異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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756 パーテーション

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「簡単に言えば、神器使用者の私欲に魔力が影響を受けて、本来呼び出すはずじゃなかった邪神が呼び出されてしまったってこと……!?」


 俺が想像したガルクーザ召喚の真実を説明されたティムルは、震えた声で怯えたように悲鳴をあげてしまった。

 しかし怯えているのはティムル1人だけではなく、シャロやユーゴーさんを含めたこの場の全員が青褪めて小さく体を震えさせている。


 特にユーゴーさんたちの表情は、青を通り越して白いと言った方が良さそうなくらいだ。


「あくまで想像でしかないんだけど、組織レガリアでさえ人類の滅亡を望んでいなかった以上、この世界で人類滅亡を望む奴なんて居ないんだ。だから邪神召喚が事故だったのはまず間違いない」

「そ、それ以前に……! 邪神の召喚が人の手で行なわれた事はもう確定なんですかっ……!?」

「それは確定だと思うよトッティさん。何の前触れもなくイントルーダーが出現することってありえないからね。、の話だけど」

「何の前触れも無く突然出現したことが、そのまま人為的な召喚の証明になっていると……!?」


 論理の飛躍を感じなくもないんだけど、アウターエフェクト以上の魔物がアウター外で発生することはありえないし、ありえるとしたらそれは何らかの外部要因が加わらないと起こらないはずなのだ。

 具体的には組織レガリアによる同時多発テロの時に使用されたマジックアイテムや、整合の魔器のようなレリックアイテム、もしくはノーリッテの造魔召喚のことだね。


 アウターエフェクトですら最深部の魔物を数千~数万は滅ぼさないと出ないのだから、そんな大量の魔力が自然に溜まるとはとても思えない。

 何の前触れもなくアウターエフェクト以上の魔物が出現する事は、この世界のシステムルールを超えたバグ、言ってしまえばヒューマンエラーみたいなものだと思う。


「イントルーダーも出現したことの無かった当時、邪神の召喚を願って神器を使用する者がいたとは考えにくい。けれど変世の3女神と祝福の神トライラム様の存在を疑う者はこの世界にはまず居ないんでしょ? なら恐らく絶対的な力を求めて神の降臨を願うのは自然な成り行きだったんじゃない?」

「自然な……自然なはずないでしょっ!? たとえ神の降臨を願ったとして、どうしてそれで魔力を集めようって発想に至るわけぇっ……!?」

「そこも多分神器を使ったんだ。変世の3女神や祝福の神を超える神を創造する方法は? みたいな質問でもしたんだと思うよ」

「……識の、水晶っ……!!」

「神の創造なんて……! なんて、なんてことを……!」


 驚愕を強めるティムルと、全身から冷たい汗を噴き出しながら焦点が合わなくなりつつあるシャロ。

 当時のスペルディア家が実行犯だったことさえまだ未確定なのに、性根が真面目で優しいシャロは俺の想像以上の衝撃を受けてしまっているようだ。


 こういう時に愛する家族を現実に引き止める方法は1つだけだよなと、震えるシャロの口内に深く舌を挿し込んだ。


「ん、ふぅ……! んっ、はぁっ……! はむ、ぅんっ……!」


 まるで助けを求めるように必死で俺に縋りつくシャロの舌を、大丈夫だよと安心させるように自分の舌でよしよしなでなで。


 シャロはなにも気にしなくていいんだよー?

 可愛いシャロに何の責任も無いし、仮に責任があったとしても俺が一緒に背負って解決して帳消しにしてあげるからねー。


 数分キスしてもなかなか落ち着いてくれないシャロの下着に手を入れて、普段は封印している敏感な核を刺激する。


「んんっ……!? んんーっ!! んんーーーっ……!!」

「……っぷぅ。大丈夫だよシャロ。俺もティムルもお前の事が大好きだからね」


 強い刺激を受けてシャロが脱力したらキスを止め、ぎゅっと抱きしめながら今度は彼女の後頭部を優しくよしよしなでなでする。

 耳元で愛を囁きながら、シャロの体温と呼吸がいつも通りの甘さを孕んでいる事を確認して安堵する。


「さっきも言ったけど、シャロにはなんの責任も無いんだってば。それでも気にしてしまうなら俺を頼って。俺は愛するお前のためなら邪神なんか滅ぼしてやるし、邪神の残した爪痕だって全部解決してみせるから」

「はぁっ……! はぁっ……! ご主人様っ、ご主人様ぁっ……!」


 まるで悪夢に怯える幼子のように、力の入らない両腕で泣きながら俺に抱き付いてくるシャロ。

 シャロが泣くなんてスレッドドレッドの1件以来だけど、体の震えは少しずつ収まっているようだな。


 でもシャロだけにキスするのも申し訳ないのでぇ、ティムルの舌もいただきまーすっ。


「ダン待っ……! はむ……んっ! キスの前に説め……! ちゅる。ふ、ふぅぅ……」


 キスよりも邪神召喚の話を優先しようとして抵抗するティムルの唇を強引に塞ぐ。

 夫とのキスより邪神に心奪われる悪い奥さんには、たぁ~っぷりお仕置きしてあげちゃうんだよーっ。れろれろちゅぱちゅぱ。


 力の抜けたティムルの舌に、にゅるにゅる折檻を繰り返しながら部屋の中を確認する。

 するとこれまたお誂え向きに、これで視線を遮ってと言わんばかりに衝立が置いてあった。


「……ごめんトッティさん。俺達のことをそこの衝立で隠してくれる?」

「………………え、えぇ?」

「不安がる妻を慰めたくてね。それにこの部屋には元々、そういうことをするつもりでやってきたわけだし」

「そ、そういうことってぇ………! たたっ、只今対応させていただきますねっ!」


 ちょっと今回の話題は刺激が強すぎるみたいなので、エロいことで気を紛らわせないと危険そうだ。

 勿論俺がえっちしたいだけではあるんだけど、えっちでもしながらじゃないと可愛い2人が邪神に心囚われてしまいそうだからね。仕方ないのだ、うん。


 背もたれの高いソファと衝立で仕切られた途端にシャロが俺の股間に顔を突っ込み、ぱくりと咥え込んでくる。

 しかし一心不乱に俺のモノをしゃぶる姿からは甘い雰囲気は微塵も感じられない。


 長く色女を演じてきたシャロにとって、これは自分の精神を保つための一種の自己防衛なのだろう。


「先に明言しておくけど、俺は犯人捜しをするつもりも、誰かに責任を追及する気もないからね」


 ソファの上に上がって横から俺を捕食しているシャロの乳首を指先で弄りながら、恐らくシャロが1番不安を感じている『俺に見限られる可能性』をきっぱり否定しておく。

 こんな言葉でシャロの不安を払拭してあげることは難しいだろうけど、それでも言わないよりはマシだろ。


「俺が過去を追いかけるのは未来に備えるためだからね。ユーゴーさん達もティムルもそれだけは忘れないで欲しい」


 下半身はシャロが独占しているので、不安げなお姉さんにはキスをお届けする。

 甘えるようにゆっくりと舌を絡ませてくるティムルは、俺が言葉を発する時だけ口を解放してくれるはずだ。


「邪神ガルクーザの召喚は、野心を持って神降ろしを試みたことによって発生した事故だった。この前提で話を進めるね」

「まっ、待ってください……! そんな……」

「悪いけどこの場ではその前提で話をさせて貰うよ。否定するのは俺が居ないところでお願いね」


 混乱しながらも俺の言葉を否定しようとするユーゴーさんを切って捨てる。

 我が家にとってはこの説はもう定説なんでね。議論する気はないんだ。


「邪神については1度置いておこう。次は旧アルフェッカのことを教えてくれ。当時の神器の管理の仕方は聞いているけど、それを踏まえて識の水晶と呼び水の鏡を人知れず使用できた相手に心当たりはある?」

「あ、えと……。申し訳ありませんが、我々はそもそもその神器の管理方法すら知りません。我々は神器の管理に関わるような身分ではありませんでしたから」

「ああ、そう言えばラインフェルド家も貴族でもなんでもなかったんだっけ? そんなラインフェルド家と共に旅立った皆さんも貴族じゃないのは当たり前か」


 アルフェッカの事を聞かせてくれとか言いながら、結局犯人探しみたいなことを聞いてしまったぜ。

 邪神召喚にまつわる話はどうしてもネガティブになりがちだ。


 それじゃこっちは望み薄だけど、一応聞いておこうか。


「ガルクーザの出現前後で、トライラム教会に何か変化はあったかな? 突然難民に炊き出しを始めたとか、そういう話が何かない?」

「……思い当たるものはありませんね。我らエルフはトライラム教会とは関わりが薄いですが、邪神出現前から炊き出しなどは行われていたはずですよ」

「罪滅ぼしの為に社会奉仕を始めたわけじゃないってことだね。ま、流石に教会を疑うつもりはなかったけど」


 疑うつもりは無かったけど、折角生き証人が居るのだから確認しない手はない。

 身内側の疑念の種は可能な限り排除しておくに限る。


「じゃあ次は識の水晶について聞かせてもらうね。カレンとキュールから、識の水晶が自らラインフェルド家に神託を授けることもあったそうだけど、皆さんは識の水晶について何か知ってるかな?」

「識の水晶に関してはカレン陛下よりも詳しい者はいないでしょう。我々が神器に関わることはありませんでしたからね」

「ん? なんでまた? 識の水晶の共有をラインフェルド家が嫌ったとか?」

「いえ、嫌われていたのは我々の方です」


 ユーゴーさんたちエルフの方が嫌われていた?

 スペルディア家の支配を逃れる為に共に旅立った盟友だったんじゃないのか?


 しかしユーゴーさんは苦笑しながら、我々を嫌っていたのは仲間たちではありませんよと俺の疑問を否定する。


「当時の所有者に言われた事が本当であれば、識の水晶は我らエルフ族を目にすると機嫌が悪くなり、癇癪を起こすのだそうです」

「……は? 神器レガリアが、癇癪ぅ……?」

「我らエルフ族が神器の所有者に認識されると、神器を所有する時の身体的負担が一気に増大したと言っていました。私たちが人知れず帝国を陰から支える選択をしたのも、このような事情があったからなんです」

「え、でもそんなことはノーリッテも何も言ってなかったし、俺自身リーチェに会っても何も影響は無いんだけど……」


 認めたくないけど俺の場合は例外として、長らく始界の王笏を所有していた組織レガリアにそんな記録が残っていればキュール辺りが絶対に言及するはずだ。

 それが無かったとするなら、識の水晶のエルフ嫌いはキュールにすら知られていない、もしかしたらカレンすら知らない情報なんじゃないのか?


 特定の種族を嫌うなんて、本当に生物並みの思考力があるってことか?

 でもなんでエルフを嫌う必要がある? 魔法関係に強いエルフ族ならむしろ好かれそうなもんだけど……。


「神器とトライラム様で対立でもしてるのか……? ってトライラム様と対立していると言えば、サーディユニオム教だよっ」


 ごくごくとシャロが喉を鳴らす音を聞きながら、1番最初に聞こうと思っていたサーディユニオム教の事を思い出す。

 艶福家のおかげでいくらでも飲み込めるシャロに吸われるままに流し込み、彼女の乳首をクリクリ転がしてあげる。


 しゃぶってくれる相手の頭を撫でるのも好きなんだけど、しゃぶっている相手の乳首を弄るのもなんか妙に興奮するんだよなー。くりくり。ぐいーっ。

 
「ねぇユーゴーさん。ガルクーザの出現にすら揺るがないトライラム教会に反発しているサーディユニオム教って、いったいいつからどうやって始まったの? カレンが言うには帝国よりも歴史が浅いって話だけど」


 シャロと互いの体の突起物を愛撫しながら、ユーゴーさんにサーディユニオム教の事を問いかける。

 正直歴史が浅いと聞いてからはサーディユニオム教に大した期待はしていないんだけど、ここにきて識の水晶との共通点? が見つかったことで、ちょっとだけ期待している自分が居る。


 お姉さんの口も塞いでと。さぁ教えてくれユーゴーさん。


「な、なんでこの流れでサーディユニオム教のことなど気にかけるのですか? 彼らは本当に歴史も浅く、取るに足らないほどに小さな団体なのですが……」

「んっ、ぷはぁ。この世界でトライラム教会と真っ向から対立してるってだけで不思議な団体だからね。ユーゴーさんたちに分かる範囲でいいから教えてもらえるかな」

「分かる範囲でと言いますか……。ダン様は陛下から何もお聞きになっていないのですね?」

「ん? なんか不穏な前置きだね。何も聞いてないしカレンも何も知らなかったっぽいけど?」


 ユーゴーさんが問いかけてくるから、お姉さんとのキスが度々中断されてしまうのがちょっとイライラする。

 そもそも会話中にキスをするなという話ではあるんだけど、会話中であろうが会議中であろうがお姉さんとのキスよりも優先すべきことなど無いので、発言が終わる度にちゃんとティムルとキスをする。


「陛下もご存知無い……? そんなことが……いやそうか。確かに陛下が知る必要は無い情報だし、いつの間にか失われてしまったのか……」


 ユーゴーさんがなんかブツブツ言っているけど、ティムルとのキスを続けられるからいくらでも待てるなっ。

 シャロも段々落ち着いてきたのかいつも通りの調子で美味しそうに頬張ってくれるし、ティムルもねっとり甘えてくれるし、色々どうでも良くなってくるなっ。


 けれどユーゴーさんは、俺が想像もしていない事を言ってくる。


「サーディユニオム教の歴史が浅いのは当然なんです。サーディユニオム教の信者は、識贄にされて情熱を失った人々の行き着く先なのですから……」


 ……へぇ? それはそれは随分と面白そうな話ですね?

 なんでラインフェルド家が管理している識贄の行き先をカレンが知らないのか、情熱を失った識贄がどうしてトライラム様との対立を選んだのか。


 期待していた情報ではなかったけれど、別角度から意外な情報が聞けそうだねぇ。
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