異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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753 隠密

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「ふぅん……。まだ詰めなきゃならないことも多いけど、ある程度形は掴めてきたわ」


 両腕を組み右手を顎に当てながら、何度も小さく頷いているキャリアさん。

 正直俺自身には観光業、旅行業のことなんてさっぱり見えていないけれど、キャリアさんに見えているならなんとかなるだろ、多分?


「価格設定はあえて高額に、ツアー内容は客からのフィードバックを参考に流動的に対応する感じね。だけどなるべく早くサービスを開始することで、手の届かない高級感を顧客に植え付けておくわけだ」

「しかしダン様、キャリア様。サービスを開始してしまうとどうしても費用が発生してしまいますぞ? いくら将来的には回収の見込みがあるにしても、それまでは大幅な赤字を覚悟する必要が……」

「あ~モルドラ。ダンさんに赤字の心配をするだけ無駄よー?」

「は? と申しますと……?」


 パタパタと右手を右手を払って渇いた笑いを浮かべるキャリアさん。

 その反応にモルドラは訝しげに首を傾げている。


「この人、どうやったら効率よくお金を浪費できるかで悩んでるような人だから。商人の常識で考えると頭が爆発しちゃうわよ?」

「その言い方だと俺が物凄い浪費家みたいで嫌なんだけどねー……。ま、赤字の心配はしなくていいよ。開業資金はこっちで用意するから」

「さ、左様でございますか……。いやはや、商人として己の矮小さを痛感させられてしまいますな……」


 なんだか冷や汗混じりにたじろいでいるモルドラだけど、そんな大したもんじゃないんだよ?

 トライラムフォロワーへの装備の貸付や下級ウェポンスキル付きの武器を独占状態で販売しているせいで、勝手に大金が入ってくるだけなんだ。


 厄介なのはそのどちらも簡単に辞めるわけにはいかないってことなんだよなー。

 流石似にワンダ達幸福の先端や、以前サーペントロードを試走してもらった薄明の瑞雲あたりはもう自前の装備を用意し始めてるけど、装備品レンタルはまだまだ需要が無くなりそうもない。


 ウェポンスキル付きの武器なんて、俺たち以外に参入してくる商会なんて今のところ現れてないしさー。

 ミスリル装備を作れる職人が増えてくれるまでは、俺の不労所得は増える一方なのだ。


「カレンの方には昨日話をしてあるけど、キャリアさんたち王国側が既に乗り気だってことは改めて伝えておくね。だからキャリアさんたちに王国内の旅行プランをある程度打ち出してもらえると、あっちも助かると思うんだ」

「聞いたねモルドラ? 旅行の草案作りはアンタに任すよ。必要な部下もつけるから、大雑把な草案を今日中に、ソレを元にした詳細なプランを10日以内にまとめてちょうだい」

「む、無茶を言いおるわ……! 時間が無さ過ぎるので、始めの草案はダン様のお考えを元にかなり雑なものになってしまうが……?」

「ダンさんのことだから、帝国の連中との顔合わせは明日にでも行なわれると覚悟しなさい。出来栄えについては今は気にしなくていいわ。細かい部分は口頭で捕捉しましょ」

「そ、それで譲歩したと思われても困るんだがなぁ……」


 冷や汗をかきながら部屋を飛び出して行ったモルドラ。

 その姿を確認したキャリアさんは、今日のところはおしまいねと話を切り上げてくれた。


 俺達を玄関まで送ってくれるキャリアさんの後方から、シュパイン商会の皆さんの声と思われる絶叫と怒号が飛び交っているのが気になりすぎるんだよ?


「モルドラが今の話を伝達したんでしょ。新たな仕事にみんな歓声で応えてくれてるみたいだねぇ?」

「俺には悲鳴にしか聞こえないけど、深堀すると自滅しそうだから聞かなかった事にするね。今日はありがとうキャリアさん。またねー」

「たまには仕事抜きでも顔を出しなさいな。ティムルとも仕事以外の話もしたいし、1度シャーロット様ともゆっくりお話してみたいしね」


 ん、確かにキャリアさんと顔を合わす時は、いつもなにかお願いをしている時だったかもしれない。

 キャリアさんの言う通り、たまには気軽に遊びに来てもいいかもしれないなぁ。


 なんて思う俺とは別に、からから笑いながらキャリアさんに応じるティムル。


「あはーっ。夫は時間があれば直ぐに私たちを求めてくるから、仕事の話でも無いと寝室から出てきてくれないんですよねーっ」

「仕事以外の話となると、どうしても寝室関係の話が多めになってしまいそうです。勿論興味があるならいくらでも語らせていただきますが」

「はっ! ダンさんにしてこの妻ありって感じだね? ティムルもシャーロット様も皇帝カレン陛下も、私と違って男を見る目がお有りのようで羨ましいよ」


 惚気られるのはもう沢山と、キャリアさんはそそくさと立ち去って行った。

 ひょっとしてティムルとシャロが連携して話を切り上げてくれたのかなと思って2人の様子を窺うと、2人とも寝室事情を語れなくて残念そうな表情を浮かべていた。


 危ない危ない。マジでノロケる気満々だったのかこの2人。


「さぁて仕事の話も済んだことだし、2人が言う通りに早速求めさせていただくよっ。宿に直行だーっ!」

「「きゃーっ」」



 真昼間からシャロとティムルを夢の一夜亭に連れ込んで、白昼堂々と夢の一夜を堪能する。

 最近は拘束したカレンのおっぱいを一方的にしゃぶることが多かったので、3人で裸で抱き合って気の赴くままにキスをしながら、出したくなったタイミングで出したい相手に注ぎ込み、軽い雰囲気でのイチャイチャを楽しむ。


「ねぇシャロ。キャリアさんが随分と信用してたけど、モルドラってそんなに凄い人だったの?」


 会話する為にいつも通りおっぱいに移動し、シャロとティムルのおっぱいを搾り上げながらシャロに問いかける。

 するととまるで乳飲み子を見るような慈愛に満ちた表情を浮かべるシャロが、そうですねぇと答えてくれる。


「シュパイン商会を急成長させたご主人様にはピンと来ないかもしれませんが、カリュモード商会は王国1の大商会だったと思いますよ? そこの商会長だったのですから、その実力は推して知るべし、ですね」

「んー。でもシュパイン商会元会長はボンクラだったよ? だから商会の大きさと会長の手腕は比例しないと思うんだけど」

「あはーっ。だからシュパイン商会は伸び悩んでいたんじゃなぁい。ジジイがボンクラで、更にボンクラな嫁を囲っていたからシュパイン商会の成長は止まってしまっていたのよぉ」


 ああそうか。エロジジイが失脚してキャリアさんがトップになった瞬間に商会が急成長した事を考えれば、商会の規模と商会長の手腕は正比例すると思っても間違いじゃないわけだ。

 どっちにしてもエロジジイの評価は地の底に落ちたままのようですね?


「そんなモルドラにあんな表情をさせるなんて、ご主人様ったら凄すぎますっ」

「そういうシャロの方が上手に見えたのは気のせいかなぁ? それと凄いって言うなら、出来ればこっちの方を褒めてもらいたいか……なっ!」

「ぁんっ……! こっちはもっともっと凄いじゃないですかぁ……! 私とティムルさんのおっぱいを吸って、こぉんなに硬くなっちゃったんですねー?」

「ほぉらダン。遠慮せずに出していいのよぉ? 私もシャロ様も、世界中の男の中から貴方を選んだ女なんだからねぇ?」


 他のみんなには出来ない、ティムルとシャロのナンバーワン発言に、甘えるだけだった俺の心と体にエンジンが掛かる。

 世界中の男から勝ち取ったこの2人の極上の女体にただ甘えるだけなんて、そんな勿体無いこと出来るかぁっ!


「やっ……激しっ……! すごっ、凄すぎますご主人様ぁ……! こんなのっ、こんなの初めてですぅ……!」

「あ、はぁ……。ほ、他の男となんて比べ物にならないわぁ……。ダンが1番気持ちいいわぁ……。お姉さん、愛してるのはダンだけよぉ……」


 ナンバーワンとオンリーワンを織り交ぜて、言葉巧みに俺の興奮を擽る2人。

 もしかしたら2人は俺に合わせてくれてるだけで、多分にリップサービスが含まれているかもしれないけれど、それでもここは素直に受け入れて楽しむべき場面だろうっ!


「シャロとティムルも最高に気持ちいいよ……。他の男の感触なんて記憶から消し去るくらいに可愛がってあげるからね?」

「あはーっ。もう覚えてないって言うのと全部忘れさせてって言うの、ダンはどっちがお好みかしらぁ?」

「ご主人様以前の男に抱かれた記憶は残ってますけど、その感触なんてとっくに忘れちゃいましたけどねーっ。でもご主人様の興奮する方に合わせますよっ」


 とっくに忘れてるなら別に無理して合わせなくて良いんだよー。

 素直にいっぱい気持ちよくえっちしようねっ。ティムルもシャロも大好きーっ。


 甘えるだけだと勿体ないとか言いながら、結局甘やかしてくれる2人に甘え倒してしまうのだった。





「あはーっ。いつも以上におっぱいをちゅぱちゅぱされちゃったわねー。カレン陛下のおかげでダンのおっぱい欲が高まってるのかしらぁ?」

「吸い方も乳房の根元をもみゅもみゅ揉み上げながら、まるでお乳を搾るようなしゃぶり方をされてましたねー」

「2人とも、おっぱいの吸い方を検証するのはやめてくれるかなー? 身から出た錆とは言え流石に恥ずかしいんだよ?」


 夢の一夜亭を出た俺達は、キャリアさんの期待に応える為にカレンに話を通しにフラグニークへと転移した。

 口は災いの元ですよーと、何故かティムルがウキウキしているな? 可愛い。


 城に到着すると、カレンは現在会議中とのことで、カレンの代わりにエマが俺達を出迎えてくれた。


「皆さんなら会議に参加しても構わないそうですし、会議に興味が無いなら別室を用意させるとのことですよ。ソレを言ったらダンさんは絶対会議に参加しませんよと言ったんですけど……」

「当然別室で待機させてもらっちゃうよっ! 態々別室を用意してくれるって事は、多少は汚してもいいんだよねっ!?」

「汚すのは構わないと思いますけど、リーチェさんもアウラも居ないのですから遮音には限界がありますよ? そのあたりを考慮して楽しんでくださいねっ」


 苦笑しながら頬に口付けしてくれるエマ。

 この様子だと残念ながらエマは参加してくれないようだ。


 ラトリアとエマはカレンの護衛も兼ねてこのまま会議に参加するつもりだというので、キャリアさんが即日でも帝国との話し合いの場を設けたいと要望している件をカレンに伝えてもらうことにした。


「ラトリアとエマ、それにカレンが真面目に話し合ってる間にえっちしてごめんね? でもいいって言われたら我慢出来ないんだ」

「ふふ。謝らなくていいですよ。むしろシャロ様とティムルさんのお体がちょっと心配なくらいです」

「あはーっ。その辺は大丈夫よぉ。なんだかんだ言ってダンはとぉっても優しいからぁ」

「では遠慮なく楽しませていただきますね。ラトリア様とカレン陛下にも宜しくお伝えください」


 あれ? 申し訳なく思ってるのは俺だけだった?

 いや、この2人のことだから、俺が申し訳なく頭を下げたのを見てこういう態度を取ったのかもしれないな。


「別室の場所は把握しておりますので、このまま私がご案内しますね」


 節度を保って沢山えっちしてくださいねと、城に用意されたご休憩場所に移動する。

 いくら国賓扱いでも城内でえっちするのはいかがなものかと思ったけど、もう国賓ではなく陛下の夫扱いですよとエマに苦笑されてしまった。


 なるほど? そもそも皇帝は城に住むのが普通らしいし、元々えっち目的の場所というのも存在していたのかもしれないな。


「あ、そう言えばダンさん。えっちに関してカレン陛下から1つ伝言がありました」

「伝言?」


 迷いなく歩き続けるエマの後を追っていると、足を止めずに背後の俺達に声をかけてくるエマ。

 えっちに関しての伝言って、アレだけ好き放題させてくれたカレンが今更何を言ってくるんだろ?


「城内はカレン陛下でも知覚出来ない隠密術を持った者たちが警備しているそうです。警備の為にある程度自由に行動できる権限を持たせているそうなので、騒ぎすぎると覗かれるかもしれないと仰っていました」

「ああ、さっきからついてくる生体反応はそういうことだったんだ」

「あ、やっぱり既に監視されてました? なんとなく視線は感じるんですけど、気配は感じられなくって……」


 先ほどから一定の距離を保って俺達を追ってくる生体反応を感じていたんだよね。

 エマがずっと違和感を覚えていたという事は、カレンの傍からこちらに向かってくる時点でエマを監視していたんだろう。


 皇帝であるカレンを家族に迎えたと言っても、俺達は新参者の部外者に違いはないからな。

 むしろ城内を自由に行動させてくれると思う方がおかしいか。


「生体察知無しでよく気付いたねエマ。この相手、多分精霊魔法を使って気配を消してるよ」

「精霊魔法……。つまり監視者はエルフの方なのですね」

「ティムルだったら見えるよね? 恐らく精霊魔法で動作音を消してるんだと思うけど間違いないかな?」

「あはーっ。熱視も無いのに不可視の精霊魔法に気付くダンは相変わらずおかしいわねー? 私たちの周りの魔力は動いてないから、恐らく声は拾われていないんじゃないかしらぁ? 相手にも動きが無いしぃ」


 確かにこんな話をしていたら、退くか接触するかしてきそうなもんだけどな。

 相変わらず一定の距離を保って俺達に付いてくるあたり、リーチェやアウラみたいに声を拾っているわけじゃなさそうだ。


 敵意も無さそうだし、このまま放っておいても構わないと言えば構わないんだけど……。

 相手が男だった場合、ティムルとシャロのえっちな声を俺以外の男に聞かせてしまうことになる。


 そんなことは絶対に許されないので、とりあえず監視者の性別だけでも確認しておかないとなぁ。

 え、えっちしない選択肢? そんなものはありませーん。
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