のサーディユニオム教は熱を失った啓識が運営していることで成り立っている組織だけど、今後はそうもいかない。
私利私欲にまみれて女性信徒に片っ端から手を出す、ガリアみたいなスケベ親父にトップに立たれたりしないとも限らないからな。
そういう不届き者が嫌がるような役割や、不祥事が発覚しやすいように社会的な繫がりを用意しておきたいところだ。
「将来的にトライラム教会に教育を任せたいって話もしたじゃん? 情熱を持って献身するトライラム教会と教育は相性がいいと思うけど、サーディユニオム教はそうじゃないよね?」
「んっ……。そうじゃなぁ。教育とは成長と育成に直結する要素であるとするなら、現状に満足せよという教義とは相容れないかもしれないのじゃ」
「え~? それを言ったら何も出来無くないかなぁ? 情熱を無くした人達に向いてる仕事なんてあるの、フラッタママー?」
フラッタの言葉に疑問を呈するアウラは、順番待ちをするかのように俺の直ぐ脇で寝そべっている。
さっきも可愛がってあげたのにまだ足りないなんて、パパ張り切ってしまうなぁっ。
「ふははっ。アウラよ、案ずるでないっ。そういう変なことはダンに任せれば……ひゃぁっ!?」
「なぁにフラッタ? そんなにお仕置きして欲しいの? まったくフラッタったら甘えん坊なんだからぁ」
「やぁぁぁっ……! 優しくコシコシだめぇっ……! おっぱいダメにされちゃうのじゃぁぁぁっ……!」
何にもダメじゃないよー? フラッタのおっぱいは最高なんだよー?
優しく執拗にくりくりしてあげるから、何処までも気持ちよくなろうねー。
「情熱が無いと言われるとやる気が無いように思えるかもしれないけどさ。サーディユニオム教の人たちはやる気が無いんじゃなくて感情の起伏が乏しいんだ。それは逆に言えば、他人が嫌がる仕事に対する嫌悪感も少ないってことだと思うんだよ」
「え、えぇ~? たとえ情熱が無くったって、嫌なものは嫌なんじゃないかなぁ……?」
「ま、その辺は本人たちにしか分からないことだとは思うけど、今後王国法が変わらない限り奴隷は激減するだろうし、割の悪い斡旋所の仕事をこなす人は減っていくはずだ。そういった仕事を担当してもらうのもアリじゃない?」
「だからぁ、いくら情熱が無くったって、好き好んで割の悪い仕事をする人なんて居ないでしょって言ってるのっ。無理矢理押し付けるつもりもないんでしょ?」
話が噛み合わなくて若干もどかしそうにしているアウラの頭を撫でてあげる。
実際アウラの言っている事は当たり前の考え方で、やる気が無くても割りの合わない仕事なんてやりたがる人はいないだろう。
でもサーディユニオム教の人たちって、単純にやる気が無いと言うわけでもないんだよなぁ。
「サーディユニオム教の本質って、競争を避けて穏やかに生きたいってことだと思うんだ。彼らはやる気が無いんじゃなくて、争ったり競ったりと言った他人との軋轢や摩擦を嫌ってるんだよ」
「んー、だったらトライラム教会を拒絶するのを止めなきゃダメじゃないのー?」
「ぷっ。その通り過ぎるけど、彼らはトライラム様こそが競争社会の根幹を成していると認識しているからね。トライラム様の事を認めるわけにはいかないんじゃない?」
実際に職業の祝福が奪われたら種族差や才能や資質の差を覆すことが出来なくなり、人間族は敗北者という形で競争から抜け出す事は出来るかもしれないけどね。
流石にそんな扱いを望む人は居ないだろうし、サーディユニオム教の人たちだって不本意な結果のはずだ。
「俺が元居た世界も超競争主義の社会でさぁ。子供の頃から明確に優劣を突きつけられて、それが死ぬまで続くような社会だったんだよ。競争に敗れた人を救済する仕組みも少なくて、死ぬまで続く競争に絶望して自ら命を絶つ人も少なくなかったんだよねー」
「競い合う事に絶望して自死を選ぶのですか……? ちょっと私には理解しかねます。ですがそんな社会で生きてきた旦那様だから、サーディユニオム教の教えを直感的に理解できたということですか」
「ヴァルゴたちみたいに苛酷な生活環境に身を置いてると、生きるのに精一杯で余計な事を考える余裕も無いんだけどさ。向こうでは適当に過ごしてもそれなりに生きていけちゃうから、だからこそ競争に嫌気が差してしまうんだと思うなぁ」
日本で流されるように生きていた俺がこの世界で必死になって生きることが出来たのは、転移直後に開拓村の惨劇に巻き込まれて日本で育んできた価値観が崩壊してしまったせいもあると思う。
いくらニーナのためとは言え、この世界に来て2ヶ月も経っていないのに人を殺めたり出来たのは我ながらかなり異常だったというか、それほど追い詰められていたんだと思う。
「ま、そんな風に競争社会を経験してきたから、これからのスペルド王国が少し心配になったんだ。競い合って高め合うことはとても大切なことだけど、それ以外の生き方もちゃんと用意しておいてあげたいなって。サーディユニオム教にはそういう人たちの受け皿というか、指針になってもらいたいと思ってるんだー」
「ん~、ダンが言っている事は分かるんだけどぉ……」
俺の考えを聞いて、チャールが難しい顔をして考え込んでいる。
トライラム教会を信仰しているチャールだから思うところがあるのかなと思えば、彼女が納得いっていないのは俺に関してだったようだ。
「武器を握ったことも誰かと喧嘩したことも無かったくせに、1年も経たずに世界最強になったダンがサーディユニオム教に理解を示すのが、なぁ~んか納得いかないんですけどーっ?」
「ああ、それは勘違いですよチャール。旦那様は徹頭徹尾、誰かと競い合ったことは無いんです」
俺を問い詰めようとするチャールに答えたのは、俺ではなくヴァルゴだった。
ヴァルゴはは~やれやれと首を左右に振りながら、心底嫌そうに言葉を続ける。
「職業浸透を進めるのも剣の腕を磨くのも、旦那様にとっては必要だからやっているだけなんです。改めて考えると、確かにサーディユニオム教の考え方に近いんですよね」
「ダンさんは私を剣の師だと仰いでくれていますけど、私の剣を理想とはしてくれないんです。ダンさんには競うべき相手も見据える目標も無くて、剣も魔法も全てが手段で通過点に過ぎないんですよぉ……」
「あはーっ。違う世界で生きてきたことが関係してると思うんだけど、ダンってここまで強くなってもまぁだ不安で不安で仕方無いのよぉ? 世界呪を祓っても邪神を滅したとしても、ダンはそこで充分だーって思ってくれないのよねぇ?」
勘弁して欲しいという雰囲気のヴァルゴとラトリアの言葉を継いだティムルお姉さんが、からかい口調で俺にしなだれかかってくる。
ティムルもそろそろえっちな気分になって来てくれたのかなっ。
俺が充分だーって思う瞬間は、みんなと触れ合っている時だけなんだよー。
だからリーチェ。いい加減口を離して? ご奉仕はもう充分なんだってばーっ。
なんでこの世界の宗教はこんなに高潔でいられるんだろうな?
地球の宗教団体と違って、ここでは宗教団体を運営するメリットがあまり無いのかもしれない。
魔物の脅威に晒されているこの世界で、人間相手に威張り散らそうとするような人もあんまり居ないし。
ガリアのような例外が居るのは仕方ないけど、基本的に弱者救済を積極的に行なうこの世界の宗教活動家たちの姿は、弱者を騙して食い物にしようとする人たちにとっては相性が悪いのかもな。
だからこそ限界以上に酷使されて、自由に活動する余裕を奪われていたのだろう。
思ったよりも話が早く済んだので、カレンはもう少し執務をこなしたいと城に戻っていった。
他の皆で一緒に帰宅し、アフタヌーンティーとお茶請けを用意して寝室の中でひと息ついた。
「ダンさんが司教様のことを言い包めていたのを思い出しましたよ……。なんでトライラム様の化身みたいなことばかりしておきながら、トライラム様を否定するような考え方にも共感できるんですかっ」
「相手の主張を変えさせず、いつのまにか俺達とサーディユニオム教を合流させようって騙りにゃあ舌を巻いたぜ? あれを悪意無しでやられるんだから堪ったもんじゃねぇよなぁ?」
俺の股間に顔を埋めて、おっぱいを活用しながらお茶ではないものを飲み下しているムーリと、背後から俺に抱き付いてきて覆い被さるように俺の口を吸うシーズ。
滅茶苦茶気持ち良いんだけど、これじゃ返事が出来ないんだよ。
会話が出来ないので、空いている両手はフラッタとリーチェのおっぱいを服の上からつんつんぷにぷにと転がして暇を潰す事にする。
服の上からでも硬さが分かるくらいにコリコリになってるねー。こういう悪戯ちっくな触り方って興奮するよぉ。
「まさかトライラム教会と対立していると聞いていたサーディユニオム教を懐柔してしまうとは思いませんでしたよ。ご主人様は口が上手いのもありますけど、そもそも発想がこの世界の人とは違うんですよね」
「あはーっ。単純に我が侭なだけかもしれないけどねー? サーディユニオム教の人が冷遇されている現状を変えたかったんじゃないかしらぁ?」
「ダンさんを通して客観的に聞いていると、確かにサーディユニオム教の考え方も理解できる部分はあるんだよね。トライラム教会のことを否定してしまっているから受け入れられていないだけで、彼らの存在全てを否定するのは早計だね」
シャロとティムルとキュールのお姉さん組が、今回の話の流れをまとめている。
いつもならここにリーチェが加わっているはずだけど、俺にツンツンポチポチされてくすぐったそうに笑ってくれるリーチェが可愛すぎるのでこのまま続けさせていただきますね。つんつんぷにぷに。
「識贄となった事は後悔していないと言っていましたが、神器にはもう関わりたくないとも言っていましたね。嘘を吐いているようには見えませんでしたし、サーディユニオム教は城の襲撃には関わっていないと感じました」
「私もラトリア様に同感です。ダンさんの提案には動揺を見せていましたから、襲撃に関わっていたなら何らかの反応を見せたでしょう。というか神器強奪の件よりもびっくりされてましたねぇ……」
「だよねーっ!? もうおかしくっておかしくって笑いを堪えるのに必死だったのー!」
ラトリアとエマが割と真面目な感想を口にしているのに、爆笑しながら乱入してきたターニアのせいで真面目な雰囲気がぶち壊しだよっ。
けたけたと笑うターニアは魅力が爆発してるので止めることも出来ないけどさっ。
「ダンさんは普通に話してるのに相手がどんどん引いていくのが面白すぎたのーっ! いつものことだけどねっ!」
「旦那様は自分が普通だと信じて疑っておりませんからねぇ……。普通ここまであらゆる人に指摘されたら、自分は普通ではないかも? と疑いません?」
「他人の事は冷たいくらいに客観視する割には、自分のことは全く見えてないんだよねー。ダンらしいと言えばダンらしいけど」
「ダンが自分の事を考える時って、いつも元の世界の自分の事を基準に考えてるんだ。こっちの世界に来たダンは放っておくと消えていなくなっちゃうから、皆で捕まえておかなきゃいけないのっ」
呆れるヴァルゴに首を傾げるチャール。
そして、だからいーっぱいえっちしなきゃダメなんだよっと張り切るニーナ。
なになに? 我が家ではえっちが義務化されてるんですか? 望む所すぎるぜっ。
「そろそろ俺も会話に参加させてねー。ムーリとシーズは一旦お休みしよっか」
暫くムーリとシーズの好きにさせた後、ムーリのポジションにはリーチェに収まっていただき、フラッタの事は横に抱いて可愛いおっぱいの感触をくりくりもみもみと楽しみながら会話に参加する、
キスをお預けされたフラッタは不満げにぶーっと頬を膨らませたけれど、可愛いおっぱいを弄ってあげると直ぐに気持ち良さそうに体を捩り始めた。
は~、フラッタが可愛すぎる~。
「啓識の皆さんと話をした感じ、トライラム様を憎んでいるというよりは競争社会を疑問視している風だったからね。トライラム様を敵視している視線をちょっと逸らしてみたんだ」
「ダンはあっさり言っておるが、妾にはトライラム様を敵視しているようにしか思えなかったのじゃ。向こうの拒絶の態度に引っ張られてしまったのかもしれぬのう」
フラッタの言葉に、おっぱいで挟んで咥えたままコクコクと頷くリーチェ。
咥えたままで頷くのは気持ちよすぎるから自重して欲しいんだよ? 俺は口よりも中に出したい派だしさー。
可愛いフラッタも俺以外に引っ張られちゃダメなんだよー?
フラッタのこのピンクで敏感なおっぱいの先っぽを引っ張っていいのはお俺だけだからねー? ぎゅー。くりくり。
「ダンさんがサーディユニオム教に改宗するわけではないのは理解しましたけど、だからと言って王国にサーディユニオム教を誘致するのはどういう意図があるんですか?」
「そうそう。協力し合えるならそれに越した事はねーけど、現状俺達教会側も特に困ってねーんだよな。手を取り合うって言っても共同で取り組むことが無いっつうかさー」
けふっと小さくむせるムーリと、口周りを拭うシーズがそれぞれ改めて問いかけてくる。
2人の中ではエロいターンは既に終了したようだ。隙を見て不意打ちしよう。
「両者に余裕がある今のうちに交流を図るのがいいと思うんだ。余裕が無い時って些細なことでも気に障っちゃうから、協力し合うのが逆に難しくなると思うんだよね」
「ん、それはそうかもしれません……。仮に昨年末までにサーディユニオム教に歩み寄られたとしても、協会側に受け入れる余裕があったとはとても……」
「それにトライラム教会とサーディユニオム教を求める人って恐らく別々だから、意外と住み分け出来ると思うんだ」
己の身を投げ打って誰かに尽くしたいと思う人もいれば、余裕があるときだけ気紛れに徳を積みたい人もいるだろう。
自分たちが困窮してまで炊き出しを続けていた教会の活動を『重い』と感じてしまう人もいるはずだ。ソースは俺。
「せっかく信仰的にはほぼ対立してないんだから協力しない手は無いんだよ。今後は恐らく新たな啓識も生まれそうもないしさ」
「……そっか! 仮に神器の奪還に成功しても、カレン様はそのままダンに神器を渡してきそうだもんなっ!?」
「勿論俺も神器を使う気なんてないから、識の水晶が使用されることはもうないはずだ。そうなった時、彼らにも道を示してあげないと不公平かなとも思ってさ」
現在のサーディユニオム教は熱を失った啓識が運営していることで成り立っている組織だけど、今後はそうもいかない。
私利私欲にまみれて女性信徒に片っ端から手を出す、ガリアみたいなスケベ親父にトップに立たれたりしないとも限らないからな。
そういう不届き者が嫌がるような役割や、不祥事が発覚しやすいように社会的な繫がりを用意しておきたいところだ。
「将来的にトライラム教会に教育を任せたいって話もしたじゃん? 情熱を持って献身するトライラム教会と教育は相性がいいと思うけど、サーディユニオム教はそうじゃないよね?」
「んっ……。そうじゃなぁ。教育とは成長と育成に直結する要素であるとするなら、現状に満足せよという教義とは相容れないかもしれないのじゃ」
「え~? それを言ったら何も出来無くないかなぁ? 情熱を無くした人達に向いてる仕事なんてあるの、フラッタママー?」
フラッタの言葉に疑問を呈するアウラは、順番待ちをするかのように俺の直ぐ脇で寝そべっている。
さっきも可愛がってあげたのにまだ足りないなんて、パパ張り切ってしまうなぁっ。
「ふははっ。アウラよ、案ずるでないっ。そういう変なことはダンに任せれば……ひゃぁっ!?」
「なぁにフラッタ? そんなにお仕置きして欲しいの? まったくフラッタったら甘えん坊なんだからぁ」
「やぁぁぁっ……! 優しくコシコシだめぇっ……! おっぱいダメにされちゃうのじゃぁぁぁっ……!」
何にもダメじゃないよー? フラッタのおっぱいは最高なんだよー?
優しく執拗にくりくりしてあげるから、何処までも気持ちよくなろうねー。
「情熱が無いと言われるとやる気が無いように思えるかもしれないけどさ。サーディユニオム教の人たちはやる気が無いんじゃなくて感情の起伏が乏しいんだ。それは逆に言えば、他人が嫌がる仕事に対する嫌悪感も少ないってことだと思うんだよ」
「え、えぇ~? たとえ情熱が無くったって、嫌なものは嫌なんじゃないかなぁ……?」
「ま、その辺は本人たちにしか分からないことだとは思うけど、今後王国法が変わらない限り奴隷は激減するだろうし、割の悪い斡旋所の仕事をこなす人は減っていくはずだ。そういった仕事を担当してもらうのもアリじゃない?」
「だからぁ、いくら情熱が無くったって、好き好んで割の悪い仕事をする人なんて居ないでしょって言ってるのっ。無理矢理押し付けるつもりもないんでしょ?」
話が噛み合わなくて若干もどかしそうにしているアウラの頭を撫でてあげる。
実際アウラの言っている事は当たり前の考え方で、やる気が無くても割りの合わない仕事なんてやりたがる人はいないだろう。
でもサーディユニオム教の人たちって、単純にやる気が無いと言うわけでもないんだよなぁ。
「サーディユニオム教の本質って、競争を避けて穏やかに生きたいってことだと思うんだ。彼らはやる気が無いんじゃなくて、争ったり競ったりと言った他人との軋轢や摩擦を嫌ってるんだよ」
「んー、だったらトライラム教会を拒絶するのを止めなきゃダメじゃないのー?」
「ぷっ。その通り過ぎるけど、彼らはトライラム様こそが競争社会の根幹を成していると認識しているからね。トライラム様の事を認めるわけにはいかないんじゃない?」
実際に職業の祝福が奪われたら種族差や才能や資質の差を覆すことが出来なくなり、人間族は敗北者という形で競争から抜け出す事は出来るかもしれないけどね。
流石にそんな扱いを望む人は居ないだろうし、サーディユニオム教の人たちだって不本意な結果のはずだ。
「俺が元居た世界も超競争主義の社会でさぁ。子供の頃から明確に優劣を突きつけられて、それが死ぬまで続くような社会だったんだよ。競争に敗れた人を救済する仕組みも少なくて、死ぬまで続く競争に絶望して自ら命を絶つ人も少なくなかったんだよねー」
「競い合う事に絶望して自死を選ぶのですか……? ちょっと私には理解しかねます。ですがそんな社会で生きてきた旦那様だから、サーディユニオム教の教えを直感的に理解できたということですか」
「ヴァルゴたちみたいに苛酷な生活環境に身を置いてると、生きるのに精一杯で余計な事を考える余裕も無いんだけどさ。向こうでは適当に過ごしてもそれなりに生きていけちゃうから、だからこそ競争に嫌気が差してしまうんだと思うなぁ」
日本で流されるように生きていた俺がこの世界で必死になって生きることが出来たのは、転移直後に開拓村の惨劇に巻き込まれて日本で育んできた価値観が崩壊してしまったせいもあると思う。
いくらニーナのためとは言え、この世界に来て2ヶ月も経っていないのに人を殺めたり出来たのは我ながらかなり異常だったというか、それほど追い詰められていたんだと思う。
「ま、そんな風に競争社会を経験してきたから、これからのスペルド王国が少し心配になったんだ。競い合って高め合うことはとても大切なことだけど、それ以外の生き方もちゃんと用意しておいてあげたいなって。サーディユニオム教にはそういう人たちの受け皿というか、指針になってもらいたいと思ってるんだー」
「ん~、ダンが言っている事は分かるんだけどぉ……」
俺の考えを聞いて、チャールが難しい顔をして考え込んでいる。
トライラム教会を信仰しているチャールだから思うところがあるのかなと思えば、彼女が納得いっていないのは俺に関してだったようだ。
「武器を握ったことも誰かと喧嘩したことも無かったくせに、1年も経たずに世界最強になったダンがサーディユニオム教に理解を示すのが、なぁ~んか納得いかないんですけどーっ?」
「ああ、それは勘違いですよチャール。旦那様は徹頭徹尾、誰かと競い合ったことは無いんです」
俺を問い詰めようとするチャールに答えたのは、俺ではなくヴァルゴだった。
ヴァルゴはは~やれやれと首を左右に振りながら、心底嫌そうに言葉を続ける。
「職業浸透を進めるのも剣の腕を磨くのも、旦那様にとっては必要だからやっているだけなんです。改めて考えると、確かにサーディユニオム教の考え方に近いんですよね」
「ダンさんは私を剣の師だと仰いでくれていますけど、私の剣を理想とはしてくれないんです。ダンさんには競うべき相手も見据える目標も無くて、剣も魔法も全てが手段で通過点に過ぎないんですよぉ……」
「あはーっ。違う世界で生きてきたことが関係してると思うんだけど、ダンってここまで強くなってもまぁだ不安で不安で仕方無いのよぉ? 世界呪を祓っても邪神を滅したとしても、ダンはそこで充分だーって思ってくれないのよねぇ?」
勘弁して欲しいという雰囲気のヴァルゴとラトリアの言葉を継いだティムルお姉さんが、からかい口調で俺にしなだれかかってくる。
ティムルもそろそろえっちな気分になって来てくれたのかなっ。
俺が充分だーって思う瞬間は、みんなと触れ合っている時だけなんだよー。
だからリーチェ。いい加減口を離して? ご奉仕はもう充分なんだってばーっ。
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現在、第三章フェレスト王国エルフ編

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neru
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Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
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孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
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