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742 ※閑話 アウラの1日
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「ん、俺の魔力が尽きそうだから今日はここまでにしておこう。3人ともお疲れ様」
「「「お、お疲れ様でしたぁ~……」」なのじゃ~……」
涼しい顔をして手合わせの終了を宣言するパパ。
その言葉にオーラを解いたフラッタママとダークブリンガーを解いたヴァルゴママが、少し悔しそうな感情を滲ませながら武器を仕舞い、だけど直ぐにパパの胸に飛び込んで溶けるような笑顔を浮かべている。
今日は魔力補正の浸透が進んできた私の為に、メタドライブやジャベリンソウルまで使用した本気の手合わせをすることになった。
私はただ全力でパパに殴り掛かることしか出来なかったけれど、フラッタママとヴァルゴママが上手く私に動きを合わせてくれたみたい。
「ははっ。意外とアウラが1番余裕がありそうだね? オーラとジャベリンソウルはアウラよりも燃費が悪いのかー」
「メタドライブを使ってるダンが1番余裕がある方がおかしいのじゃー。魔力制御を極めると、魔力消費も減ってくれるのかの~?」
「ほら、アウラも早くおいで。パパたちとぎゅーってくっつこうねー」
ママたちをよしよしと撫でながら腰を下ろし、片手を広げて私を迎えてくれるパパ。
んもう、毎日毎日あれだけえっちしてるのに、暇さえあれば常にくっつきたがるんだから~。しかたないな~。
武器を仕舞ってパパの腕の中に収まると、直ぐに楽しげに私のほっぺにキスを繰り返すパパ。
あ、パパぁ……。キスはいいけど、直ぐにおっぱい引っ張らないでってばぁ。
「アウラの魔力消費は激しいそうですが、それでも流石に全身に魔力を纏うメタドライブやダークブリンガーの方が消耗が激しいということですね。オーラも竜化の発展系ですから、フラッタやラトリアくらい職業浸透が進んでいないと維持出来ないでしょう」
「アウラは暴王のゆりかごで、竜化、獣化、魔獣化、熱視を同時発動しておったのじゃ~。あれが出来れば妾たちよりも消耗が激しくなりそうじゃがな~。今回は獣化しか使っておらなかったの~」
パパにすりすりほっぺを擦り付けているフラッタママは、緩い口調のままで私に問いかけてくる。
う~ん、確かに暴走状態でパパと戦った時の感覚は覚えているんだけど……。
あの時以来、複数の種族特性を同時発動できたことがないんだよな~っ。
「もしかしたらアウラの体が無意識に制限しているのかもしれないな。魔力制御を磨いて1つずつ確実に制限を解いていくか、もしくは魔力補正をもっと累積させたら自然に使えるようになるんじゃない?」
「扱いきれない能力を無理に解放しても無意味ということですね。ちなみにアウラ、今回獣化を使った理由は? 竜化の方が身体能力は上がるし、魔竜化なら手数が増えたのではないですか?」
「獣化が1番消耗が少ないし、身体操作性と敏捷性が1番上がるでしょ? 3人の動きについていけない私が竜化で筋力を上げても意味が無いし、魔竜化で魔爪を伸ばしても当たらないと思ったんだー」
「アウラの獣化はトラなんだよなーっ。ニーナのピンと立ったキツネ耳や殆ど毛の無いムーリのブタ耳と違って、丸くてもふもふトラ耳アウラは可愛すぎて困るんだよーっ」
ムーリに毛が無いのは耳に限った話じゃないけどねーと笑いながら、指先で私の乳首を優しくこね続けるパパ。
パパって獣化で生えてきた獣耳がびっくりするほど好きなんだよね。
獣化の特徴を能力じゃなくて外見で語るのはパパくらいじゃないかなー?
「暴王のゆりかごで種族特性を同時発動したアウラは、それぞれの能力が相乗効果を発揮してとんでもない速度になってたからね。効果が大きい分、恐らく魔力消費も乗算で増えちゃうんじゃないかな。少しずつ慣らしていこうね」
「んもー。私の攻撃なんかものともしなかった癖にぃ。とんでもない速度って、パパこそとんでもなかったじゃ……んんっ……!」
「種族特性を多重発動したら、五感も跳ね上がっちゃうのかな? ただでさえフラッタ並みに敏感なアウラが限界まで感度上昇させられちゃったら……! 楽しみすぎるよーっ」
「んふー。アウラはベッドの上でも最強になるのじゃ~。沢山搾り取った分もアウラなら全て受け止めることも可能じゃろう。ダンとアウラは相性抜群なのじゃ~」
だ、ダメだよフラッタママ……! そんなことを言ったらパパが興奮しちゃうからぁ……!
あれ、ヴァルゴママもなんだか気持ちよさそうにして……。ヴァルゴママの服の中にもパパの手が潜り込んでるみたい。
「アウラが戦うべき相手なんて残しておく気はないけど、アウラの腕を磨くほどにベッドの上でも奮闘してくれるなんて楽しみすぎるよ。んもうアウラってば、本当にパパ想いのいい娘なんだからぁ。ちゅっちゅ」
私たちにキスの雨を降らせながら体を捻り、私たち3人を地面に押し倒すパパ。
そのまま流れるようにフラッタママと1つになって、稽古上がりのいつものえっちの時間が始まる。
稽古上がりのえっちはフラッタママもヴァルゴママも凄く積極的にパパを求めるんだけど、逆にパパは凄く優しく可愛がってくれるから好きなんだよね~。
でも甘くて美味しいからって体中の汗を舐め取られるのは、気持ちいいけど何度経験しても慣れないよ~。
ってパパ!? そこが濡れてるのは汗じゃないってばぁ……!
「あははっ。それじゃ頑張って、早く全ての種族特性を使いこなせるようにならないとねっ」
稽古の時の話を聞いたリュートが、僕の責任も重大だねっ、と謎の張り切りを見せている。
リュートがえっち大好きなのは知ってるけど、私のことまで気にしなくていいったらーっ!
最近私はえっちと稽古の合間を縫って、リュートと一緒にエルフェリアに別荘を作り始めている。
元々あったリュートとリーチェお姉ちゃんの生家には手をつけずに、その周りを囲うように新たな建物を増設する。
現在滅亡寸前まで人が減ったエルフ族は、何処に誰が家を建てても殆ど気にしないそうだし、なによりもパパのお家を建てる事に反対する人なんて居ないんだって。
私と出会う前に、パパたちはここで世界を滅亡の危機から救ったって話だけど……。
この世界に来て1年くらいしか経ってないらしいのに、パパったら色々と派手にやりすぎでしょ……。
「精霊憑依でも気持ちよくなれるんだー。この世界の誰よりもダンを強く感じられるアウラには嫉妬しちゃうなぁ」
「今でさえ失神するほど気持ちよくさせられてるのに、これ以上とか考えるだけで死んじゃうよ……。リュートとかママたちはよく種族特性を発動したままえっちできるよねー……」
「いやぁぼくたちも死んじゃうーって思うし、実際ニーナでさえも逃げ回ってるじゃない? でもそんな極限状態でダンのことだけが感じられる感覚って、ホンット病み付きになっちゃう快感があるんだっ」
「え、ええ……? それって本当に大丈夫な奴なのぉ……?」
シーズがパパとのえっちに溺れた時は、ママたちみんなパパの事を厳しく糾弾してたのになー。
ママたちこそ、シーズなんかよりよっぽどパパとのえっちに溺れている気がするよ。
……溺れるのも仕方ないくらい、本当に気持ち良いんだけどさぁ。
「ニーナの別荘は周りに人が居ないから、精霊魔法を使わなくても音を気にしないで済むのがいいよねー。精霊魔法の使い手ばかりのエルフェリアでは、風に頼まないとえっちな声を聞かれちゃうのが問題だよぉ」
「ほんっとエルフってえっちな人たちだよねー? 私たちえっちに興味はありませーんって顔してるくせにさー」
「あの態度も本気な事は本気なんだと思うよー。でもアウラも分かってると思うけど、エルフにとってえっちは気持ちよすぎて我慢出来ないんだろうねー」
猥談しながら木に埋まっているリュートの家の周りに新たな足場を作り、新たな建物を建てていく。
大工仕事なんて私もリュートも殆どやったことがなかったけれど、パパとニーナママが色々教えてくれたおかげで最低限の大工仕事は出来るようになった。
持久力補正と重量軽減スキルのおかげで疲れるような作業も無いし、身体操作性補正のおかげで作業も正確にこなせるから気持ちいいくらいだ。
そしてなにより、リュートの事をリュートと呼んであげられるのが嬉しいな。
「……ねぇアウラ。ぼくってさ、ちゃんとリーチェをやれてるかなぁ?」
「へ?」
鼻歌混じりに木切れを打ち付けていると、風に乗ってリュートの沈んだ声が届けられる。
その声に顔を上げたものの、目に見える範囲にリュートの姿は無かった。
「アウラってうちの家族の中で唯一、本当のリーチェ姉さんを知ってるわけでしょ? なのにぼくの都合でぼくをリーチェって呼ばせてしまって、思うところはないのかなってさ……」
「思うところ? 思うところかぁ……。う~ん……」
リーチェお姉ちゃんとリュートが別人なのは初めから分かっていたし、リュートの事情も理解してるから、今まで特に思うことは無かったかなぁ?
というかリュートが居なかったら、リーチェお姉さんの名前がここまで王国の人たちに愛される事は無かったと思ってる。
リュートがリーチェお姉ちゃんとして王国の人たちと接してきたことが、リーチェお姉ちゃんの存在を今まで伝える事になったんだと思うよ?
「……アウラは優しいね。姉さんの事を知らない人たちにとってはぼくがリーチェでも構わないとは思うんだけど、姉さんと親しかった君がそんな風に言ってくれるなんて嬉しいよ」
「ん~……。リュートってさ、ちょっとリーチェお姉ちゃんを美化しすぎじゃない?」
「……え?」
「確かにリーチェお姉ちゃんは美人だし優しかったしみんなに慕われてたけどさー。今のリュートの方が絶対に多くの人に慕われてると思うよ?」
リーチェお姉ちゃんに良く似てすっごい美人だし、リーチェお姉ちゃんでも呆れるほどおっぱい大きいし、王国中の人に英雄として慕われている今のリュートの方が、当時のリーチェお姉ちゃんよりも凄いと思うけどなー。
リュートがリーチェお姉ちゃんと最後に会ったのは15か16歳の頃だったっていう話だし、記憶の中でリーチェお姉ちゃんを美化しすぎているところはあるんじゃないかな?
だけどリュートは私の言い分に納得してはくれないみたい。
「……ぼくが慕われているのは、建国の英雄リーチェだからさ。ぼくがリーチェじゃなかったら、今みたいに慕われる事はなかったと思う」
「んもーっ。パパも大概だけど、リュートも自分の事に自信が持てないんだねー? リーチェお姉ちゃんはいっつもリュートの事を私に自慢してきたのにさー」
「えっ」
沈んでいたリュートの声に、僅かに嬉しそうな感情が混ざる。
そんな風に素直で裏表が無いリュートだから慕われてるんだと思うけどなー?
「リュートは誰よりも可愛いのに、全然着飾ろうとしないから困っちゃうってよく愚痴を零してたよ? あと生まれたての癖に自分よりおっぱいが大きくてホント生意気だってよく笑ってたなー」
「なんでアウラから語られる姉さんのエピソードのはずなのに、毎回毎回ぼくのおっぱいの話になるんだよっ! 大体姉さんだって普通に大きかったじゃないかっ!」
「え~? リーチェお姉ちゃんはティムルママとかシャロママくらいでしょー? リュートとムーリママのおっぱいサイズは女の私から見ても圧巻だよ? リーチェお姉ちゃんも本物か疑ってよく揉んでたって言ってたし」
「重くて大変でしょうって良くマッサージしてくれてたの、あれって本当はそういうことだったのっ!? ていうか生まれた瞬間から自分が面倒見てた癖に、なんでその姉さんが本物か疑うのさーーっ!?」
リュートのおっぱいをマッサージするリーチェお姉ちゃんかぁ……。
なんだろう? なんかパパに教えちゃいけない情報の気がするな?
パパって結構変態さんだから、フラッタママやニーナママと一緒にターニアママとラトリアママのおっぱいを吸ったりもするし、こんな娘を教えてしまったら私とリュートにお互いのおっぱいを吸わせてきそうだもんねー。
「エロフ族にとっては15~16歳って赤ちゃん扱いなんでしょ? なのに100歳以上生きている自分よりおっぱいが大きかったら、私だっておっぱいの印象ばっかり残っちゃう気がするよー」
「ダンじゃあるまいし、アウラまでエロフって言うのやめてくれる!? って、おっぱいの話ばかりする姉さんのエピソードが完全にエロフなのかっ!?」
「リュートが抱き付いてくるたびに複雑だったって言ってたよ? いつか心置きなくこのおっぱいを揉み解してみたいんだーって」
「複雑ってそっち!? エルフ族の代表として蒼穹の盟約に選抜された姉さんのエピソードがぼくのおっぱいに関する話ばっかりなんだけど!? これじゃ確かにエロフと言われても仕方ないじゃないかーーっ!」
リュートの精霊魔法を辿って行って、頭を抱えるリュートの姿を見つけることが出来た。
姿を隠さないとリーチェお姉ちゃんの話が出来なかったリュートだけど、おっぱいトークのおかげで一応元気は取り戻してくれた、のかなぁ?
「リュートってすっごくえっちなくせに、エロフって呼ばれるのは抵抗があるの? 普段澄ましてたリーチェお姉ちゃんだって、私に話すのはリュートのおっぱいの話ばっかりだったよ?」
「もっと色々思い出あるだろーっ!? そりゃ姉さんだって忙しかったんだろうけど、それでも姉さんはずっと一緒に居てくれたじゃないっ! なのにぼくのおっぱいしか見てなかったの姉さんはっ!?」
「パパだってリュートのおっぱいばっかり見てるじゃないのー。というかパパに関してはリュートの方からパパにおっぱいを差し出してるくせに、リーチェお姉ちゃんにおっぱいの話をされるのは嫌なのー?」
「ぐっ……! た、確かにダンには自分から差し出してるけど、それはぼくのおっぱいがダンのものだからだよ……!? 姉さんにおっぱいの話をされるのとはワケが……!」
「その言い分が完全にエロフなのっ。リュートはパパに貰ってもらって良かったよねー? 普通の男の人だったら干からびちゃってるんじゃない?」
「え、えへへ……。そうかなぁ~? ダンとお似合いって言われると照れちゃうな~っ」
あ、ダメだ。全然伝わってない。
リュートってパパのことになると一瞬でポンコツ化して、なんでもかんでもいいようにしか捉えなくなるんだよねー。
……私もリュートも毎日死を覚悟するほど幸せにしてもらってるけど。
私達の為に命を落とすしかなかったリーチェお姉ちゃんは、愛される幸せを知ることなくこの世を去ってしまったんだなぁ。
リュートによると、蒼穹の盟約のみんなが死んだ事は確実に確認されたそうだし、過去を取り戻してくれるってパパでも流石にお姉ちゃんの事を幸せにするのは無理……だよね?
でもパパならなんとかしちゃうかも、なんて思っちゃうあたり、私もすっかりパパに染められちゃったみたいだよぉ。
「「「お、お疲れ様でしたぁ~……」」なのじゃ~……」
涼しい顔をして手合わせの終了を宣言するパパ。
その言葉にオーラを解いたフラッタママとダークブリンガーを解いたヴァルゴママが、少し悔しそうな感情を滲ませながら武器を仕舞い、だけど直ぐにパパの胸に飛び込んで溶けるような笑顔を浮かべている。
今日は魔力補正の浸透が進んできた私の為に、メタドライブやジャベリンソウルまで使用した本気の手合わせをすることになった。
私はただ全力でパパに殴り掛かることしか出来なかったけれど、フラッタママとヴァルゴママが上手く私に動きを合わせてくれたみたい。
「ははっ。意外とアウラが1番余裕がありそうだね? オーラとジャベリンソウルはアウラよりも燃費が悪いのかー」
「メタドライブを使ってるダンが1番余裕がある方がおかしいのじゃー。魔力制御を極めると、魔力消費も減ってくれるのかの~?」
「ほら、アウラも早くおいで。パパたちとぎゅーってくっつこうねー」
ママたちをよしよしと撫でながら腰を下ろし、片手を広げて私を迎えてくれるパパ。
んもう、毎日毎日あれだけえっちしてるのに、暇さえあれば常にくっつきたがるんだから~。しかたないな~。
武器を仕舞ってパパの腕の中に収まると、直ぐに楽しげに私のほっぺにキスを繰り返すパパ。
あ、パパぁ……。キスはいいけど、直ぐにおっぱい引っ張らないでってばぁ。
「アウラの魔力消費は激しいそうですが、それでも流石に全身に魔力を纏うメタドライブやダークブリンガーの方が消耗が激しいということですね。オーラも竜化の発展系ですから、フラッタやラトリアくらい職業浸透が進んでいないと維持出来ないでしょう」
「アウラは暴王のゆりかごで、竜化、獣化、魔獣化、熱視を同時発動しておったのじゃ~。あれが出来れば妾たちよりも消耗が激しくなりそうじゃがな~。今回は獣化しか使っておらなかったの~」
パパにすりすりほっぺを擦り付けているフラッタママは、緩い口調のままで私に問いかけてくる。
う~ん、確かに暴走状態でパパと戦った時の感覚は覚えているんだけど……。
あの時以来、複数の種族特性を同時発動できたことがないんだよな~っ。
「もしかしたらアウラの体が無意識に制限しているのかもしれないな。魔力制御を磨いて1つずつ確実に制限を解いていくか、もしくは魔力補正をもっと累積させたら自然に使えるようになるんじゃない?」
「扱いきれない能力を無理に解放しても無意味ということですね。ちなみにアウラ、今回獣化を使った理由は? 竜化の方が身体能力は上がるし、魔竜化なら手数が増えたのではないですか?」
「獣化が1番消耗が少ないし、身体操作性と敏捷性が1番上がるでしょ? 3人の動きについていけない私が竜化で筋力を上げても意味が無いし、魔竜化で魔爪を伸ばしても当たらないと思ったんだー」
「アウラの獣化はトラなんだよなーっ。ニーナのピンと立ったキツネ耳や殆ど毛の無いムーリのブタ耳と違って、丸くてもふもふトラ耳アウラは可愛すぎて困るんだよーっ」
ムーリに毛が無いのは耳に限った話じゃないけどねーと笑いながら、指先で私の乳首を優しくこね続けるパパ。
パパって獣化で生えてきた獣耳がびっくりするほど好きなんだよね。
獣化の特徴を能力じゃなくて外見で語るのはパパくらいじゃないかなー?
「暴王のゆりかごで種族特性を同時発動したアウラは、それぞれの能力が相乗効果を発揮してとんでもない速度になってたからね。効果が大きい分、恐らく魔力消費も乗算で増えちゃうんじゃないかな。少しずつ慣らしていこうね」
「んもー。私の攻撃なんかものともしなかった癖にぃ。とんでもない速度って、パパこそとんでもなかったじゃ……んんっ……!」
「種族特性を多重発動したら、五感も跳ね上がっちゃうのかな? ただでさえフラッタ並みに敏感なアウラが限界まで感度上昇させられちゃったら……! 楽しみすぎるよーっ」
「んふー。アウラはベッドの上でも最強になるのじゃ~。沢山搾り取った分もアウラなら全て受け止めることも可能じゃろう。ダンとアウラは相性抜群なのじゃ~」
だ、ダメだよフラッタママ……! そんなことを言ったらパパが興奮しちゃうからぁ……!
あれ、ヴァルゴママもなんだか気持ちよさそうにして……。ヴァルゴママの服の中にもパパの手が潜り込んでるみたい。
「アウラが戦うべき相手なんて残しておく気はないけど、アウラの腕を磨くほどにベッドの上でも奮闘してくれるなんて楽しみすぎるよ。んもうアウラってば、本当にパパ想いのいい娘なんだからぁ。ちゅっちゅ」
私たちにキスの雨を降らせながら体を捻り、私たち3人を地面に押し倒すパパ。
そのまま流れるようにフラッタママと1つになって、稽古上がりのいつものえっちの時間が始まる。
稽古上がりのえっちはフラッタママもヴァルゴママも凄く積極的にパパを求めるんだけど、逆にパパは凄く優しく可愛がってくれるから好きなんだよね~。
でも甘くて美味しいからって体中の汗を舐め取られるのは、気持ちいいけど何度経験しても慣れないよ~。
ってパパ!? そこが濡れてるのは汗じゃないってばぁ……!
「あははっ。それじゃ頑張って、早く全ての種族特性を使いこなせるようにならないとねっ」
稽古の時の話を聞いたリュートが、僕の責任も重大だねっ、と謎の張り切りを見せている。
リュートがえっち大好きなのは知ってるけど、私のことまで気にしなくていいったらーっ!
最近私はえっちと稽古の合間を縫って、リュートと一緒にエルフェリアに別荘を作り始めている。
元々あったリュートとリーチェお姉ちゃんの生家には手をつけずに、その周りを囲うように新たな建物を増設する。
現在滅亡寸前まで人が減ったエルフ族は、何処に誰が家を建てても殆ど気にしないそうだし、なによりもパパのお家を建てる事に反対する人なんて居ないんだって。
私と出会う前に、パパたちはここで世界を滅亡の危機から救ったって話だけど……。
この世界に来て1年くらいしか経ってないらしいのに、パパったら色々と派手にやりすぎでしょ……。
「精霊憑依でも気持ちよくなれるんだー。この世界の誰よりもダンを強く感じられるアウラには嫉妬しちゃうなぁ」
「今でさえ失神するほど気持ちよくさせられてるのに、これ以上とか考えるだけで死んじゃうよ……。リュートとかママたちはよく種族特性を発動したままえっちできるよねー……」
「いやぁぼくたちも死んじゃうーって思うし、実際ニーナでさえも逃げ回ってるじゃない? でもそんな極限状態でダンのことだけが感じられる感覚って、ホンット病み付きになっちゃう快感があるんだっ」
「え、ええ……? それって本当に大丈夫な奴なのぉ……?」
シーズがパパとのえっちに溺れた時は、ママたちみんなパパの事を厳しく糾弾してたのになー。
ママたちこそ、シーズなんかよりよっぽどパパとのえっちに溺れている気がするよ。
……溺れるのも仕方ないくらい、本当に気持ち良いんだけどさぁ。
「ニーナの別荘は周りに人が居ないから、精霊魔法を使わなくても音を気にしないで済むのがいいよねー。精霊魔法の使い手ばかりのエルフェリアでは、風に頼まないとえっちな声を聞かれちゃうのが問題だよぉ」
「ほんっとエルフってえっちな人たちだよねー? 私たちえっちに興味はありませーんって顔してるくせにさー」
「あの態度も本気な事は本気なんだと思うよー。でもアウラも分かってると思うけど、エルフにとってえっちは気持ちよすぎて我慢出来ないんだろうねー」
猥談しながら木に埋まっているリュートの家の周りに新たな足場を作り、新たな建物を建てていく。
大工仕事なんて私もリュートも殆どやったことがなかったけれど、パパとニーナママが色々教えてくれたおかげで最低限の大工仕事は出来るようになった。
持久力補正と重量軽減スキルのおかげで疲れるような作業も無いし、身体操作性補正のおかげで作業も正確にこなせるから気持ちいいくらいだ。
そしてなにより、リュートの事をリュートと呼んであげられるのが嬉しいな。
「……ねぇアウラ。ぼくってさ、ちゃんとリーチェをやれてるかなぁ?」
「へ?」
鼻歌混じりに木切れを打ち付けていると、風に乗ってリュートの沈んだ声が届けられる。
その声に顔を上げたものの、目に見える範囲にリュートの姿は無かった。
「アウラってうちの家族の中で唯一、本当のリーチェ姉さんを知ってるわけでしょ? なのにぼくの都合でぼくをリーチェって呼ばせてしまって、思うところはないのかなってさ……」
「思うところ? 思うところかぁ……。う~ん……」
リーチェお姉ちゃんとリュートが別人なのは初めから分かっていたし、リュートの事情も理解してるから、今まで特に思うことは無かったかなぁ?
というかリュートが居なかったら、リーチェお姉さんの名前がここまで王国の人たちに愛される事は無かったと思ってる。
リュートがリーチェお姉ちゃんとして王国の人たちと接してきたことが、リーチェお姉ちゃんの存在を今まで伝える事になったんだと思うよ?
「……アウラは優しいね。姉さんの事を知らない人たちにとってはぼくがリーチェでも構わないとは思うんだけど、姉さんと親しかった君がそんな風に言ってくれるなんて嬉しいよ」
「ん~……。リュートってさ、ちょっとリーチェお姉ちゃんを美化しすぎじゃない?」
「……え?」
「確かにリーチェお姉ちゃんは美人だし優しかったしみんなに慕われてたけどさー。今のリュートの方が絶対に多くの人に慕われてると思うよ?」
リーチェお姉ちゃんに良く似てすっごい美人だし、リーチェお姉ちゃんでも呆れるほどおっぱい大きいし、王国中の人に英雄として慕われている今のリュートの方が、当時のリーチェお姉ちゃんよりも凄いと思うけどなー。
リュートがリーチェお姉ちゃんと最後に会ったのは15か16歳の頃だったっていう話だし、記憶の中でリーチェお姉ちゃんを美化しすぎているところはあるんじゃないかな?
だけどリュートは私の言い分に納得してはくれないみたい。
「……ぼくが慕われているのは、建国の英雄リーチェだからさ。ぼくがリーチェじゃなかったら、今みたいに慕われる事はなかったと思う」
「んもーっ。パパも大概だけど、リュートも自分の事に自信が持てないんだねー? リーチェお姉ちゃんはいっつもリュートの事を私に自慢してきたのにさー」
「えっ」
沈んでいたリュートの声に、僅かに嬉しそうな感情が混ざる。
そんな風に素直で裏表が無いリュートだから慕われてるんだと思うけどなー?
「リュートは誰よりも可愛いのに、全然着飾ろうとしないから困っちゃうってよく愚痴を零してたよ? あと生まれたての癖に自分よりおっぱいが大きくてホント生意気だってよく笑ってたなー」
「なんでアウラから語られる姉さんのエピソードのはずなのに、毎回毎回ぼくのおっぱいの話になるんだよっ! 大体姉さんだって普通に大きかったじゃないかっ!」
「え~? リーチェお姉ちゃんはティムルママとかシャロママくらいでしょー? リュートとムーリママのおっぱいサイズは女の私から見ても圧巻だよ? リーチェお姉ちゃんも本物か疑ってよく揉んでたって言ってたし」
「重くて大変でしょうって良くマッサージしてくれてたの、あれって本当はそういうことだったのっ!? ていうか生まれた瞬間から自分が面倒見てた癖に、なんでその姉さんが本物か疑うのさーーっ!?」
リュートのおっぱいをマッサージするリーチェお姉ちゃんかぁ……。
なんだろう? なんかパパに教えちゃいけない情報の気がするな?
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「エロフ族にとっては15~16歳って赤ちゃん扱いなんでしょ? なのに100歳以上生きている自分よりおっぱいが大きかったら、私だっておっぱいの印象ばっかり残っちゃう気がするよー」
「ダンじゃあるまいし、アウラまでエロフって言うのやめてくれる!? って、おっぱいの話ばかりする姉さんのエピソードが完全にエロフなのかっ!?」
「リュートが抱き付いてくるたびに複雑だったって言ってたよ? いつか心置きなくこのおっぱいを揉み解してみたいんだーって」
「複雑ってそっち!? エルフ族の代表として蒼穹の盟約に選抜された姉さんのエピソードがぼくのおっぱいに関する話ばっかりなんだけど!? これじゃ確かにエロフと言われても仕方ないじゃないかーーっ!」
リュートの精霊魔法を辿って行って、頭を抱えるリュートの姿を見つけることが出来た。
姿を隠さないとリーチェお姉ちゃんの話が出来なかったリュートだけど、おっぱいトークのおかげで一応元気は取り戻してくれた、のかなぁ?
「リュートってすっごくえっちなくせに、エロフって呼ばれるのは抵抗があるの? 普段澄ましてたリーチェお姉ちゃんだって、私に話すのはリュートのおっぱいの話ばっかりだったよ?」
「もっと色々思い出あるだろーっ!? そりゃ姉さんだって忙しかったんだろうけど、それでも姉さんはずっと一緒に居てくれたじゃないっ! なのにぼくのおっぱいしか見てなかったの姉さんはっ!?」
「パパだってリュートのおっぱいばっかり見てるじゃないのー。というかパパに関してはリュートの方からパパにおっぱいを差し出してるくせに、リーチェお姉ちゃんにおっぱいの話をされるのは嫌なのー?」
「ぐっ……! た、確かにダンには自分から差し出してるけど、それはぼくのおっぱいがダンのものだからだよ……!? 姉さんにおっぱいの話をされるのとはワケが……!」
「その言い分が完全にエロフなのっ。リュートはパパに貰ってもらって良かったよねー? 普通の男の人だったら干からびちゃってるんじゃない?」
「え、えへへ……。そうかなぁ~? ダンとお似合いって言われると照れちゃうな~っ」
あ、ダメだ。全然伝わってない。
リュートってパパのことになると一瞬でポンコツ化して、なんでもかんでもいいようにしか捉えなくなるんだよねー。
……私もリュートも毎日死を覚悟するほど幸せにしてもらってるけど。
私達の為に命を落とすしかなかったリーチェお姉ちゃんは、愛される幸せを知ることなくこの世を去ってしまったんだなぁ。
リュートによると、蒼穹の盟約のみんなが死んだ事は確実に確認されたそうだし、過去を取り戻してくれるってパパでも流石にお姉ちゃんの事を幸せにするのは無理……だよね?
でもパパならなんとかしちゃうかも、なんて思っちゃうあたり、私もすっかりパパに染められちゃったみたいだよぉ。
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